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2018年4月15日 (日)

 浦島太郎 ――日本を留守にしている内に変ってしまったこと――

 

浦島太郎

――日本を留守にしている内に変ってしまったこと――

 

異国で暮して、故郷に戻って来たら、何もかも変ってしまったのが浦島太郎ですが、何年か海外で過した後に、同じような経験をされた方も多くいらっしゃると思います。

 

私も、日本に定住することになってから苦労したこともあるのですが、未だに引っ掛かっていること二つを御披露したいと思います。二つとも、まだ小さいときに経験したことと、現状とが違っているだけのことなのですが、「違和感のある日本語」とも関連しますので、共感して下さる方の出てくることもちょっぴり期待しています。

 

二つとも、駅のアナウンスで頻繁に出てくる言葉です。一つ目は、「山手線」です。千葉から総武線で秋葉原で乗り換え、山手線か京浜東北線で御徒町まで行って松坂屋で買い物をするのが母のお決まりのコースだったのですが、都会のシンボルが「山手線」だったと言っても過言ではありません。その「山手線」の最近の呼び方、駅のアナウンスは「やまのてせん」なのです。

 

Yamanote_line_04_set_akihabara_stat

                             

By aqz-tmin (NIKON CORPORATION NIKON D80 170709090144) [CC0], via Wikimedia Commons

 

一寸、歴史を振り返ると、戦前、元々は「山ノ手線」と書いて「やまのてせん」でした。それが、戦後になって「山手線」と書いて「やまてせん」になりました。そして、1970年代の初めに、「山手線」と書いて「やまのてせん」と読むようになったらしいです。

 

私が子どものときは、もちろん「やまてせん」でしたので、全く問題はありませんでした。浦島太郎に取っては、読み方は変えて漢字はそのまま、という変てこな変り方でした。あるいは読み方は元通りになったけれど、漢字は変えたまま、という解釈もできますが、読みと漢字を統一したらどうでしょうか。もう一つの問題点は、浦島太郎に取っての二つ目の戸惑いの後に回します。

 

二つ目は、「降り乗りは順序良くお願いします」といった感じのアナウンスです。昔は「乗り降りは」と、「乗る」方が先に来ていました。

 

混雑しているときには特にそうだと思いますが、降りる人が先に降りてくれないと、中には空きができませんので、電車には乗れません。だから「降りる」のが先で、「降り乗り」が正しい、という理屈らしいのですが、「乗り降り」が小さいときから耳に焼き付いていますので、聞く度に大いなる違和感です。

 

一つには、「乗り降り」とは一体の行為として、乗ることと降りることを指している言葉ですので、どちらが先に来るかで、どちらを優先しなくてはならないというルールを表現している言葉ではないからです。そのような言葉は日本語にはたくさんあります。例えば「損益計算書」の「損益」ですが、これは、ビジネスをするときに「損」を優先しなさいと主張している言葉ではありません。もう一つ挙げておくと、「虚実」もそうです。ないことより「実」の方が価値はあるでしょう。

 

このどれにも共通しているのは、発音のし易さですし、音としての美しさです。「降り乗り」も「益損」、そして「実虚」も、言い難いという点では半端ではありません。言い易い、聞いて快い言葉を大切にするのも、日本語の特徴、いや恐らくは全ての言葉の特徴だと思います。

 

そして最初に戻ると「やまてせん」と「やまのてせん」では、「やまてせん」の方が美しいと私は感じるのですが、これはもう好みの問題でしょうか。

  

[2018/3/28イライザ]

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コメント

「やまてせん」の方が美しいし、'60年代後半に地方から出てきた者でも、
断然、「やまてせん」。
東京は山の手の出でもないのに、ヤマノテと言うことに、気恥しさと、
おこがましさも感じるし。
(JRもいまだ国電と→国鉄民営化→この国のテイタラクの始まり→国鉄の
3人の友→国労をヤメなかったばっかりに→国鉄を追われ...→JRなどと
言ってたまるか😡)

先だってのポルシェ→写真に収まるなら→決めはサングラス→
『そういう悪ノりは好きでない』→そう、そこが人を惹きつけるとこね。

わたしの場合は、生まれたときからすでに「やまのて線」でした。
なぜ山の手じゃないのか疑問でした。
あと、海に近い京葉線は海の手線で良いのでは?と子どもながら思っていました。

「されど映画」様

コメント有り難う御座いました。

もっと昔は「省線」でした。鉄道省の線という意味でしょう。NTTもそうなのですが、全国的につながっていることが大きなメリットなのに、地域ごとに別会社を作るという意味が今一分りません。

それとサングラスだけではなく、もっとパリッとした格好で乗るべきでした。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。「京葉」は「京浜」に対抗して、東京と千葉から作ったらしいですが、それだからでしょうか、中国の古典に源を発する「湘南」ほどは、エレガントには聞えませんね。音としては、「海の手」の方が「山の手」より響きが良いように思いますが--。

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「やまてせん」の方が美しいし、'60年代後半に地方から出てきた者でも、
断然、「やまてせん」。
東京は山の手の出でもないのに、ヤマノテと言うことに、気恥しさと、
おこがましさも感じるし。
(JRもいまだ国電と→国鉄民営化→この国のテイタラクの始まり→国鉄の
3人の友→国労をヤメなかったばっかりに→国鉄を追われ...→JRなどと
言ってたまるか😡)

先だってのポルシェ→写真に収まるなら→決めはサングラス→
『そういう悪ノりは好きでない』→そう、そこが人を惹きつけるとこね。

わたしの場合は、生まれたときからすでに「やまのて線」でした。
なぜ山の手じゃないのか疑問でした。
あと、海に近い京葉線は海の手線で良いのでは?と子どもながら思っていました。

「されど映画」様

コメント有り難う御座いました。

もっと昔は「省線」でした。鉄道省の線という意味でしょう。NTTもそうなのですが、全国的につながっていることが大きなメリットなのに、地域ごとに別会社を作るという意味が今一分りません。

それとサングラスだけではなく、もっとパリッとした格好で乗るべきでした。

「hiroseto」様

コメント有り難う御座いました。「京葉」は「京浜」に対抗して、東京と千葉から作ったらしいですが、それだからでしょうか、中国の古典に源を発する「湘南」ほどは、エレガントには聞えませんね。音としては、「海の手」の方が「山の手」より響きが良いように思いますが--。

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