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2022年4月10日 (日)

NoFirstUseインタビューの和訳第二回目です ――少し長いですが、お付き合い下さい――

NoFirstUseインタビューの和訳第二回目です

――少し長いですが、お付き合い下さい――

 

 「「ノーファースト・ユース・グローバル」が、ウクライナ紛争で核兵器を使うな、と訴える秋葉前広島市長にインタビューしました。」 というブログ・インタビューの日本語訳第二回目を掲載します。

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責任ある立場の人が核兵器使用の可能性に言及して世界を脅迫することを、被爆者は誰一人想像できませんでした。プーチン大統領があり得ない一線を越えたのは、広島と長崎での被爆者の経験を十分に理解していないからです。あの悲劇を内面化した人なら、核兵器を使ったり、核兵器を使うと脅したりすることは、想像だにできないでしょう

核兵器の使用を決断する超核兵器保有国の指導者として、プーチン大統領はその決断を下す前に、できるだけ早く広島を訪問しなければならない、と私は信じています。他の全ての核兵器保有国の指導者も、同じ義務を持ってしています。

 半世紀以上にわたり広島を訪れた訪問者を観察してきた私の経験から言うと、広島を訪れ、平和記念資料館を視察し、被爆者の声に耳を傾け、生死を語り合い、市民と交流する人は殆ど誰も、同じ結論に達します。それは、広島に来るまで核兵器の恐ろしさや非人道性を、理解していなかったということです。そしてどんな国も核兵器を使用してはならないということです。

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資料館入口付近(オバマ大統領の広島訪問直後)

プーチン大統領にそんな訪問の時間がないなら、その時は広島の中でも爆心地と原爆ドームがある選挙区から選ばれている、岸田首相が介入すべきです。首相は既に亡くなった被爆者、更に重要なことに、まだ苦しみ続け、今回の脅しを非常に心配する人々について知識が豊富です。首相はモスクワに飛び、プーチン大統領に、歴史的事実から核兵器を使うことがどれ程恐ろしいかを伝えるべきです。更にニューヨークにも行って、安全保障理事会に出席し、他の核兵器保有国首脳に向けて同じことを主張すべきです。岸田首相は、選挙区の人々を代弁する法的責任を負っていて、それには、被爆者の声、歴史的遺産、選挙区の有権者の意志が含まれます。

私は東京生まれですが、12年間広島市長を務めたということを指摘しなければなりません。私は1945年8月6日に広島にいなかったのです。しかしそれは、世界に対して、私が被爆者を含む広島市民の代表として行動することとは矛盾しません。その役割を果すための地位に彼らは自らの意思で選んだのですから。広島の市民や被爆者から同じように選ばれた総理大臣なのですから、岸田さんには更に大きな責任があります。今、彼は市民と被爆者の意志に基づいて日本国政府を動かすことができるからです。

AT: トヴィッシュさん

それで署名運動が今進行していて、賛同署名が10万人に近づいています。Change.orgにとってはとても素晴らしい成果となっています。10万に達したら何か具体的な計画をお持ちですか?

TA: 秋葉さん

もうプーチン大統領と岸田首相に手紙を送くりました、賛同者の数が5万人を少し上回った時のことです。ですから次の目標は、数が10万に達した時、プーチン大統領、岸田総理、他の核保有国首脳に、手紙を再度送りたいと思います。

AT: トヴィッシュさん

紛争のエスカレーションはいろいろな形で起こる可能性があるので、それをするのに必要な手段を持っている全ての国は、このメッセージを聞く必要があるってことですね。

TA: 秋葉さん

誰でも公に表明した立場を変えるためには、ちょっと背中を押して貰うと上手く行く場合があります。その人に対して怒鳴るだけでは上手く行かないでしょう。おそらく、より良い方法は、妥協できる環境を作ることです。

妥協点を指し示すあらゆる可能性、核兵器を使用しないよう促すものは、何でも検討する価値があります。ロシア以外の核兵器保有国が、「ねえ、君のとこが核兵器を使用しないと約束するなら、私たちはこの武力紛争で核兵器を使用しないと約束するよ」、って提案してみてはどうでしょうか。更に一歩進んで、核兵器で攻撃されない限り、どこも他国に核兵器を使用しないと宣言するのはどうでしょう。それが「ノー・ファースト・ユース(核兵器の先制不使用)」です。

AT: トヴィッシュさん

この署名運動について最近の日本の新聞記事で、秋葉さんはノー・ファースト・ユース(以下NFU)と核兵器廃絶との関係について説明していました。論理的な観点からだけでなく、政治的な観点からも、少し時間を取ってそれについてお話していただけませんか?

