息子たちと観た「日本美術の名品」
アルティメット練習で汗を流している息子Sを江戸川河川敷に残して、息子Jと目指したのは、上野です。まずは、推理ドラマに良く出てくる上野駅の正面の写真を撮りました。何度も見ている場所なのですが、自分で写真を撮っておきたいとずっと思いこんでいたからです。
ついでに内部の写真も撮りました。
階段を下りて、外に出てから、混んでいる店を避けてランチを食べ、その後、もう一人の息子Yと上野駅前で落ち合いました。三人で相談して、国立博物館の特別展、「日本美術の名品」を見ることになりました。会場が四つに分かれているのですが、展示作品はそれほど多くはなく、ゆっくり回れそうな展示でした。国立博物館の中で、インスタ映えのするようなキャラがあったので、二人を説得して写真を撮りました。
太さの違いが原因かもしれないのですが、「モザイクをかけても似ている」ことの証明にはなりませんでした。
特別展示そのものは、ほどほどに賑やかで、でもゆっくり鑑賞していても他の人の邪魔にはならない良い雰囲気でした。
入ってすぐ目に付くのが狩野永徳の「唐獅子図屏風」です。教科書等にも良く載っている有名な屏風ですが、それを右側に、そして後に曽孫の狩野常信が描いた唐獅子が「左隻」として置かれていました。
その他の作品も、選りすぐりのものばかりでしたので、三人とも「来て良かった」と感じた展示会でした。
会場を出てから、閉館まで座ってお茶を飲んだのですが、三人の感想をざっと記録しておきましょう。
息子Jが気に入ったのは、「芦穂蒔絵鞍鐙」でした。馬の鞍(くら)と鐙(あぶみ)ですが、物造りの仕事をしていることと関係があるのかもしれません。もう一つ気に入ったのが、芦沢芦雪の「花鳥遊漁図」でした。長い巻物なのですが、縦は36.7センチ、そして横は11メートルを超えています。「最後の最後でミスをしたら、11メートル全部を書き直さなくてはならない」ことも心配していました。
息子Yにとっては、教科書などで見ている絵と、実物との大きさの違いが強く印象に残ったようです。永徳の「唐獅子図屏風」は、思っていたより大きいことに驚いたようです。それと、「七宝富嶽図額」が、「七宝」だと言われなければ、一見、普通の絵と同じ材質で描かれていたように見えたことにも、感動していました。
私は、例えば「唐獅子図屏風」その他の絵を近くで見たときに、細かい筆の跡が写真とは違ってかなり「荒っぽい」ことに驚きました。写真では、スムーズな曲線に見えるのに、実際の絵では、角のあるギザギザのように見えるのが意外でした。
こうして、一流の美術品にゆっくり触れる時間を親子で共有できたことだけでも、今回上京した甲斐があったと言って良いような気持ちです。
[2019/6/2 イライザ]
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