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2018年7月11日 (水)

大雨災害からの教訓 (2)


大雨災害からの教訓 (2)

 

災害時に情報が不可欠なことは言うまでもありませんが、今回の私の経験から感じたのは、「非常事態」という概念を変える必要がありのではないかということです。「非常事態」ですから、日常的ではなく、例外的に起きること、その事態への対応も、例外的な体制で行えば良い、というような前提で捉えられている「思考の枠組み」そのものを変えるということです。

 

大局的に考えると、地震や火山、台風から大雨、豪雪に極限的寒さ等、自然の脅威は、「非常事態」が日常化してしまっている時代に私たちが生きていることを示しているのではないかと思います。その事実を自覚した上で、それに対してどんな行動を取るのかという判断基準について、個人から、様々な組織、そして国というレベルまで、自然災害が「日常」の一部だという前提で組み立て直す必要があるのではないかと思います。

 

土石流で御自宅が押し潰されたり、河川が決壊して二階まで水が押し寄せ屋根に避難した方々、御家族を亡くされた方々など、テレビでの報道に接するたびに胸が痛みます。実は、7日の土曜日、かなりの時間をテレビの前でこうした報道を見続けていました。その内に、何とも遣り切れない気持になり、何もしないよりとにかく動いてみよう、と決意して外に出ました。

 

それは、6日の夜に広島空港に到着しても、広島市内までの交通手段がなく東広島のホテルに一泊後、新幹線の復旧を待っていた家人を「救出」すると言うと大袈裟ですが、東広島まで迎えに行こうという決意です。

 

カーナビとグーグル・マップの情報では、国道2号線は使えなくても、県道276号経由で東広島まで通行可能だとのことだったので、渋滞状況を見て途中で引き返すことを覚悟で出発しました。

 

テレビに釘付けになって、またPCとスマホから得たいと思っていた情報は、新幹線がいつ復旧するのか、また山陽道あるいは2号線、はたまたその代替路線が通行可能かということだったのですが、テレビを見ている限り、この情報を得るには物凄い辛抱が必要でした。

 

広島県には大雨特別警報が出されていること、避難指示や様々な警報、雨量等は、頻繁に何度も伝えられるのですが、新幹線情報は、テロップで10分おきに一度くらい、しかも数秒しか映りません。注意していないと見落としてしまうので、集中力が必要です。別のテレビ局にチャンネルを変えても、同じことでした。それに輪を掛けて、報道される画面は同じ被害の様子が何度も映され必要な情報が出てきません。

 

JRのホームページでは、新幹線の復旧については15時までは見込みが立たない、それ以降もどうなるか分らない、と数行書かれているだけで、これではほとんど役に立ちません。結局は、午後7時頃にこだまが運行を始めたのですが、②それなりの予測を知らせておいてくれることはできなかったのかと思いました。

 

生活道路の状況もテレビの報道では全く分らず、ツイッターやfacebookには情報が上っていたのかもしれませんが、私のアクセスできた情報源は限られたものでした。もっともそれは時間の問題なのかもしれません。10日の火曜日には、生活に必要な情報、特に給水所の情報は確実に報じられていましたので。とは言え、まだ改善して欲しいところはありますので、一つ二つ、提案です。

 

③ テレビ局同士で分業体制を取り、A局は警報を中心に、B局は道路状況、C局は鉄道と飛行機等、重点的に取り扱うことにはできないものでしょうか。分業によるデメリットもあると思いますが、社会が多様化していますので、それに対応した情報を送る側としても、多様化した体制の方が状況にマッチした情報を送れるように思えるのですが。

 

Yahooマップではこのサービスをしているとの報道がありました。また黒瀬のセブンではこのような手書きの地図を配布してくれていたようです。Yahooやセブンに任せておけば良いことなのかもしれません。

 

Photo

黒瀬のセブンが配布していた地図

 

そのサービスとは、個々別々の道路情報を実際に通れたかどうかの経験を元に、たくさんの人から送って貰い、それを元にした詳細な道路状況マップを公開するものです。しかし、道路の管理をしているのは国、都道府県、市や町です。道路状況を把握しその情報を提供することも守備範囲に入るのではないかと思います。10日には、ようやくテレビを通しての情報が伝わり始めましたが、自前の情報収集だけではなく、現地からのリアルタイム情報を活用することで、もっと早く対応することが可能だったのではなかと思います。

 

私はと言うと、カーナビとグーグル・マップ情報を元に、東広島バイパスの渋滞に巻き込まれましたが、東広島方面がどうなっているのか、ノロノロ運転でも事故は起こせませんので、車の中からアクセスできる情報は限られていました。結局3時間我慢して、10キロも進めませんでしたので、引き返すことになりました。

 

問題提起はまだ続きます。

 

[2018/7/10 イライザ]

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コメント

支援物資やボランティアを拒否している自治体もありますが、よほど正確に細かい情報を得ていない限り避難する人以外は下手に被災地には近づかない方がいいです。ネットには通れた道路情報などもありますが、そうした道路には車が殺到し消防や警察など緊急車両の通行の妨げにもなります。

以前から、報道各社でそれぞれにヘリコプターを飛ばして、その音が救助作業の邪魔になると言うことでしたが、今回も各社がヘリコプターを飛ばして、とてもうるさかったです。こんな調整すらできないオールドメディアには期待できません。

渋滞のイライラ、ストレスは1人で運転しているからですよね
連休に家族で何十キロの渋滞に巻き込まれてもさほど苦痛
ではないですから。

「通りすがり」様

コメント有り難う御座いました。

大切な点をリマインドして下さり、有難う御座います。

「視聴者」様

コメント有り難う御座いました。

こんな時にこそ、ドローンが活躍しても良かったのにと思います。ドローンの方が音は静かですし。

「⑦パパ」様

コメント有り難う御座いました。

物流トラックは無理かもしれませんが、災害時にどうしても運転しなくてはならない場合の、新対策として検討すべきかもしれませんね。

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支援物資やボランティアを拒否している自治体もありますが、よほど正確に細かい情報を得ていない限り避難する人以外は下手に被災地には近づかない方がいいです。ネットには通れた道路情報などもありますが、そうした道路には車が殺到し消防や警察など緊急車両の通行の妨げにもなります。

以前から、報道各社でそれぞれにヘリコプターを飛ばして、その音が救助作業の邪魔になると言うことでしたが、今回も各社がヘリコプターを飛ばして、とてもうるさかったです。こんな調整すらできないオールドメディアには期待できません。

渋滞のイライラ、ストレスは1人で運転しているからですよね
連休に家族で何十キロの渋滞に巻き込まれてもさほど苦痛
ではないですから。

「通りすがり」様

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大切な点をリマインドして下さり、有難う御座います。

「視聴者」様

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こんな時にこそ、ドローンが活躍しても良かったのにと思います。ドローンの方が音は静かですし。

「⑦パパ」様

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物流トラックは無理かもしれませんが、災害時にどうしても運転しなくてはならない場合の、新対策として検討すべきかもしれませんね。

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