TA: 秋葉さん

分かりました。仮にある核兵器保有国の指導者が、個人的に、そして内緒で核兵器の廃絶を望んでいる、従って、その国は核兵器禁止条約を批准すべきだ、と考えているとしましょう。しかし批准は、核兵器やその他の関連施設を物理的に撤去しなければならないことを意味します。また、国の産業構造を変更する必要があります。より技術的な詳細が、そのような非常に大きな決定に伴って起こるでしょうね。

核兵器禁止条約締約国会議は、この側面を明確にしようとするでしょう。この手順は、条約に法的強制力を持たせるために必要ですが、同時に核兵器の廃絶を密かに望んではいるが、現状に縛られている指導者にとって、物事を困難にするだけです。

私たちがしなければならないことの1つは、仕事をより困難にしないことです。私たちは秘密の願いが達成しやすくなるよう工夫すべきです。例えばニンジンのようなものが考えられないでしょうか。

例えば、「これは今、直ちに核兵器禁止条約を完全に批准するよりも簡単だねー。この一段なら登れそうだし、それ程費用もかからない。国民の過半数からすぐに支持されるのに十分な説得力があるし、核兵器禁止条約批准への良い足がかりとなるぞ。」、という風に指導者が解釈できるようなものです。

それがNFU政策の採用です。これが実行しやすい理由はいくつかあります。第1に、中国とインドは既にNFUを宣言していて、それを守っています。9つの核兵器保有国の内、2つの国がもう同意しているのです。これは、核兵器保有国はどこも批准していない核兵器禁止条約よりも進んでいます。そして第2は、NFUはオバマ大統領が、国連を通じて国際協定にしようとしたことがあるからです。 残念ながらそのイニシアチは、当時の安倍首相の反対によって潰されてしまいましたが、米国では、NFUを支持する強い波が急速に広がっています。だから、バイデン大統領がそれを受け入れることには大きな期待が持てます。

第3に、中国とインド以外の核兵器保有国も、非核兵器地帯条約を批准し、NFUの原則に合意していることです。例えば、ラテンアメリカとカリブ海地域を対象とするトラテロルコ条約は、この地域の国々が核兵器を保有することを禁じています。更に、安保理常任理事国である5つの核兵器保有国が、この地域で核兵器を使用しないことに合意しています。同条約を批准し付属議定書に署名することで、限られた地域内ではありますが、5つの核兵器保有国が、既にNFU政策に合意しているのです。それは良い兆候です。

私たちは、NFU政策の普遍化に部分的な成功を収めました。これをもう少し推し進めて、NFU政策を他の核兵器保有国と他の世界各国広めることだけが残されています。

NFUのもう1つの長所は、簡単だということです。単なる宣言ですから、既存の施設を解体したり、核弾頭やミサイルを解体したりする必要はありません。単なる宣言であっても、ほんの少しだけお互いを信頼し始めることによって、NFU政策が現実に機能することを世界が理解すれば、より平和な世界へと転じるでしょう。

それは、核兵器保有国の指導者たちが、核兵器禁止条約と核兵器廃絶の残りのプロセスを、もっと自信をもって受け入れられることを意味します。言い換えればNFUは、核兵器禁止条約というより高い目標に辿り着くためのちょっと低い足掛かりなのです。それが私の提案です。非常に高い目標を達成するのは難しいかもしれませんが、初めの一歩を登り始められれば、次の目的地に少し到達しやすくなります。核兵器保有国の指導者がすぐに踏み出せる一歩は、NFUなのです。

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 続きます。

[2022/4/10 イライザ]

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