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2017年12月15日 (金)

「変節」「言い訳」「裏切り」 ――日本政府の得意技――


「変節」「言い訳」「裏切り」

――日本政府の得意技――

 

特許を取るにも、学問の成果を認められる場合も、他人より先に出願したり論文を書いたりという事実、つまり「最初」が評価されます。ノーベル賞にもその傾向がありますから、日本政府が、1945810日の主張を続けて、「核兵器は国際法違反」だというキャンペーンを展開していたら、今年の受賞者は日本政府だったかもしれません。いや、もし日本政府がそんなことをしていれば、核廃絶にはもっと近付いていたでしょうから、もう何年も前に受賞していたかもしれません。

 

しかし、残念なことに日本政府、特に外務省は「変節」してしまいます。そして、「立派な」「言い訳」を裁判所で開陳します。アメリカにとっては好都合だったのですが、被爆者や戦争で犠牲になった多くの人たちに対する「裏切り」であることは、言うまでもありません。何時も、この「言い訳」を読む度に腹が立ちますので、読みたくはありませんし、読まなければ良いのですが、こうした歴史も若い皆さんにきちんと知っておいて貰いたいことの一つです。敢えて、今回取り上げる所以です。

 

1955年(昭和30年)4月、広島の下田隆一さんら3人が、国を相手に東京地裁に損害賠償とアメリカの原爆投下を国際法違反とすることを求めて訴訟を起しました。その判決は1963127日に言い渡されました。

 

             

Photo

               

東京地方裁判所のホームページから

 

裁判の中で、被告としての日本政府が述べた、原爆は「国際法違反ではない」という言い分です。

 

「原子爆弾使用の問題を、交戦国として抗議をするという立場を離れてこれを客観的に眺めると、原子兵器の使用が国際法上なお未だ違法であると断定されていないことに鑑み、にわかにこれを違法と断定できないとの見解」

 

さらに「その当時原子兵器使用の規制について実定国際法が存在しなかったことは当然であるし、また現在においてもこれに関する国際的合意は成立していない」という理由で原爆使用の違法性を否定。

 

またハーグ陸戦法規などの諸条約は原子兵器を対象とするものではないので無関係だという立場。

 

「敵国の戦闘継続の源泉である経済力を破壊することとまた敵国民の間に敗北主義を醸成せしめることも、敵国の屈服を早めるために効果があり」、広島・長崎への原爆投下も日本の屈服を早めて交戦国双方の人命殺傷を防止する効果を生んだと主張。

 

最後の段落は、トルーマン大統領が広島に原爆を投下した直後に記者会見で述べた考え方をそのまま使っています。

 

この下りを見ると、憲法の前文を読み間違っていたのかな、という気にさえなります。

 

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。

 

が、その部分なのですが、これを

 

そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利はアメリカがこれを享受する。

 

と書き換えて、日本政府が解釈し国政を司っているとしたら、符丁がピッタリ合うのですが―――。

 

しかし、「日本」と言っても多様です。この裁判では、古関敏正、三淵嘉子、高桑昭の三人の裁判官が、勇気ある判決を言い渡しています。その内容は、次の通りです。

 

まず、「アメリカ軍による広島・長崎への原爆投下は国際法に違反する」。

しかし、対日平和条約によって請求権は放棄されており、「被爆者は損害賠償請求権を持たない」。従って、原告の損害賠償請求は棄却。

 

そして、最後に裁判官は次のように述べています。

「国家は自らの権限と責任において開始した戦争により、多くの人々を死に導き、障害を負わせ、不安な生活に追い込んだのである。しかもその被害の甚大なことは、とうてい一般戦災者の比ではない。被告がこれに鑑み十分な救済策を執るべきことは、多言を要しないであろう。それは立法府及び内閣の責務である。本訴訟をみるにつけ、政治の貧困を嘆かずにはおられない」。

 

原告も被告も控訴しなかったので、この判決は確定しています。そして、判決文の中で、被告である国が「国際法違反ではない」と主張した根拠としての3点は全て否定されています。ですから、法全体の体系からすれば、日本政府が1996年の国際司法裁判所の勧告的意見採用の際に述べた意見も、今の時点で、核兵器が「国際法違反ではない」と言い張ることも「違法」です。

