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2019年5月26日 (日)

「被る」のは帽子でしょう

「違和感のある日本語」等のタイトルで、聞いて変な感じのする表現を不定期に取り上げてきました。たとえば、昨年の一月には、「気になる日本語――不必要な一文字、二文字――」と題して、例えば次のような言葉を取り上げました。

一つは、暮に頂くことの多い喪中はがきの言葉です。

しばしば「生前中はお世話になりました」といった表現が使われているのですが、それは「生前」のことではないでしょうか。事実、辞書の定義は「その人が生きていたとき。死ぬ前。在世中。しょうぜん。」です。それに「中」を付けると「在世中中」になってしまいます。「中」が不必要な一文字です。

もう一つは「若輩者」。これも「者」はいりません。

「若輩」の意味は、「1 年が若い者。2 未熟で経験の浅いこと。また、そのさま。自分を卑下していう語。他人に用いれば軽蔑の意になる。」なのです。

ネット上のビジネス用の言葉の使い方では、「2」の意味を強調しているのですが、若者が使っているのは主に「1」の意味です。となると、「年が若い者」者、と重なってしまいます。

ここで、最初の例では「中」が二度現れ、次の場合には、「者」が重なってしまうことを指摘しました。でもこのような場合に、例えば、「中」がかぶってしまうとか、「者」がかぶるから不必要という表現も良く使われるようです。

しかし、このように、「重なる」という意味で「かぶる」を使うことは、最近始まったばかりで、出来れば広まって欲しくない使い方です。「かぶる」をググって、イメージでどう表現されているのかを見ると、

Photo_105

そして、辞書の説明では(三省堂の大辞林)、「俗語」として紹介されてはいます。

  1. 頭の上にのせる。上にかけて覆う。 「帽子を-・る」 「布団を頭から-・って寝る」
  2. (水・粉などを)上から浴びる。 《被》 「水を-・る」 「波を-・る」
  3. 身に受ける。 《被》

㋐本来,他人が負うべき借金・罪などを身に負う。 「罪を-・る」 「泥を-・る」

㋑恩恵など好ましいものを受ける。こうむる。 「盛徳を-・らんとて/宇津保 祭の使」

4.写真で,フィルムや印画に,画像とは関係なく薄黒いところができる。

      5.〔俗語〕 あることが重複する。 「話が-・る」 「キャラクターが-・る」

      6.〔終演になると観客が総立ちになり,ほこりが立つので手拭いをかぶったことから〕 一日の芝居などが終わる。終演になる。はねる。

      7.(寄席芸人仲間などの用語)寄席などが,大入り満員になる。

      8.〔「毛氈(もうせん)を被る」の意〕 失敗する。しくじる。 「 - ・つたら来やれと通な烏帽子親/柳多留 87」 〔「かぶせる」に対する自動詞〕

上智大学の伊藤潔教授のコラムでも、元々の意味に「重なる」はなかったことが指摘されています。

009

普通の意味である「帽子をかぶる」に戻って、重なることは「重なる」という区別をつけるのはもう難しくなっているのでしょうか。

[2019/5/25 イライザ]

 

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コメント

民放のアナウンサーの言葉の乱れは、酷いなと思います。
NHKのアナウンサーには、言葉の辞典のようなものがあるそうですが、いつか読んでみたいと思います。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

「東京の午後」で書いたのですが、その時見舞いに行ったH君ともアナウンサーの話になりました。私たちの見方は、NHKのアナウンサーもかなり問題ありなのですが----。

https://kokoro2016.cocolog-nifty.com/blog/2019/04/post-5e2b5c.html

 

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民放のアナウンサーの言葉の乱れは、酷いなと思います。
NHKのアナウンサーには、言葉の辞典のようなものがあるそうですが、いつか読んでみたいと思います。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

「東京の午後」で書いたのですが、その時見舞いに行ったH君ともアナウンサーの話になりました。私たちの見方は、NHKのアナウンサーもかなり問題ありなのですが----。

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