憲法は強力なワクチン ――コロナも戦争も「予防」で防ごう――
憲法は強力なワクチン
――コロナも戦争も「予防」で防ごう――
ウクライナ戦争は長期化するようです。核兵器を使わせない、即時停戦、ロシア軍のウクライナからの撤退、避難民の生活支援等の目的ができるだけ早く実現するよう、できることは何でもしたい気持です。
でも、戦争が始まってから私たちにできることは限られています。戦争が起きないように「予防」することが最重要だと言って良いでしょう。戦争がウイルスによって引き起こされる病気だと考えると、ウイルスに相当するのは戦争を容認する考え方、それ以上に戦争を煽り、戦争しか手段がないという諦めの思想を多くの人に植え付ける言説等だということになります。
それに対しての有効な対策がワクチンであることは言うまでもありませんが、良く考えてみると、効果のあるワクチンが如何に多いのかに気付きます。
たとえば、3月23日に、ゼレンスキー大統領が国会議員に向けて行った演説では、現在の国際機関が侵略を予防するという機能を果していないことを指摘した上で、こうした新しい機能が果せるような国際的なツールを作る上で、日本の果たせる役割に期待していると述べました。つまり、ワクチンの一つは、国際機関です。
日本の役割に期待しているのは、平和憲法、特に9条があるからだということが確認されていますので、そうなると、憲法9条も有効なワクチンだということになります。
もう一つ、AFSという組織による高校生の交換留学制度も効果的なワクチンです。私の人生に決定的な影響を与えてくれたのが、高校生の時にアメリカに留学したことですが、元々はAmerican Field Serviceという名称でした。発足したのは1914年に第一次世界大戦がはじまったのと同時でした。パリに滞在していたアメリカ人の青年たちが、戦場で救急車のボランティア運転手として活動し始めたのです。第二次世界大戦でも同じボランティア活動をした彼らは、戦争が終って、「戦争が始まってからボランティア活動をするのでは遅い。戦争が起きないようなボランティア活動に切り替えよう」と考え、高校生の交換留学制度を立ち上げたのです。
もちろん、核兵器禁止条約や戦争についての法的メカニズムとしては基本的な条約だった不戦条約などもワクチンの一種です。
こうしたワクチンの役割については、ロックグループの「9mm Parabellum Bullet」が、「Wanderland」という歌の中で次のように説明しています。
見えないラインで区切られた
つぎはぎだらけの世界地図
国境は歴史の傷口で
治せる薬を探してる
コロナのような病気、そして戦争に対して有効なワクチンのあることは心強い限りですが、これからの季節大きな被害をもたらす自然災害については、ワクチンはないのでしょうか。
自然の動きそのものを制御することはできないにしろ、被害を少なくするために反乱の起きそうな河川の浚渫とか改修は可能ですし、崖崩れの起きやすい場所に建っている住宅の移築等も可能です。
こうした仕事を日常的に行う組織として、防衛省を改組して防災省にすれば、憲法違反の存在もなくなることになり、一石二鳥になるのですが、どうでしょうか。
[2022/5/12 イライザ]
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