東西四大学合唱演奏会
――第67回目の演奏会ですが、若者の心意気を感じました――
京都市北山の京都コンサートホールで開かれた東西四大学合唱演奏会に行ってきました。四大学とは、早稲田大学、関西学院大学、慶應義塾大学、同志社大学の4で、各校の男声合唱団が集うイベントです。今回で67回ですから、戦争の記憶が生々しい1950年代に始まったと考えて良さそうです。
その歴史があってのことだと思いますが、各校とも意欲的な楽曲を取り上げ、それぞれのグループの個性にあった演奏をしてくれた、と総括したいと思います。
詳細にわたってのコメントをするだけの力が私にはありませんし、早稲田大学グリークラブ、関西学院グリークラブ、慶應義塾ワグネルソサエティー、同志社グリークラブ、それぞれ一流の大学男声合唱団の特徴を簡単に記すことだけでも、かなりのスペースが必要です。
演奏会の大まかな構成と、それぞれ一行くらいのコメントを付けさせて頂いて、関心を持っていただけた皆さんには、次回是非、この演奏会に足を運んで下さいとお願いすることにしたいと思います。
大学の合唱団ですから、第一部では、全員が舞台に上って、順番に4校の校歌を歌います。国歌というと、どの国の歌でも戦争と切っても切り離せない存在になってしまうので、躊躇してしまうのですが、大学のレベルでは、純粋に仲間意識と未来を創ろうとする若者のエネルギーを感じることができるので、校歌や応援歌は文句なく大好きです。
第二部では、各校が、この一年間の活動のシンボルとも言って良いような楽曲を選んでの演奏をします。各校の特色が一番確かに感じられる一時です。プログラムの内容は、慶應義塾大学ワグネルソサエティーのホームページからお借りしました。
- 男声合唱組曲『岬の墓』
演奏 早稲田大学グリークラブ
作曲 團伊玖磨
作詩 堀田善衛
編曲 福永陽一郎
指揮 小久保大輔
ピアノ 清水新
- 男声合唱組曲『アイヌのウポポ』
演奏 関西学院グリークラブ
作曲 清水脩
作詩 近藤鏡二郎(採譜)
指揮 広瀬康夫
- Trinklieder und Lieder der Freundschaft ~「酒と友情」~
1.Wein und Liebe(酒と愛) 作曲:F.Schubert
2.Liebe und Wein(愛と酒) 作曲:F.Mendelssohn
3.Des Hauptmanns
Wunsch(親方の願い) 作曲:A.Lortzing
4.Lied der
Freundschaft(友情の歌) 作曲:R.Strauss
演奏 慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団
指揮 佐藤正浩
- 男声とピアノのための『帆を上げよ、高く』
演奏 同志社グリークラブ
作曲 信長貴富
作詩 みなづきみのり
指揮 伊東恵司
ピアノ 萩原吉樹
そして、第三部は、4大学のメンバーたちによる合同ステージです。
ここで演奏されたのは、みなづきみのりの構成で、”若き芸術家とのダイアローグ”による 男声合唱とパーカッションとナレーターのための 『エスノ・ラップ・ミサ Ethno-Rap-Mass』【委嘱初演作品】
演奏 東西四大学合唱連盟
作曲 千原英喜
作詞 みなづきみのり
男声合唱という美しくも力強い音楽に身を委ねながら、私はやはり、汚濁と混乱の極みに陥っただけでなく、理性は否定され虚妄のレトリックしか生き残れない今の日本社会・政治を思いつつ、何とか若い力が、そこから私たちを広い希望の広場へそして青き空に導き出してくれる術はないものかと夢想していました。
早稲田グリークラブの『岬の墓』は、白い船が赤い花の象徴する真実を新たな世界に運ぶイメージとして私の希望を述べていてくれたように感じました。関西学院グリークラブの『アイヌのウポポ』は、アイヌの言葉を日本語には訳さずに、自然と人間の仲介をする鳥の声を劇的に表現する若者たちの声も交えて、権力者によって蹂躙されながら、それに勝つ人間の声を、自然とともに、そしてその中には美しい恋の力も交えて表現していてくれました。
慶応義塾のワグネルソサエティーの『Trinklieder und
Lieder der Freundschaft ~「酒と友情」~』は、ロマン派の作曲家たちの楽曲から酒と友情をテーマにしたものを4曲選んでの演奏でしたが、当時の背景から分るような完成度の高い構成から流れ出る若者特有の心意気が、十分に味わえる演奏でした。
そして同志社グリークラブの『帆を上げよ、高く』は、同志社の創設者である新島襄が若者たちに寄せた期待を3つの曲として構成されたバランスの取れた演奏でした。
最後の合同演奏では、こうした4大学の個性を上手く取り入れて、より大きな歴史の流れの中に浮べ、さらにそこから未来を展望する楽曲になっていました。
最後にはアンコールと各大学ごとの、仕上げの一曲を聞かせて貰うことができました。
でもそれ以上に私たち観客にとって嬉しかったのは、演奏会終了直後に、ロビーで4大学の学生たちが、仕上げの一曲を再度演奏してくれたことです。斜め後ろの階段からの画像でその雰囲気を感じて頂ければ幸いです。
この一時があったせいもあり、若者への期待がさらに大きく膨らみました。
