安倍改憲を許さない街頭署名
安倍改憲を許さない街頭署名
-なぜ起きる防衛省の情報隠し 安倍首相よ怒れ―
「戦争させない・9条壊すな!ヒロシマ総がかり行動実行委員会」の呼びかけで昨年12月から始まった「安倍改憲を許さない3の日街頭署名」行動が、今月も3日の夕方5時30分から1時間、市内2か所で取り組まれました。
「戦争をさせない千人委員会」は、本通り西口(叶屋前)に52名が集まり、署名を呼びかけ85筆を集めることができました。「憲法と平和を守る広島共同センター」は、八丁堀交差点に32名が集まり、103筆の署名が集まりました。叶屋前では、準備中のところによってきて「署名を今でもできますか」と協力してくれる姿もありました。
ところで、安倍首相は、先の3月25日の自民党第85回党大会の演説で、憲法9条に自衛隊を明記する改憲に意欲を表明し「自衛隊を明記し、意見論争に終止符を打とう」と呼びかけたようですが、街頭演説でも触れましたが、「その前にやることがある」ということを指摘したいと思います。
2日の午後、小野寺防衛大臣が、「存在しない」としていた「イラクに派遣されていた自衛隊の日報が見つかった」と発表しました。「森友学園問題」を巡る財務書の決裁文書改竄問題に続く、公文書のずさんな管理が、またもや明らかになりました。いずれも「政府ぐるみの隠ぺい」だと野党から厳しく追及されていますが、野党だけが怒る問題ではないはずです。
防衛省の今回の「情報隠し」は、先の南スーダンPKO部隊の日報問題と同根の問題ととらえなければならないと思います。
この街頭署名活動で秋葉さんも指摘されたように、自衛隊にとって「どんな活動をしたのか」を記録する日報は、もし仮に「行動の誤り」を指摘されたとき、その行動の正当性を主張する唯一、無二のものですから、絶対に破棄されるようなことはありません。
さらに私は、次のことも指摘しまし。自衛隊にとって日報は、「その行動をその後の活動に生かすための検証を進める」ためにも欠かすことのできない、重要な資料だということです。そのことは「『陸自研究本部』に電子データで保存されていた」という事実によって証明されています。こうして考えると、そもそも「自衛隊の部隊の日報」が、保存されていないなどということは、あり得ないことです。
財務省の決裁文書改竄を大問題ですが、それ以上に実力組織の自衛隊による文書隠し問題を重大だということです。つまり、今自衛隊はシビリアンコントロール不能の状況にあると言ってもよいのではないでしょうか。私が、「安倍さん改憲より前にやるべきことがあるのでは」というのは、このことです。南スーダンPKO部隊の日報問題では、「稲田大臣だから」という雰囲気が無きにしも非ずでした。再び同じようなことが起きたのですから、単なる大臣の問題に矮小化することはできません。そして野党のみが追及すればことは足りるという次元の問題でもありません。実力組織である自衛隊をどうコントロールするのか、内閣に、そして国会の突き付けられている重大な問題だからです。内閣にすらきちんとして情報を提供しない自衛隊に対し、安倍首相こそが、もっと大きな怒りを持たなければならないのではないでしょうか。それほど深刻な問題だと言えます。
そして安倍首相は、自らが行った憲法違反の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定が、防衛省内での自衛隊制服組の発言権を拡大させ、さらには今回のような隠ぺい体質を容認し今日の事態を招いていることをもっと自覚すべきです。その反省もないまま「憲法に自衛隊を明記」すれば、さらに自衛隊の一人歩きが始まることを私は危惧します。
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