「昔馴染みの病院長から旧友たちへ」 ――転倒しない、滑らない――
「昔馴染みの病院長から旧友たちへ」
――転倒しない、滑らない――
最近、私の友人や知人で、転倒して大腿骨を骨折して入院したという方々が増えています。中には長期の入院になって、御本人はもちろんのこと配偶者や御家族にとって辛い日々を送っている方もいらっしゃいます。
タイミング良く、昔からの友人が、高齢者の健康維持と快適な生活を続ける上で、とても役立つ具体的なリストを送ってくれました。オーストラリアの友人から送られてきたとのことで、元々のタイトルは「A letter from an old hospital director to an old friend」です。
この手紙の一番下には、「Share above」という言葉がありますので、自由に転送したり訳して拡散しても良いという意味だと解釈して、以下、私訳をお届けします。
お読み頂ければ、皆さんも「これだけ役立つアドバイスの著者に、感謝の気持ちを伝えたい」という気持になられるはずです。著者を御存じの方、ぜひ御連絡下さい。
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昔馴染みの病院長から旧友たちへの手紙
懐かしい友よ、こんにちは。
私はもはや、骨密度がどのくらいなのかを検査しろとは言わなくなりました。それは高齢者が骨粗しょう症になるのは確実だからです。さらに加齢とともに、骨粗しょう症の程度は悪くなります。その結果、骨折する危険性も高くなります。
それを示す公式がこれです。
骨折の危険性 = 損傷を与える外からの力 / 骨密度
(つまり、外からの力を骨密度で割った値)
高齢者は、この分母、つまり骨密度がどんどん小さくなって行くのですから、骨折の危険性はその分、確実に高くなるのです。となると、高齢者が骨折のリスクを減らそうとするために一番大切なのは、分子を小さくする努力をすること、つまり事故による怪我をできるだけ避けることです。事故による被害を減らすために、私がお勧めする「秘密」は、7つの単語にまとめられます。「Be careful, be careful, be careful again!」です。「注意深く、注意深く、そしてもう一度、注意深く!」です。
より具体的には次のようなことを守って下さい。
物を取るために椅子や踏み台に上らないこと、低いものでもダメです。
- 雨の日には外出しないこと。
- 入浴時やトイレを使うときに、滑らないように特に気を付ける。
- 寝る前に家の中の床を掃除する。
- 真夜中に起きるときは、まず電灯を点けて、それから起き上がる。
- 外出するときにはバスを使わずに、地下鉄に乗る。
- 高齢者はズボンをはく時には座ってはきましょう。
- もし倒れるようなことがあれば、腕を伸ばして地面で支えること。前腕と手首の骨折は、大腿骨頸部骨折よりマシだから。
骨の密度を高めるためには、薬用サプリメントより、栄養補助食品をお勧めします。例えば、乳製品、大豆製品や海藻、特にカルシウム量の多い小さいエビの殻。
もう一つは、適度の屋外活動をすること。太陽光のUV光線が、肌のコレステロールをビタミンDに変えるからです。
また、カルシウムを食べ物から摂取すること、骨芽細胞の活性化も骨粗しょう症を遅らせる効果があります。
また、高齢の大人が心すべきいくつかのことも、お忘れなく。
退職後、昔の職場にはできるだけ近付かないように。あなたのことを本当に好きだった人はそれほどいないからです。
- 若い人たちとは関わらないように。あなたは彼らと同じレベルにはいないのだから。
- 自分のことが自分でできるなら子どもと一緒には住まないこと。
- 自分でできることは自分ですること。質的には落ちても他人に頼らないこと。それは自分の子どもも含めての話。
- 自分の好きなことをする、好きなものを食べる。
- 「健康食品」を信用しないこと。嘘ばっかりだし、多く食べ過ぎると、反対の結果になることも。
- 病気になったら、まだ間に合う内に医師に相談すること。医師の診察を受けることを怖がらないこと。高齢者の体は衰えて行くものだから。
- 「スマホ」のような新しいものは、注意深く研究を重ねること。でも、使えないものだとは思わないこと。
- お金は気軽に使おう。それがいくらするにしても、病気になってしまえば使う機会は少ないのだし。