[2018/6/25 イライザ]
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素晴らしい活動だと思います。
今の日本に何より必要なのは、民主主義を支えるための事実の認識と、合意形成のための議論のように感じています。そういう意味でもYouTubeなどのネットメディアでは安倍支持の保守系論客の活動が目立っており、いくつかの調査でも若い層に安倍支持が拡がっていることを危惧しています。「拡散」という点では長い文章より、ツイッターのような短い言葉か、動画のようなものが有利なので、それらのツールの利用で、未来を担う若い層へのアピールも重要ではないかと思います。
投稿: 工場長 | 2018年6月24日 (日) 08時32分
「工場長」様
コメント有り難う御座いました。
ツイッターやYouTubeの活用、是非、進めたいと思っています。トランプ大統領のようなエネルギーの持ち主が、我々の側にもいると助かるのですが----。
投稿: イライザ | 2018年6月25日 (月) 10時08分
技術的なことや、具体的な作業については、時間だけはありますので、いくらでもお手伝いできますが、最も重要な「拡散」のテクニックについては力不足なので、「尊敬している秋葉先生のお役に立てるのであれば」と広島市の審議会に入って頂いた中村伊知哉さんや、被爆70周年で手伝ってもらったJX通信社の細野雄紀さんが適任だと思いますし、ツイッターのフォロワー数からみても立憲民主党にも有能なスタッフがいらっしゃるのだと思います。
投稿: 工場長 | 2018年6月25日 (月) 11時24分
自民党の強い広島県において共闘のために秋葉元市長がご尽力いただいていることに大変感謝します。
提案なのですが,立憲民主党は先の総選挙でも県内で一定の票をいただいており,潜在的な支持者は多いと思います。本部や近隣の県連とも相談協力しながら,広島県連を立ち上げて,若いスタッフやサポーターを積極的に募集し,その力で「結集ひろしま」に参画するほうがより大きな力になるのではないでしょうか。今のままだと他のところでもみられたように1+1=1ということもありえます。
投稿: 淡雪 | 2018年6月27日 (水) 19時05分
「工場長」様
再度のコメント有り難う御座いました。
「拡散」のノウハウについても、助っ人の力を貸して貰えそうで心強く感じています。それ以上に力を入れたいのは、発信元の組織を広島に作ることなのですが、現実的には難しい点があります。
でも何とか一歩ずつ進めて行ければと思っています。
投稿: イライザ | 2018年6月27日 (水) 22時56分
「淡雪」様
コメント有り難う御座いました。
おっしゃる通り、立憲民主の広島県連ができるよう、頑張らなくてはならないのですが、具体的にみると、例えば来年の参議院選挙が視野に入ってきます。その関連で考えると、調整の必要な様々な事柄が頭に浮かぶのですが、どれも今日明日には上手い解決策があるものばかりではありません。
とは言え、小さなステップでも一歩ずつ前に進むように慎重かつ粘り強く努力を続けて行きたいと思っています。
投稿: イライザ | 2018年6月27日 (水) 23時02分
お返事ありがとうございました。
県連については,参議院選挙より,統一地方選(とくに県議選広島市区と広島市議選)をスコープすべきと思います。広島県は広いですから全県に組織をと考えてもすぐには無理です。広島市内のサポーターを中心に若い人を集めてほしいです。地方選挙は4年に1回しかないので,この時を逃せば広島県の立憲はなくなってしまいます。またそれは結局広島県での野党勢力の結集を不成功に導いてしまうと思います。
拙速も蛮勇も時には必要です。よろしくお願いします。
投稿: 淡雪 | 2018年6月28日 (木) 09時11分
ご努力に心から感謝いたします。政党・政治家サイドは「結集ひろしま」で、また市民は「市民連合」でお互いがんばっていけたらと思います。
投稿: hiroseto | 2018年6月29日 (金) 19時13分
「淡雪」様
コメント有り難う御座いました。
自治体選挙には、特別のニュアンスが加わり、毎日のように全国テレビが取り上げた東京の選挙は例外で、一人一人の候補の選挙民との密着度が問われます。それは、政党があってもなくても選挙を動かすほどの重さがあります。
そんな点も視野に入れながら、新しい政治の方向性を打ち出せる若い世代のリーダーの出現を、全国レベルでも地方でも待ち望んでいるのですが、まずは野党全体がまとまって行こうとする姿勢を明確にして地均しをするするというのが、今回の動きの中心的なテーマです。
投稿: イライザ | 2018年7月 1日 (日) 20時46分
「hiroseto」様
コメント有り難う御座いました。
市民同士の連携はかなり進んでいると思いますが、それが横糸だとすると、経糸に相当する政党や組織の間での連携があって初めて「面」になりますので、どちらも大切なのだと思います。
連携できるところは連携して、安倍政治を葬り去る方向を創り出したいですね。
投稿: イライザ | 2018年7月 1日 (日) 20時49分