世界終末時計 ――1947年からの71年間で、一番滅亡に近い年が2018年です――
――1947年からの71年間で、一番滅亡に近い年が2018年です――
「世界終末時計」は、英語の「Doomsday Clock」の意訳です。「Doomsday」とは、人類滅亡の日を指しますので、「人類滅亡時計」でも良いのですが、一般的には「世界終末時計」が定着しているようです。それは、今現在が、人類滅亡の日・世界終末の日にどのくらい近いのかを示す時計です。
今年は人類滅亡二分前です。昨年、核兵器禁止条約ができたとはいえ、北朝鮮の核兵器やミサイルの開発、そしてトランプ大統領の挑発的な言動等を併せて考えると、いつ何が起きても不思議ではない状況だということを示している「二分前」だと思います。そして最近の荒天と気候変動との関係も示しているように、そちらの影響が人類を終末の方向に押しやっているという点も、指摘されています。
1947年以来、人類が共有し、ある年には危機的状況であることに絶望感を持ち、それでも事態の改善に努力し、またある年には雪融けの訪れにチョッピリは安堵したりという、多くの人々の思いを代弁するシンボルとしてのこのアイコンは、『The Bulletin of the Atomic
Scientists』 (原子力科学者会報) という、原子力科学者たちの専門誌が創りました。
毎年1月25日に発表するのが恒例になっていますが、1989年からは、環境面からの影響も勘案して、どのくらい終末に近付いているのかを決定しているそうです。
昨年は、世界の終末2分半前でしたので、今年の方がより危機的な年になったことが分ります。そして、1947年以来、「2分前」になったのは一度だけ、米ソの核軍拡競争が激しかった1953年しかありません。
念のために、71年の間に人類はどのくらい「滅亡」に近付いたのか、振り返ってみましょう。
国際的な緊張が一番緩んだのは1991年、終末時計は、終末まで17分を示しています。ベルリンの壁崩壊に象徴されるソ連邦の解体と、東西の雪融けに多くの人が期待した結果ですが、その後、終末時計は右肩下がりで、人類滅亡に近付いていることを示しています。
その理由の一つは、ただ単に核兵器の危険性だけではなく、気候変動による地球環境の激変もカウントされていますし、新たな技術による人類滅亡の可能性等も考慮されています。
より詳しくは、『The Bulletin of the Atomic
Scientists』のホームページをお勧めします。定期的にアップデートも送って貰えます。記事を一つ読むだけでもかなりの勉強になりますので、その活動を支援するための寄付も検討して頂ければ幸いです。
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