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2018年1月12日 (金)

馬から落ちて落馬して ――重言、ら抜き言葉等を再考――


馬から落ちて落馬して

――重言、ら抜き言葉等を再考――

 

「古 (いにしえ) の昔の武士が、山の中の山中で、馬から落ちて落馬して、女の婦人に笑われて----」と続くのですが、重言、あるいは二重表現を戒める言葉として有名です。確かに、「馬から落ちて落馬して」と言えば、嘲笑され笑われても仕方がないような気がします。

 

               

032

         

こんな馬からは落馬しないでしょうが――

 

とは言え、重言の中でも「好き好んで」等は、「誰が好き好んでこんなことをすると思っているんだ!」という調子で使う分には、市民権を得ていますし、長嶋茂雄氏が引退したときの言葉「巨人軍は永遠に不滅です」は、それ以外の言い方は考えられないほど不滅の表現として残っています。

 

これほど定着はしていない上に、かなり違和感の大きい表現に「今の現状」があります。しかし、最近政治関係の人と話をする機会があって、この「誤用」についても、違った解釈があるのかなという気がし始めています。

 

つまり「現状」というのは、誰でも共通認識として持っている「政治状況一般」という意味合いで使い、「今の現状」とは、そんな背景の下、今現在、実際に起きている生々しい政治劇を指すのだ、と解釈すると、こんな使い方にも一理あるのかなと思えたのです。

 

今までと比べると随分、寛容になってしまっているような気がしますが、それは、老化現象なのか、朱に交わって赤くなった結果なのかは良く分りません。どちらなのかを確認するため、かつては嫌悪していた「乱れた日本語」のいくつかについて、再度考え直してみたのですが、いくつかのものには存在理由があるような気がしてきました。

 

一番古いものでは、「見れる」ですが、自分では使わないものの、昔ほどの嫌悪感はなくなりました。それは、多くの人が心配した、ら抜き言葉の氾濫が思ったほどではなかったこととも関連があるのかもしれません。

 

そして、「マジ」です。「真面目に考えろ」とか「真面目な話」というように、「真面目」の省略形ですが、次のようなやり取りがあったとして、その中の「マジ」の代りになる上手い言い方があるでしょうか。

 

「退職後はハワイに住もうと思っている」

「エッマジで?

 

Myhawaiiwhyhawaiiholiday

 

「真面目にそんなこと考えているの」と言ってしまっては、「ハンタイ」のニュアンスが出過ぎていますので、重過ぎます。意外な言葉に対して、軽い驚きとともに疑問符を付ける、でも最初から反対の意思表示をしているのではない辺りのニュアンスを表すのには上手い言葉だと思います。もちろん、「マジで」を使って、同時にイントネーション等の付け方に依っては「反対」も表現することは可能でしょう。

 

「こんな乱れをお前はマジで認めるのか」と、お叱りを受けるかもしれません。この「マジ」も、「糾弾」とはちょっとニュアンスが違っていますし、「今の現状では認めても良いと思う」と答えたい気持なのですが、如何でしょうか。

 

 

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コメント

まじ卍、私も許容範囲が広がっていますw

「マジで!」は、真面目に考えている?というより、「本当に?」と、嘘じゃないよね?かなと思います。
言葉の乱れというか変遷は、若い世代からはいつの時代もですね。
それよりも民放アナウンサーの言葉遣いの酷さは気になります。
日頃にNHKラジオを聴いていると、言葉の教育の違いを感じます。

前に父親が言ったことに驚いて「嘘じゃろ〜⁈」と言うと「嘘は言わん」と言われたので、「マジで〜⁈」と言うと、「マジがわからん」と言われたことがあります。
父親には「本当⁈」と言うようにしました。

「⑦パパ」様

コメント有り難う御座いました。

「まじ卍」なんて、洒落ていますね。俳句のセンスとも通じている感じです。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

「マジ」の語源は「真面目」で、楽屋用語としてかなり古くから使われていたとのことですが、語源とは違う広がりを持つ言葉になって、日本語が豊かになったと言いたかったのですが--。

「和」様

コメント有り難う御座いました。

私は昔、「本当?」と言ってそれに文句を付けられたことがあります。言葉は難しいですね。

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コメント

「和」様

コメント有り難う御座いました。

私は昔、「本当?」と言ってそれに文句を付けられたことがあります。言葉は難しいですね。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

「マジ」の語源は「真面目」で、楽屋用語としてかなり古くから使われていたとのことですが、語源とは違う広がりを持つ言葉になって、日本語が豊かになったと言いたかったのですが--。


「⑦パパ」様

コメント有り難う御座いました。

「まじ卍」なんて、洒落ていますね。俳句のセンスとも通じている感じです。

前に父親が言ったことに驚いて「嘘じゃろ〜⁈」と言うと「嘘は言わん」と言われたので、「マジで〜⁈」と言うと、「マジがわからん」と言われたことがあります。
父親には「本当⁈」と言うようにしました。

「マジで!」は、真面目に考えている?というより、「本当に?」と、嘘じゃないよね?かなと思います。
言葉の乱れというか変遷は、若い世代からはいつの時代もですね。
それよりも民放アナウンサーの言葉遣いの酷さは気になります。
日頃にNHKラジオを聴いていると、言葉の教育の違いを感じます。

まじ卍、私も許容範囲が広がっていますw

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