東日本大震災から11年 ――ウクライナや東京も視野に入れつつ考える――
東日本大震災から11年
――ウクライナや東京も視野に入れつつ考える――
東日本大震災から11年経った今日、亡くなられた多くの方々の御冥福をお祈り致します。また被災された方々には心からお見舞い申し上げます。
地震と津波の被害、原発事故による被害、それらが原因になった二次や三次の被害の総体を理解した上で、復興の現状を知り、支援・応援のために何ができるのかを考えたいのですが、私の理解力、記憶力、想像力ではとても追い付きそうもありません。
でも、二、三の問題提起ならできそうです。
ウクライナでは、チェルノブイリ原発やザポリージャ原発がロシアの手に落ち、最悪の事態になれば、大量の放射線が大気中に漏れ、福島の時と同じ被害を被ることになり兼ねません。大変心配ですし、軍隊が原発を掌握していること自体に大きな怒りを感じます。我が国の原発についても、安全性の問題を最優先すべきですが、脱原発を一刻も早く実現すべきでしょう。
地震や津波からの復興にもまだまだ問題があるようですし、故郷を離れて生活している方々にとっては、この11年の長さは大変なものだったと思います。そして、それだけの時が経っても、元の生活を取り戻せた人がどのくらいいるのか、そして心のケアも心配です。
コロナ禍で、東北を訪れる人たちの数も減り、それは東人本大震災についての記憶が薄れて行くことにもつながるでしょう。戦争の被害と同じように、自然災害による被害も私たちが忘れないことこそ、未来の被害を減らす上で何よりも大切です。被災遺構を保存して被害の全体像が正確に伝え続けられるようにする必要もあるのです。
プーチン大統領が核を使うぞと脅せるのは、被爆の実相を知らないからです。それは、広島・長崎に来たことのない他の核保有国の首脳についても同じです。それと同様に、自然災害についても実際に被災地を訪ねて初めて理解できることは多いはずです。
もう一つ、私の世代の責任として、3月11日だけでなく、3月10日も記憶し続けなくてはならない日なのです。1945年の3月10日は、東京大空襲で10万人の市民が亡くなった日だからです。残念なことに、今の東京には、3月10日の被害を思い起こさせるような遺構は残っていないのですが、唯一民営の「東京大空襲・戦災資料センター」があるのみです。本来なら東京都の責任で一次資料を未来に伝えるための資料館または博物館を建設・運営して行かなくてはならないのですが、関係者の熱意と善意の集まりがこのセンターを支えています。
大空襲後の東京
Public domain
東日本大震災について、そんな心配はないと思いますが、それでも東京都の二の轍を踏まないように、私たちが記憶し続けなくてはなりません。
[2022/3/11 イライザ]
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