 

当然、日本政府は、その延長線上にある核兵器禁止条約の署名・批准も積極的に推進すべき立場なのです。その義務を果していない政府は変えるべきでしょう。そのために、選挙で安倍政治を変えるという正攻法は大切ですが、その前段として、世論を高めるため、先ずはもっと関心を持って貰うために、いろいろ工夫をしなくてはなりません。そのためにも皆さんの知恵をお借りできればと思います。

 

 

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コメント

むかし沖縄の基地に核貯蔵庫があり(今も取り壊されていない?)非核三原則を唱えながらも密約あり。日本政府の変節には お得意の『隠蔽』あり。ですかね?
自分たちの国の何を信じてよいのかわからなくなります。
核兵器禁止条約においても日本の役割は橋渡しと言われていますが、その橋渡しの意味も私の願いとは裏腹なように思えてなりません。

批判ばかりすると自分もしんどくなるので 国民のことをなんと考えていますか?和解とは誰と和解したいのですか?と あの人がテレビに映ると聞いています 笑
結果、私利私欲のための政治はやめてよね〜とブツブツと文句になりますが 笑

かって田中真紀子さんが、外務省は伏魔殿って言ってましたね。真実なんでしょうね。
日本が真珠湾攻撃する際に、アメリカに宣戦布告書を出さなかった日本の外交官が、戦後に外務省のトップ官僚になつたとか。外務省はアメリカの国務省の出先機関なのかもしれませんね。
ところで安倍首相は、朝鮮半島の非核化なんて叫んでますが、在日米軍が日本に核兵器を持ち込んでいるのと同じように、在韓米軍が韓国に核兵器を配備しているとは思わないのですね。

「和」様

コメント有り難う御座いました。

明日のブログでも取り上げますが、明日17日の午後10時からNHKのBS1で、「沖縄と核」が放映されます。「密約」「隠蔽」「裏切り」の実態がかなり分りそうです。次に何をすれば良いのか、一緒に考えて行きましょう。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

外務省も安倍政権もアメリカに完全に洗脳されているとしか思えません。

そもそも、他の国では外交を所管する官庁は「外」務省と呼ばれますが、アメリカでは「国」務省です。「世界は俺のものだ」というこの表現から変えないと、何も変らないのかもしれません。

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むかし沖縄の基地に核貯蔵庫があり(今も取り壊されていない?)非核三原則を唱えながらも密約あり。日本政府の変節には お得意の『隠蔽』あり。ですかね?
自分たちの国の何を信じてよいのかわからなくなります。
核兵器禁止条約においても日本の役割は橋渡しと言われていますが、その橋渡しの意味も私の願いとは裏腹なように思えてなりません。

批判ばかりすると自分もしんどくなるので 国民のことをなんと考えていますか?和解とは誰と和解したいのですか?と あの人がテレビに映ると聞いています 笑
結果、私利私欲のための政治はやめてよね〜とブツブツと文句になりますが 笑

かって田中真紀子さんが、外務省は伏魔殿って言ってましたね。真実なんでしょうね。
日本が真珠湾攻撃する際に、アメリカに宣戦布告書を出さなかった日本の外交官が、戦後に外務省のトップ官僚になつたとか。外務省はアメリカの国務省の出先機関なのかもしれませんね。
ところで安倍首相は、朝鮮半島の非核化なんて叫んでますが、在日米軍が日本に核兵器を持ち込んでいるのと同じように、在韓米軍が韓国に核兵器を配備しているとは思わないのですね。

「和」様

コメント有り難う御座いました。

明日のブログでも取り上げますが、明日17日の午後10時からNHKのBS1で、「沖縄と核」が放映されます。「密約」「隠蔽」「裏切り」の実態がかなり分りそうです。次に何をすれば良いのか、一緒に考えて行きましょう。

「やんじ」様

コメント有り難う御座いました。

外務省も安倍政権もアメリカに完全に洗脳されているとしか思えません。

そもそも、他の国では外交を所管する官庁は「外」務省と呼ばれますが、アメリカでは「国」務省です。「世界は俺のものだ」というこの表現から変えないと、何も変らないのかもしれません。

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