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2018年7月14日 (土)

自衛隊を災害救助隊に ――豪雨災害からの教訓 (5)――


自衛隊を災害救助隊に

――豪雨災害からの教訓 (5)――

 

多くの皆さんが懸命に英雄的な努力をして災害を乗り越え、明日を切り開こうとしているのかについて、毎日どんどん新しい情報を頂いています。心から感謝しています。また消防や警察、自衛隊の皆さんの献身的な活動振りにも感動しています。こうした努力が重要であるることは言を俟たないのですが、同時にもう少し大きな枠組みから災害を考える必要もあるのではないかと思っています。


昨日の「大雨災害からの教訓(4)」への「後期高齢者」さんからのコメントでも鋭い指摘がありましたが、これほど多くの災害を経験していながら、未だにほとんど「学習」のできていない政治家や官僚、そしてそれを許している私たち主権者・市民がもう一度原点に戻って災害について考え直す時が来ているのではないでしょうか。

 

一つには私たちが、考え方の枠組みを大幅に変える (パラダイムの転換とも言います) 必要があり、新たな枠組みの中で自然に見えてくる問題点そして未来図を元に、大胆な発想で改革案を考え実行して行かなくてはならない、ということです。

 

新たなパラダイムの柱になるのは、災害が「たまに」「降り掛かって来る」「稀な出来事」ではなく、日本社会では日常的に起る出来事だと捉えて対策を講じることです。確かに、大変な被害があるのですから、「非常事態」とか「異常事態」だと捉えるのは自然なことではあるのですが、「非常」とか「異常」という言葉が示しているのは、被害の範囲や規模が日常的ではないという意味だけではありません。それと同時に、こうした災害の起ることは例外的であり、日常的な対策とは別の、「例外的」なかつ、その事態が起きてから対応すれば良い事例なのだ、というメッセージも発しています。

 

そんな発想を転換するための第一の確認事項・提案です。

 

 大災害は、例外的な出来事ではなく、日常的、定常的な出来事として捉えること。

 

ちなみに、今年2018年に起きた災害で記憶しているものを並べてみると、(i) 123日の草津白根山の噴火、(ii) 死者の出た2月の北陸豪雪をはじめとする各地での豪雪、(iii) 3月と5月の霧島山新燃岳と桜島の噴火 (iv) 618日、死者4名、損壊家屋は3万戸近くになった大阪北部地震、(v) そして死者は200名を超えるであろう、7月の西日本豪雨と、半年ちょっとで大きな災害が目白押しです。

 

Photo

 

それぞれ地域も違いますので、ある地域を取れば、数十年に一度の災害ということになるのかもしれません。同時に、実際の頻度はもっと高いという事実にも目を向けて下さい。広島地域を考えただけでも、例外的な豪雨災害は1999年、2014年そして今年と、平均すると、6年に一度くらいの間隔で襲来していますし、地震や台風の被害も勿論ありました。しかし、議論を簡単にするため、仮に、数十年に一度だという前提を付けてみましょう。

 

となると、それと比較可能なのは、国体です。各都道府県を巡って開催する国体の一地方の開催頻度は47年間に一度です。でも、国体を「例外的」「異常」な出来事と捉えていたのでは、国体の開催などできなくなってしまいます。スケジュール通りに必ずどこかの地方で開かれる。という前提で国が方針を立て、予算を取り、必要な協力は地方にも民間にも求めて、初めて可能になっているのです。災害対策との共通点に気付いて頂けたでしょうか。

 

それに比べて、今年の災害だけを見ても、国体の5倍の頻度で起きています。一年を通すと、恐らく月に一度はどこかで甚大な被害が生じていることになるのではないでしょうか。その対策を国家単位で、しかも災害専門のお役所が専門家を揃え、さらに災害復旧・復興のための実働部隊が全国展開できるような組織があって初めて、災害に対する対策の出発点に立つことができるのではないでしょうか。

 

ですから、私の提言の一番大切な、そして多くの皆さんの賛同が必要なことは、

 

 自衛隊を災害救助隊 (名称はもっと魅力的かつ本質を表すものにしたいと思います) に改組する。

 