- 配偶者には親切にしておこう。あなたが誰かの助けを必要になったとき、彼女(彼) より力強く信頼できる人はいないのだから。
- よその家族と自分の家族を比較しないこと。他人の子どもが如何に親孝行かと言い続けないこと。あなたが、自分だけで生まれ育ったとして、また親孝行もしてこなかったとすれば、責任はあなただけにあるのだから。
そして高齢者の健康維持のために。
全体の要約 100歳以上の高齢者300人以上を対象にした研究をした結果、驚くべきデータが得られました。転倒した100歳以上の高齢者は、その後の3か月以内に死亡していたのです。
- 転倒の結果、骨折には至らなかったとしても、転倒によって生じた振動と衝撃力によって、高齢者の全身機能は崩壊する状態になります。つまり、身体の経絡ともにブロックされて、有機的な一体化ができず、自動的均衡を保つ調整ができなくなるため、内臓の機能が弱体化して短期間の死を招くからです。
- 風呂場で滑らないように特に注意が必要。階段の上り下りにもて手摺を使い、転倒しないように。とにかく注意深く。
高齢者は滑り止めと転倒防止に特に注意しましょう。一度転倒すると、それは10年寿命を縮めることになります。それは、骨と筋肉が破壊されるからなのです。手術は役に立ちません。そして手術なしの治療は長期化します。だから、注意深く、注意深く、というのが高齢の皆さんへのアドバイスなのです。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
高齢者の皆さんへのアドバイスとして、拡散して頂ければと思います。
ところで、このアドバイスの著者ですが、一つには経絡という鍼灸の用語が使われていること、また「バスではなく地下鉄を」という部分の「地下鉄」には「MRT」が使われていることから、恐らく台湾または、シンガホール、マレーシア等の中国系のお医者さんなのではないかと考えられます。地下鉄をMRTと呼ぶのは、台湾、シンガポール、マレーシアくらいなのですが、鍼灸と合わせての結論です。
[2022/2/25 イライザ]
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コメント
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さらに加えますれば⇒「ロコモ片足立ち」(昨年NHKで放映されたとか)
ものぐさ老婆は→朝日の「元気のひけつ(2009.2.1)」に飛びつきまして、
いえ、それが、即実行ではなく7年後あたりから(;´д`)
...左右1分ずつ1日3回計6分=53分歩くのと同じ運動負荷が...
この手抜き感??が、たまりません😉
今は→おっとっと、の時の、踏ん張れる力をわれに!で、
運動負荷よりも転倒予防のほうに重きを感じています。
投稿: 硬い心 | 2022年2月25日 (金) 19時47分
日本特有の問題として、睡眠導入剤も大きなリスクとなります。高齢者への睡眠導入剤の処方は、海外では殆ど認められませんが、日本では「寝付きが悪い」と言うだけで気軽に処方され、その結果の転倒事故が多いとされています。若ければ2−3時間で分解できる睡眠導入剤も、高齢になると朝まで残り、筋弛緩作用も相まって、転倒リスクが増大します。私の知人も2−3年前に睡眠導入剤を「非ベンゾジアゼピン系なので安全」と言われたマイスリーを服用後、夜中のトイレで転倒し、救急車で運ばれました。敢えて言えば、安全なのはロゼレム(メラトニン)くらいです。
投稿: 工場長 | 2022年2月26日 (土) 08時50分
「硬い心」様
コメント、有難う御座いました。そして、こちらもお礼が遅くなり申し訳ありません。3月と4月は、とにかく忙しくなってしまったものですから。
ラジオ体操や筋肉運動など、NHKも頑張っているようです。
投稿: イライザ | 2022年4月27日 (水) 16時52分
「工場長」様
コメント、有難う御座いました。そしてお礼が遅くなり申し訳ありません。3月と4月は、とにかく忙しくなってしまったものですから。
昔、アメリカに住んでいることろ、「眠れないので何か薬を」と医師に相談したとき、「薬より、「ナイトキャップ」が効くよ」と言われました。もっともそれも慎重にしないといけないですね。
投稿: イライザ | 2022年4月27日 (水) 17時01分