4・26 チェルノブイリ・デーの座り込み
4・26 チェルノブイリ・デーの座り込み
広島県原水禁は4月26日、広島平和公園・原爆慰霊碑前において、チェルノブイリ原発事故の翌年から毎年続けて今年32回目となる「4・26チェルノブイリデー」の座り込みを、市民82人が参加して行いました。
座り込みの冒頭で、県原水禁の金子哲夫代表委員が事故の翌年にニューヨークで開催された核被害者世界大会での思い出を語っていただきました。その内容は、スウェーデンのラップランド(原発から2000キロ離れた地域)の先住民の方の報告です。先住民が主食としていたトナカイやカモシカの肉が食べられなくなった。放牧していた18,000頭のトナカイを殺処分しなくてはならなくなった。その原因は2000キロも離れたチェルノブイリ原発事故で流れてきた大量の放射能が地上に降り注ぎ、キノコ類やコケには放射能が蓄積しやすく、そのコケ類を食べるトナカイの肉に放射線が蓄積するという食物連鎖被害で、食文化まで奪われてしまったとのこと。一旦原発事故が起きてしまったら、原発近辺だけでなく被害は広い範囲に及ぶこと。やはり「核と人類は共存できない」ということを改めて感じさせられた報告であったと紹介され、あらためて原発に頼らない脱原発政策への転換に向けて取り組みの決意を述べられました。
参加者は約30分の座り込みの最後に、広島県教職員組合の頼信直枝さんがアピールを読み上げ参加者一同で採択しました。座り込み参加者は慰霊碑に向かって黙祷し、行動を終了しました。なお、早速県原水禁事務局は、このアピール文を経済産業大臣宛に送付しました。
「4・26チェルノブイリデー」アピール
チェルノブイリ原発事故から32年が過ぎた現在もなお、原発から30キロ圏内や300キロ離れた高汚染地域が永久に居住禁止となり、人が住めない廃墟となっています。そして、広範囲な放射能汚染は続き、身体への影響は、甲状腺ガン、白血病、そのほかの疾病が多数あらわれ、その苦しみは今も続いています
一方、我が国でも、福島第一原発事故から7年が経ったいまでも事故の原因は確定できないだけでなく、現状を把握できず、収束の見通しが立っていません。震災による影響を事前に防ぐ努力についても、東京電力内部では大津波対策が必要なことを認識していたにもかかわらず、経営者トップは「予見できなかった」と反省しないなど、原因や責任をうやむやのままにして、そのうえ政府も福島原発事故を風化させようとしています。
福島第一原発事故以降、子どもたちの甲状腺の問題をはじめ、汚染水や除染、原発事故処理業務にあたる労働者の被ばく、健康被害など、多くの問題が深刻化しています。政府は「帰還困難区域」を除く地域の「避難指示」を解除し、「安全」を強調しますが、依然放射能被害への不安は大きく、働く場所もない、生活に必要な病院や生鮮食料品の店がない
など、被災地の多くが帰りたくても帰れない町になってしまっています。
原発事故被害者の痛みを私たちは、決して忘れてはなりません。
チェルノブイリ事故も福島の事故も、あらためて「核と人類は共存できない」ことを教えています。かつて安全神話を強調して原発政策を推進してきたのは、自民党政権です。その責任を取ることもなく、安倍政権は、国民の過半数超える人々の反対の声を無視し、再び原発政策を推進し、原発の再稼働を強行しています。私たちは、すべての原発の再稼働・新増設に反対します。
原発事故は、新たなヒバクシャを作ります。
人類史上はじめて原子爆弾の惨禍を被った私たちヒロシマは、放射能被害の恐ろしさを最もよく知っています。再び過ちを繰り返さないために、核兵器廃絶そして原発に反対し原子力に頼らない再生可能エネルギーへの転換を求めていきます。私たちは、このような惨禍を生み出した原発からの脱却に向けた政策転換を強く求めて、取り組みを行っていきます。
◆チェルノブイリ原発事故を忘れてはなりません!
◆福島第一原発のような事故を二度と起こしてはなりません!
◆原発の再稼働・新増設を許してはなりません!
◆新たなヒバクシャを生み出してはなりません!
◆全ての原発被害者への補償と救済を強く求めます!
2018年4月26日
「4・26チェルノブイリデー」行動参加者一同
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