これからが大切な議論になりますので、皆さんに是非参加して頂きたいのですが、まずは中心的な命題だけお知らせしました。明日以降、何故このアイデアが実現すれば、日本を救い核兵器の廃絶や世界の平和につながるのかを説明したいと思います。

 

[2018/7/13 イライザ]

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コメント

イージス艦を病院船に、オスプレイを救難ヘリにするだけでも、どれほどの日本人の命を救い、どれほどの国際貢献ができるものなのか、計算して欲しいものである。

坂では100年以上前にも大規模な土砂災害で今回とは比較にならない犠牲者を出していて、その災害を伝える石碑(水害碑)も残されている。それを今朝のテレビ番組では「温暖化のせいで」と解説している。

「後期高齢者」様

コメント有り難う御座いました。

こうした、自然な問いに対してきちんと対応するのが、民主的な政治の大前提だと思います。口ばかりで何もしない安倍政治の対極にあるのが残念です。

「ルギア」様

コメント有り難う御座いました。

100年前の教訓がどの程度生かされて来たのかの検証も必要ですね。そして、何事も「温暖化」と言って済ませるのは、余りにも単純化し過ぎです。同時に、科学的に検証して温暖化がどの程度影響していたのかも、しっかり把握しておくことも大切だと思います。

災害救助のあり方には、色々な議論が必要ですね。特に大災害は、地方自治体でなく、国が主体として前面に出るべきで、国は支援する立場なのはどうなのだろうかと思います。
自衛隊の災害普及活動は、昔に比べたらずいぶんと柔軟になっているように思います。
昔は、自衛隊に知事が援助を求めるには、知事は大きな判断が必要でしたから。災害用の装備も増えてように思います。
しかしながら、昔は陸上自衛隊に入ったら、ほぼ全員がほとんどの陸上で動く自動車等の免許の取得ができたようですが、今は部隊に応じて限定されているようです。以前のようにより多くの隊員が免許が取得できたら良いと思います。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

自衛隊の災害救助活動も、昔と比べると改善されている点が多々あると思います。しかし、全国的に見ると、ほぼ「日常」という頻度で大きな災害が起きている昨今、自衛隊ではなく、災害救助が本務になることで、さらに大きな役割を果せる存在だと思います。

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「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

自衛隊の災害救助活動も、昔と比べると改善されている点が多々あると思います。しかし、全国的に見ると、ほぼ「日常」という頻度で大きな災害が起きている昨今、自衛隊ではなく、災害救助が本務になることで、さらに大きな役割を果せる存在だと思います。

災害救助のあり方には、色々な議論が必要ですね。特に大災害は、地方自治体でなく、国が主体として前面に出るべきで、国は支援する立場なのはどうなのだろうかと思います。
自衛隊の災害普及活動は、昔に比べたらずいぶんと柔軟になっているように思います。
昔は、自衛隊に知事が援助を求めるには、知事は大きな判断が必要でしたから。災害用の装備も増えてように思います。
しかしながら、昔は陸上自衛隊に入ったら、ほぼ全員がほとんどの陸上で動く自動車等の免許の取得ができたようですが、今は部隊に応じて限定されているようです。以前のようにより多くの隊員が免許が取得できたら良いと思います。

「ルギア」様

コメント有り難う御座いました。

100年前の教訓がどの程度生かされて来たのかの検証も必要ですね。そして、何事も「温暖化」と言って済ませるのは、余りにも単純化し過ぎです。同時に、科学的に検証して温暖化がどの程度影響していたのかも、しっかり把握しておくことも大切だと思います。

「後期高齢者」様

コメント有り難う御座いました。

こうした、自然な問いに対してきちんと対応するのが、民主的な政治の大前提だと思います。口ばかりで何もしない安倍政治の対極にあるのが残念です。

坂では100年以上前にも大規模な土砂災害で今回とは比較にならない犠牲者を出していて、その災害を伝える石碑(水害碑)も残されている。それを今朝のテレビ番組では「温暖化のせいで」と解説している。

イージス艦を病院船に、オスプレイを救難ヘリにするだけでも、どれほどの日本人の命を救い、どれほどの国際貢献ができるものなのか、計算して欲しいものである。

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