「有事に対応する」内閣とは、戦争する内閣という意味
「有事に対応する」内閣とは、戦争する内閣という意味
8月10日の記者会見の録画ですが、共同通信のYouTube配信からその一部を御覧下さい。この中で岸田総理大臣は「有事に対応する政策断行内閣」という言葉を使っています。
マスコミは、なぜか後半の「政策断行内閣」を取り上げて前半の「有事に対応する」を省略しているように見えるのですが、フジは違いました。FNNプライムオンラインの、文字化された部分には、岸田総理の言葉としてハッキリと次のような記述があります。
「皆さまの期待に応える『有事の内閣』を速やかにと整えていくため、内閣改造を断行しました。(ネーミングは)「政策断行内閣」としたいと思っている」
私は、これで岸田内閣の本音が出てきたと、空恐ろしい思いでこの部分を聞きました。「有事に対応する内閣」あるいは「有事の内閣」とは、「戦争をする内閣」ではありませんか。でも、「有事」という言葉に日本全国が鈍感になってしまっているようで、私が「空恐ろしい」と感じた半分はその鈍感さへの反応でした。
改めて、「有事」のお浚いをしておくと、この言葉が政治とマスコミの世界で多用されたのは、2003年(平成15年)6月13日に武力攻撃事態対処関連3法が成立した前後でした。通称、「有事法制」と呼ばれましたが、私たちは、成立前から「戦争法」だと呼んでその本質を明らかにしてきました。
「有事法制」と「有事」とはどのようなことを表しているのか、Wikiwandから引用します。
1978年に防衛庁官房長として有事法制研究に参画した竹岡勝美によれば、有事法制とは「いずれかの国が日本と周辺の制空権、制海権を確保した上で、地上軍を日本本土に上陸侵攻させ、国土が戦場と化す事態を想定した法制」である
つまり、「有事」とは、他国が制空権と制海権を確保して、日本に上陸した状態なのです。つまり戦争状態です。それに「対応する」とは、日本が武力によってそれに「対応する」のですから、戦争をする意味しかありません。
しかし、言うまでもなく、これは憲法違反です。
第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
岸田内閣は、安部内閣でも表立っては明らかにしなかった「戦争をする」内閣であることを、内閣の性格を示す言葉として採用したのです。その重大性について、私たちがもっと大きな声を上げないと、次には「宣戦布告」が閣議決定されることにつながっても不思議ではありません。
炎暑とともに豪雨も各地を襲っています。台風も上陸するという予報です。コロナについてもまだ油断はできません。皆様、くれぐれも御自愛下さい。
それでは今日が、皆さんにとって素晴らしい一日でありますよう。
[2022/8/13 イライザ]
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