「マンハッタン坊主」中垣さんとの対談はとても有意義でした ――グローバルな視点からのヒロシマを再確認できました――
「マンハッタン坊主」中垣さんとの対談はとても有意義でした
――グローバルな視点からのヒロシマを再確認できました――
素晴らしい天気に恵まれ、桜が満開の平和公園でしたが、私たちは資料館の地下会議室で2時間半にわたる熱い時間を過しました。ニューヨーク在住の浄土真宗の「フリーランス僧侶」、中垣顕實さんと私の対談に、50人以上の皆さんが最後までお付き合い下さったのです。
このイベントのタイトルは「グローバル・ヒロシマ」でした。日本という枠組ではなく世界という枠組から広島を見直し、未来につなげることがテーマです。
この会の趣旨として中垣さんが強調されたのは、日本の外から日本を見ることの意味と、それを元にした私たちの頭のスイッチの切り替えです。日本国内での見方では、原爆は広島と長崎、そして原発事故は福島と地域的な色彩が濃くなって、それが「全」日本の問題であるという認識は、時とともに薄れる傾向があるのですが、ニューヨークから見ると、広島も長崎も福島も、「日本」で起きたこととして把握されています。その結果として、このどれをとっても、私たちがグローバルなスケールで関わろうとすると、「日本」としてまた「日本人」として発言し行動することを期待されるということです。
さらに、在米33年になる中垣師が強調されたのは、外から見ると日本のことが本当に良く分るようになるという点でした。日本だけではなく、仏教についても浄土真宗にしても、外に出て、アメリカという「外界」から観察しその全体像を掴み出す必要に迫られることで、その本質が手に取るように分ってきたという感慨です。
でもその理解は、アメリカという土地に住んでいただけでは得られないのです。例えば、1994年から、ニューヨーク時間の8月5日の夜に、初めはニューヨーク本願寺で、フリーランスになってからはキリスト教会その他の場所で、広島・長崎原爆法要「恒久平和の日の集い」を開くことを通して、つまり具体的な活動を通して身に付けた理解なのです。初めは100名にも満たなかった参加者が、500名という規模に成長してきていることも、彼の努力の賜物です。
インターフェイス (interfaith---超宗教) というグループの主催で、2002年から10年間、9月11日にハドソン川で、9.11同時多発テロ犠牲者追悼灯ろう流しを続けて来られたことも大きな足跡です。
今回の対談の実行委員会とでも呼んだら良い方々は、このような中垣師の活動を広島から支えて来た皆さん、そしてそれを縁にしてつながりのできた皆さんたちのグループです。
中垣師に続いて私も、少し話をさせて頂き、会場からの発言、そして参加された皆さんからの意見や質問も貴重でしたが、整理をした上で稿を改めて報告させて頂きます。
[2018/4/1イライザ]
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