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2018年3月 1日 (木)

只管打坐 (しかんたざ)  ――ただひたすらに座ることの意味――


只管打坐 (しかんたざ) 

――ただひたすらに座ることの意味――

 

禅宗の三つの宗派の一つである曹洞宗には、宗議会という最高レベルの決定機関があるのですが、その人権学習の一環として平和運動史と今後の展望についてお話をさせて頂きました。曹洞宗の開祖は道元禅師であり、その精神は「只管打坐」という言葉に象徴されていることは知っていましたが、改めてこの言葉の意味を考える素晴らしい機会になりました。

 

               

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世界が有機的につながっていること、そして今の私が、その中でも大切な問題に関わっているという事実に気付かされたことがこれまで何度もありました。その度に身の引き締まる思いをしてきましたが、気付かされるきっかけは、いくつかの全く異なった範疇に属する事象が偶然としか思えない形で現れて、同じ方向を指し示してくれたことでした。

 

具体的には、これまで私に「只管打坐」の意味を分り易く表現してくれた人が何人かいるのですが、全く違った分野の先達でした。その一人は、昔から私淑していた、そして最近は先生の言葉を思い出しては咀嚼している岡潔先生です。数日前にも、先生についてのドラマを紹介しました。その岡先生の言葉が「スミレはただスミレのように咲けば良い」です。つまりスミレはひたすらスミレであれば良い、ということです。

 

もう一人「只管打坐」を強調していたのが、同時通訳の神様の一人と言われた故國弘正雄さんです。私にとっては良き兄貴分でしたが、通訳としてだけではなく政治家としても共に闘う機会が多くあったのは心強い限りでした。

 

その國弘先生 (政治家としての「先生」ではなく、多くの方々に取って英語の分野での素晴らしい先生であったことに改めて敬意を表したいと考えての「先生」です) は「只管打坐」を出発点にして「只管朗読」を提唱されていました。中学2年生か3年生の教科書をひたすら音読することなのですが、それも、500回から1000回という多くの回数続けるのが味噌なのです。英語を習得する上でとても効果のある方法ですが、その点について、國弘先生の言葉も引用しつつ丁寧に説明しているサイト「かつうら英語塾」がありましたので、是非そちらも御覧下さい。

 

しかし、広島で「只管打坐」を考えると一番自然に頭に浮ぶのは、慰霊碑前の「座り込み」でしょう。核実験のある度に抗議の座り込みをする伝統は、核兵器が廃絶され核実験がなくなるまで続けられると思いますが、座り込みを始められた森瀧市郎先生のお気持は、正に「只管打坐」だったのではないでしょうか。

 

森瀧先生は、その結果として「愛の連鎖反応」が起き、世界を平和に導くという、私たちにとってはとても分り易い説明をされています。座り込む皆さんの姿を見て、自然に自分も参加したいという思いに駆られるのはそのせいだと思います。でも最近強く感じるのは、元々座り込みを始められた方々は、運動としての結果を云々する以前に、どうしても核実験を止めなくては、核兵器を廃絶しなくてはという人間の存在の最も深い所から湧き出る無心の力に突き動かされたのではないかという思いです。

 

そして、曹洞宗の宗議会での講演において、「只管打坐」を日常的に実践され、道元禅師の説かれた道の先達である皆様を前に平和運動の歴史を紹介しつつ私自身が強く感じたのは、「只管論破」をし続けなくてはならないということでした。それは、被爆者に対して、またいろいろな意味で弱い立場に置かれている人たちに対して外務省や日本政府がこれまで取って来た理不尽で血も涙もない暴論に対しての「只管論破」です。私たちがこれからも続けなくてはならないのは、今まで以上に丁寧に、多くの人に分って貰えるような形で、嘘や詭弁、言い逃れ等に対して、事実を元にしてその虚妄を暴き、大きな政治力にして行くことです。どんなことを取り上げたいと思っているのか、その何点かについては別稿で取り上げたいと思います。

 

 

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