沖縄での記者会見と緊急声明 ――5月21日のシンポジウムの案内もしてきました――
沖縄での記者会見と緊急声明
――5月21日のシンポジウムの案内もしてきました――
今日は、沖縄県の記者クラブで、5月21日に沖縄で開かれるシンポジウムのお知らせならびにウクライナ危機についての「緊急声明」発表のための記者会見に参加してきました。
こちらが記者会見のメンバーです。
左から、木村朗鹿児島大学名誉教授、秋葉忠利前広島市長、糸数慶子前参議院委員、アーティストの喜納昌吉さん、同じくアーティストの金城吟呼さん、石岡裕・すべての武器を楽器に事務局長です。
この会見の様子は地元のテレビでも紹介されましたが、リンクが上手く張れません。後日、共有します。
さらに緊急声明も発表しました。
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NPO法人 すべての武器を楽器に 緊急声明
戦争と核のない世界へ
世界はいま、ウクライナで繰り広げられている戦争に大きく揺れています。
この戦争により亡くなり、また傷ついたすべての方々、家族や大切な人、家やふるさとを失ったすべて方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。
これ以上犠牲者を増やさないため、戦争当事者のロシア・ウクライナ両国は、誠意をもって停戦協議を進め、一刻も早く戦闘を停止することを強く要望します。
またこの戦争においてロシアが核攻撃をほのめかして恫喝したことは断じて容認できるものではありません。ここに強く抗議し、決して核は使わないことを表明するよう強く求めます。
日本政府にはロシア・ウクライナ両国への仲裁と核の不使用の説得を行うよう求めます。
この戦争は、私たちの人類社会が、一つ間違えば地球規模の核戦争につながりかねない危うさを秘めていることを、改めてそして強烈なリアリティーを持って突きつけました。
残念ながら、国連をはじめ国際社会の枠組みは、開戦の阻止にも戦争の停止にも有効な手立てを発揮することができていません。
いったん始まってしまえば、戦争も核兵器使用も止めることが極めて難しい。これこそいま私たちが直面している現実です。
人類は3000年の間に5000回の戦争をしてきたと言われています。戦争はあたかも人類の切っても切れない習性のようですらあります。しかし、私たちはいま、この習性を改める時を迎えているようです。
なぜならば、科学があまりにも進歩し、それを取り入れた兵器の破壊力がとてつもなく大きくなってしまったせいで、現代の戦争行為は人類の滅亡へと直結するようになってしまったからです。もはや侵略とか防衛とかはあまり意味を持たない言葉になってしまいました。どちらが仕掛けたにせよ、いったん戦争が始まってしまえば人類全体の滅亡の脅威がそこにあることを私たちは今、目の当たりにしているのです。
現代においては、だれが行うにせよ、戦争は人類全体の存亡に直結する危機です。答えは十分にわかっているのです。核兵器の使用はもちろん、戦争行為そのものも禁止しなければ、人類に未来はありません。
日本国憲法は、世界に先んじて、戦争を永久に放棄し、戦力を保持せず、国の交戦権を認めないことを高らかに掲げてきました。この憲法は時代を先取りし人類の向かうべき方向性を指し示しています。憲法9条は人類全体が未来へ向かう為に必要なスピリットのひな形であり、今世界が必要としているヴィジョンにほかなりません。
このスピリットを世界に広げ、世界中の国々が戦争と核を含む戦力を放棄するようにと、日本は声を上げるべきです。
日本は敗戦も占領も経験し、そして何より人類で唯一、核兵器の脅威を身をもって体験した国です。世界の誰もがそのことを知っています。私たちの言葉は、核戦争体験国の言葉としてリアリティーを持って世界に響きます。世界の良心は日本が戦争と戦力の放棄へのヴィジョンを指し示すことを求めています。またそれは、核戦争を体験した唯一の国としての責務でもあります。
昨年、国連の定める国際法として核兵器禁止条約が発効しました。常任理事国の特権を認めず、すべての国に等しく核の放棄を求めるこの条約こそは、核廃絶に向けての人類的新基準です。
残念なことに日本はまだこの条約の署名も批准もしていません。唯一の被爆国であり、また世界に先駆け戦争と戦力の放棄を憲法に謳い、それを守ってきた日本がこの条約を広げる先頭に立ち実効性を持つように世界に呼びかけることを国際社会は期待しています。
しかも現在日本の首相は広島出身であり、日本が本気で核廃絶に向けて声を上げるならば彼の声は大きな力を持って世界を動かすに違いありません。それはまた、日本が国際社会へのリーダーシップを発揮する絶好の機会ともなるでしょう。
人類はまだギリギリ破滅の淵にとどまっています。そして日本の手元にはこの状況を変えて人類を未来へと導くヴィジョンがあります。人類の救世主となる映えある役割を果たすことに、なんのためらいが必要でしょうか。
世界が戦争と核の脅威に震撼するいまこそ、日本が核兵器禁止条約へと力強い一歩を踏み出すことを期待して止みません。
その道は、戦争と核のない世界へとつながっているのです。
すべての武器を楽器に
すべての基地を花園に
戦争よりも祭りを
すべての人の心に花を
2022年3月15日
NPO法人 すべての武器を楽器に
秋葉忠利
喜納昌吉
木村 朗
糸数慶子
金城吟呼
石岡 裕
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そして5月21日のシンポジウムの御案内もしてきました。
[2022/3/16 イライザ]
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