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2022年8月27日 (土)

詭弁と強弁の常習犯 ――機能不全に陥っている日本の政治・岸田内閣 (2)――

詭弁と強弁の常習犯

――機能不全に陥っている日本の政治・岸田内閣 (2)――

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「機能不全に陥っている日本の政治・岸田内閣」を取り上げています。第一回は、1953年の国会予算委員会での吉田茂総理の「バカヤロ―」発言を取り上げました。

そして、昨日は「巨大キュウリの収穫」でしたので、一見関係はないように思われた方がいらしたかもしれませんが、未来への希望をつなぐために大切なメッセージがあったのです。それは、何回か先に。

今回は、機能不全の一つであるのと同時に、その原因にもなっている「詭弁」と「強弁」の実例を検証します。安倍元総理が使った、とは言えそれは官僚の「知恵」だったことが明瞭な例と、その30年も前1993年の官僚答弁とに共通している、「標準的嘘」を確認します。

私たちが、このような「標準的嘘」に精通していることを官僚や政治家に示すことが大切なのは、嘘をつく側の一部の人にとっては、「この嘘は、もう主権者である国民に十分、嘘だと分っている」という事実を自覚させることで、中には「もう嘘はつけない」と観念する人が出てくる可能性があるからです。

まず、御紹介するのは、2020217日の衆議院予算委員会での、辻元清美議員と安倍総理のやり取りです。Litera誌の電子版からの引用です。

安倍前首相からヤジを浴びせられた辻元議員は、5日後の同月17日、再び質疑に立つと、「前夜祭」の会場として使用されたANAインターコンチネンタルに問い合わせて得られた回答文書を安倍前首相に突きつけた。安倍前首相はそれまで「明細書は受け取っていない」などと主張してきたが、辻元議員への回答のなかでANAインターコンチ側は過去7年間で明細書を発行しなかったケースは「ない」とし、「宴会代金を主催者ではなく参加者一人ひとりから会費形式で受け取ることはあるか」という質問にも「代金は主催者からまとめてお支払いいただきます」と明言したのだ。

 その後、安倍事務所がANA側に確認した結果として「辻元議員にはあくまで一般論でお答えしたものであり、個別の案件については、営業の秘密にかかわるため、回答には含まれていない」と答弁、「私がここで話しているのが全日空側とのやりとりの真実だ」と主張して、「ANAの回答を書面で出せ」という野党の要求にも「信じていただけないということになれば、そもそも予算委員会(の質疑)が成立しない」「すでにコミュニケーションがみなさんとは成り立たない」とまで口にした。

 しかし、なんとこの「やりとりの真実」だと言っていた答弁も「真っ赤な嘘」「捏造」だった。複数のメディアがANAに取材したところ、「直接(首相側と)話をした者が『一般論として答えた』という説明をしたが、例外があったとはお答えしていない。私共が『個別の案件については、営業の秘密にかかわるため回答に含まれていない』と申し上げた事実はない」(毎日新聞218日付)と回答したのだ。

 後半部分も興味深いのですが、問題は前半です。「ANAインターコンチ側は過去7年間で明細書を発行しなかったケースは「ない」」と言っているのです。それに対して、安倍元総理は、休憩を挟んで(ということは官僚が悪知恵を元総理につけたのでしょう)、辻元議員の指摘した事実は「一般論」であり、「個別の案件」については当て嵌まらないという答弁をしています。

約30年前の201347日に、私の質問に対して文部科学省が全く同じ理屈での「嘘」をついています。拙著『数学書として憲法を読む――前広島市長の憲法・天皇論――』の235ページからです。

 《何も変えずに少人数教育を実現する》

次は改組前の文部省です。群馬大学だったと思いますが、新たな教育制度を採用する、その目玉になるのは少人数教育だという案件でした。つまり、大学の一つ一つの授業は今までより少人数で行うというのです。そのためには、先生の数を増やすか、先生の授業担当時間を増やすか、学生の総数を減らすか、取得単位数を減らすことが必要になります。

(秋葉) この内のどれを変えることで、少人数教育を行う積りなのか。

(官僚) 先生御指摘のように、一般論としてはその通りでございます。しかし、本案件の場合には、現状のまま、何も変えずに少人数教育が実現できる見通しでございます。

つまり、今までと全く同じ学生数で、教授の数も授業時間も増やさず、学生の取得単位数も変えずに、一クラス当りの学生数だけが減るというのが答でした。結局、30分も掛って、しかも、先輩議員たちが良く使う「これでは質問が続けられない」という最後通牒を突き付けて、ようやく、教授の数は増やさなくてはいけない、また授業時間が増える場合もあるということを認めさせました。

当然のことですが、ここに上げた3例のどれを取っても、なぜこんな分りきった嘘の答弁を官僚たちがするのか理解できませんでした。しかし、それは、真実よりも論理よりも個人の良心よりも、官僚たちの主張は絶対的であるという大前提があるからなのではないかと思います。

官僚の世界では、このような形で国会やマスコミに対して「嘘」をつく上での「有効な」ノウハウがマニュアルのような形で共有されているとでも考えないと、常習犯として、官僚たちが同じパターンの詭弁や強弁を繰り返している理由が説明できません。

なかなか、岸田内閣に辿り着きませんが、安倍内閣の「成果」の上に立っていることが歴然としている存在ですので、今回の事例も十分に岸田内閣の批判になっているはずです。

 

コロナについてもまだまだ油断はできません。皆様、くれぐれも御自愛下さい。

 それでは今日一日が、皆さんにとって素晴らしい24時間でありますよう。

[2022/8/27 イライザ]

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