ウクライナ戦争は長期化するのか ――一日も早い停戦とロシア軍の撤退を祈っています――
ウクライナ戦争は長期化するのか
――一日も早い停戦とロシア軍の撤退を祈っています――
ウクライナ情勢は依然、暗いままですし、戦争が長期化するという見方もかなり強くなっています。アメリカ対ロシアの対立が基本にはあり、中国の立場も視野に入れた地政学的な分析、あるいはすべてがアメリカの陰謀だというようなシナリオもネット上では広がっています。物理学等の科学のように、因果関係が目の前に見える訳ではあませんので真実を理解する難しさはあるにしろ、「戦争」を容認する文化、社会、政治を変えなくては事は収まらないことは、多くの皆さんには賛同して頂けると思います。
それは、何より大切なのが、無辜の市民、民間人、非戦闘員の命と生活だからです。戦争が長期化すれば、いや一日でも長引けば人の命が失われるからです。例えば、太平洋戦争が終る1945年8月15日の一日前、8月14日から15日の未明にかけて、全国で10か所以上、合計2300人もの民間人が、アメリカ軍の空襲により命を落としています。(毎日新聞電子版2017年8月13日、14日版。次の図も。)
ウクライナの戦争の報道に触れる度にこうして、太平洋戦争 (あるいは第二次世界大戦、大東亜戦争、または15年戦争等呼び方はいろいろありますが、ここでは太平洋戦争を使います) と重なる映像として見てしまうのは、少しでもその戦争と直接関わりがあったからに違いありません。
まだ2歳半の赤ん坊だったのですが、昭和20年の夏、当時住んでいた千葉市の空襲の記憶は鮮明です。詳しくはまたこのブログにも再掲したいと考えていますが、小著『真珠と桜』(朝日新聞社1986年)をお読み頂ければ幸いです。
それ以上に辛い思い出として残っているのは戦後の生活です。食べる物がなく、泥棒は当たり前、そして闇市といった環境だったのですが、忘れられないのはそんな中で見掛けた「浮浪児」です。
上野の公園や新宿のガード下で見掛けた「戦災孤児」は、子どもの私にはとても「怖い」存在でした。被爆者の故岡田美恵子さんは、広島の「原爆孤児」の生活について話されていましたが、戦争の犠牲になった子どもたちはかなりの間、政治が手を差し伸べる訳でもなく、とにかく何とか生きるためだけの毎日を送っていたのではないかと思います。
その広島でも、住む家がなく、本川沿いに「原爆スラム」と呼ばれた、バラック群があったのです。ウイキペディアによると「西側の本川沿いは、生き残った者や疎開から戻ってきた者、引揚者などが焼け残ったトタン板や板切れを使ってバラックを建てて住むようになり、1960年(昭和35年)頃には900戸に及ぶ住居が密集し迷路のようになっていた。」のです。
犠牲者数が、1945年末までに広島では14万人と言われていますし、東京大空襲では一晩で10万人が亡くなったのですから、両親を失った戦災孤児数もそれに比例して多かったはずですし、広島でも東京でも家を失った人の数は想像を絶します。
ウクライナでの犠牲者数はそれとは桁が違いますが、それでも戦災孤児がゼロというはずがありません。そして、病院、商業施設、住宅等、民間施設への爆撃で、町が廃墟と化しているウクライナの映像を見る度に、今、即時に戦争が終ったとしてもこれからのウクライナ市民が如何に苦しく辛い生活を強いられるのか、慰める言葉も見付かりません。
それでも、せめて核兵器を使うことだけは思い止まって欲しい――署名運動を始めたのはそんな祈る気持もあったからなのです。何度もお願いが続いて申し訳ありませんが、署名運動に御協力のほど、宜しくお願いします。
[2022/4/15 イライザ]
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