「お礼参り」のススメ ――『的外れ』という本を読んで、友達に感謝――
――『的外れ』という本を読んで、友人たちに感謝――
「友だちって有り難い」という気持の流れで、最近は会っていない、でも懐かしい多くの友人たちを思い出しました。彼ら/彼女らの共通点は、とても大切なことを教えて貰ったこと、温かいサポートをしてくれたこと、一緒に素晴らしい時を経験したこと等沢山あるのですが、その一人一人に、もう一度きちんと「有難う」という気持を何らかの形で伝えられればと思っています。
それが大切なことは今や世界的な常識にもなっているようなのですが、そのことを知ったのは、Eric
Barker氏著の『Barking
Up the Wrong Tree』という本を読んだからです。邦訳は『残酷過ぎる成功法則』というタイトルで出版されていますが、残念ながら邦訳には、大切なエピソードが入っていません。Barker氏は、自分のサイトhttps://www.bakadesuyo.com/ (バカデスヨ)で、この本だけではなく、最新の学術的な発見等を短い分り易い形で紹介していますので、それもお勧めです。
アメリカだけに的を絞ると、米国心理学会の会長を務めたマーティン・セリグマン博士がこの点について『Flourish』という一冊にまとめています。
『Barking
Up the Wrong Tree』に戻って、その中で紹介されているエピソード、それはウォルター・グリーン氏の「お礼参り」なのですが、それを御紹介したいと思います。「お礼参り」は、英語の「gratitude
visit」の訳です。「gratitude」は感謝という意味ですし、「visit」は訪問ですから、お礼をするための訪問、つまり「お礼参り」です。
最近の使い方では、「刑期を終えて出所したやくざなどが、自分を密告したり、自分に不利な証人となったりした人に、仕返しをすること」の意味の方が当り前に使われていますが、元々の意味は「神仏にかけた願 (がん) が成就した礼に参詣すること。報賽 (ほうさい)」です。しかし、この言葉を新しい意味、つまり、「神頼み」へのお礼ではなく、自分の人生で様々な形でお世話になった「人」に感謝をするという意味で使いたいと思います。
グリーン氏は、自ら始めたビジネスを成功させ、1400人の社員がいる企業にまで育ててリタイヤーしました。退職後はゴルフ三昧で過すことも可能だったはずなのですが、彼の選んだのは、自分の人生でお世話になった人々に感謝をすることでした。早速リストを作り、44人の人を選びました。
両親は亡くなっていましたが、妻や子どもたちといった家族も入っていますし、メンターやプロテジェ、同僚や主治医等々、28歳から83歳までの幅広い人たちのリストでした。そして彼の感謝の仕方が重要です。
まず、一人一人について、何故感謝をするのかを文章にした上で、その一人一人に連絡を取り、面会の約束を取り付けました。連絡を取った段階では、「気は確かか」という返事が戻って来たそうです。そしてアメリカは勿論、遠くはケニヤまで足を延ばし、一人一人に感謝の気持を伝えたのです。さらに、その一人一人から、自分がどのような人間であるのかを正直に評価して貰うことも依頼したとのことでした。それは、誉め言葉を引き出すためではなく、何十年も付き合いのある人たちこそ、自分では気付かない自分の本当の姿を知っているはずだという信念に基づいていました。
結局、一年掛けて44人に会い、その時の様子は全て録音したそうです。音声のCDと、その時の写真、そして一年かけての「お礼参り」が自分にとってどんな意味があったのかを文章にして、44人一人一人にさらなるお礼の気持ちを伝えたのだそうです。
グリーン氏ほどの経済的余裕はありませんので、その真似をできる人は限られていると思いますが、私も、様々な形でお世話になった先生たち・友人たち・同僚たちに同じような感謝の気持を伝えたいと思いました。一人一人について、お世話になったお礼を文章にまとめて見たいと思っています。その中で、公表しても良いものは、このブログで皆さんにも御紹介させて頂くかもしれません。
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