署名運動さえ難しい時代になったようです ――相手によっては、善意が悪用されるかもしれません――
署名運動さえ難しい時代になったようです
――相手によっては、善意が悪用されるかもしれません――
Change.org の活動を知ってから、一見平和な社会と見えるわが国にも、私が考えもしなかったような状況があり、それに負けずに、しかも自分だけではなく自分と同じ境遇にある人たちのために活動している多くの人のいることに気付かされました。
その一例が、今日「お知らせ」が届いた「虐待から逃げた18歳。頼みの綱は生活保護です。どうか選択肢をください。」というキャンペーンです。NPO法人虐待どっとネット代表理事中村舞斗さんが発信者ですが、中村さんがかなり前に気付いたツイートがその趣旨を簡潔に伝えてくれています。
「虐待を受けた子どもが18歳になってから親元から逃げると児相は原則取扱いできません。頼みの綱は生活保護です。でも大学生は生活保護を受けることができません。例え18歳でも。逃げたばかりでも。医療費分だけでもいいんです。生活が安定するまでだけでも。生活保護の運用がほんの少し変わって欲しい。」
このキャンペーンの署名の宛先は後藤茂之厚労大臣ですが、大臣は中村さんたちキャンペーンを進めている人たちと会い、署名を受け取ってくれたとのことです。良かったと思いますし、署名の重みをしっかり受け止めて貰いたいと祈っています。
しかし、私が始めた「「核兵器を使わない」と、ただちに宣言して下さい!」キャンペーンの署名の宛先は、ロシアも含む核保有国首脳と岸田総理大臣です。そしてウクライナに侵攻し核兵器を使うという脅迫で世界と対立しているプーチン大統領にも届けることになっています。
そして、ロシアにはKGBという諜報機関がありプーチン大統領はKGBの出身です。それだけではなく、アメリカにはCIAがあり、イギリスには「007」で知られるようになったMI6があります。
CIAのシール
私のキャンペーンの目的は、核保有国の悪口を言うことではありません。核保有国がこれからの世界で最も合理的かつ人間的な役割を果たすための建設的提案ですので、この署名運動に賛同して下さった方々を特定して、報復するなどということは考えられません。
とは言え、私たちには考えることもできなかったウクライナの侵攻が現実に起きている時代です。そしてインターネットでは、「ランサムウエア」が世界的な企業を脅迫し莫大な「身代金」をせしめていることも事実です。
届ける先は駐日大使だとしても、一国を代表する場所です。善意で署名してくれた皆さんの個人情報、つまり個人名をわざわざ危険に晒して良いものでしょうか。
同時に、これはインターネットによる署名だけには限らないことにも気付きました。街頭で署名運動をする際に、名前と住所を書いて貰うことが定番なのですが、その個人情報が宛先の団体にどう使われるのかも、これからは考えた上での運動を展開しなくてはならないのかもしれません。
[2022/3/5 イライザ]
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コメント
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ある通信販売のチラシ。住所、氏名は、必須でしょうね。そのチラシには、生年月日の記入欄まで、ありました。そこまで、必要なのですか。コメント投稿。メールアドレス、必須が、あります。そこまで、記入してのコメント投稿は、出来ません.御ブログは、その要求は、ありませんので、安心です。署名活動。本名、住所は、記入したくありません。個人情報、個人情報・・と、いいます。記載したくないです。免許証確認は、いいですが、免許証コピーまでは、されたくないです。
投稿: 匿名希望します。 | 2022年3月 5日 (土) 14時18分
「匿名希望様」
コメント、有難う御座いました。
とにかく、不必要な情報を集めようとする人たちが多くて迷惑ですね。それもこちらに何のメリットがあるのかも分らないようなものが多いので、心配です。
投稿: イライザ | 2022年3月 6日 (日) 13時19分