防衛省を防災省に
防衛省を防災省に
仙台市立荒浜小学校の鉄の扉です。東日本大震災の遺構ですが、11年経って、あの時のショックは忘れ去られているのでしょうか。
ロシアのウクライナ侵攻以来、「リアル・タイム」で私たちが体験している戦争の様子に「ウクライナ・ショック」を受け、「日本でもこんなことが起きたらどうすれば良いのか」という危機感につながっています。それはそれで分るのですが、もう一つ、忘れてはいけないことを忘れてはいませんか。
昨年7月3日には熱海で土石流災害が起きて26人の方が亡くなっています。一昨年は、熊本での豪雨災害で、熊本だけで64人の方が亡くなっています。
選挙中で時間がありませんので、以前まとめた数字を再掲しておきます。2018年に起きた災害で記憶しているものを並べてみると、(i) 1月23日の草津白根山の噴火、(ii) 死者の出た2月の北陸豪雪をはじめとする各地での豪雪、(iii) 3月と5月の霧島山新燃岳と桜島の噴火 (iv) 6月18日、死者4名、損壊家屋は3万戸近くになった大阪北部地震、(v) そして死者は200名を超えるであろう、7月の西日本豪雨と、半年ちょっとで大きな災害が目白押しです。
こうした数字を前に、「日本がウクライナと同じように攻撃された時に備えて、軍備を強化し、核武装までも必要なのではないか」という種類の主張に大きな違和感を持っています。自然災害の死者は毎年確実に私たちの目の前に現れているのに反して、日本が外国から攻められた、あるいは戦争で死者が出たという数字は「0」なのですから。
再度、比較の数字を掲げておきましょう。
- 2000年から2019年までの自然災害死者数は23,991人です。
- そして推計ですが、1945年から2019年までの自然災害死者数は約90万人です。
- 対して、1945年から2019年までの戦後75年間、外国からの侵略・外国との戦争で死んだ日本人の数は0人です。
「ウクライナ・ショック」を端的に示すために、死者数によって考えることにしますが、ウクライナ戦争で命を落した日本人は「ゼロ」です。そして、戦後、自然災害によって亡くなった日本人の数は、100万人近くになるという事実から、そして恐らく今年も自然災害によって必ず犠牲者が発生することを考えると、今、私たちが懸念し、政府がお金を投じなくてはならないのは、自然災害対策なのではないでしょうか。
それはこのグラフから明らかです。災害があると予算は増えますが、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」で、「予防」のための予算はないのです。
予算が出てこない理由の一つは、「防災」を専門にする固定したお役所がないからです。それは、「防衛省」を「防災省」に変えることで解消されます。防災省を創設するメリットを、防衛省との比較でみてみましょう。
「予算」のカッコ内で言及してるグラフは、その前のグラフのことです。この比較からの結論は、防衛省を防災省に変えても、多くのメリットはあってもデメリットはまず考えられないということです。
ここで「誤解」を避けるための説明ですが、自然災害そのものは「予防」できません。でもその結果犠牲になる命や財産は減らすことができるのです。例えば、住宅をはじめより多くの建築物の耐震化を図る、急傾斜地にある住宅を安全なところに移設する、河川の浚渫をする、洪水の起きやすい河川の流れを変える、危険な盛土を移動する、避難訓練を徹底する等、予算を付ければ実行できるそして効果のある施策は山とあるのです。
つまり、今の時点で「倍増」すべきなのは、「軍事費」ではなく、「防災費」なのです。それは、国民の命を確実に守る「現実的」な選択です。
「憲法を改正して自衛隊を憲法内に明記する」などという、「改憲先にありき」という論法ではなく、日本国民の命を救うのが国家の最優先義務だという憲法の規定からの結論は、「防衛省」を「防災省」に変えることで全て「解決」という簡単・明解な素晴らしいシナリオです。
炎暑が続き台風も近付いています。皆様、くれぐれも御自愛下さい。
なお関連の動画は、ホームページやYouTube公式チャンネルを御覧下さい。
https://www.youtube.com/channel/UCNOCvMp5EfcUTqCYU6jgf0Q/videos
また、今後の予定等については、ツイッターを御覧頂ければ幸いです。
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それでは今日が、皆さんにとって素晴らしい一日でありますよう。
[2022/7/5 イライザ]
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