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2017年10月27日 (金)

「高齢者 = カナリア」説 ――危機的状況に一番敏感に反応しているのかもしれません――


「高齢者 = カナリア」説

――危機的状況に一番敏感に反応しているのかもしれません――

 

今回の選挙で有り難かったことや元気を貰ったことはいくつもあるのですが、その一つが高齢者からの熱い応援でした。千葉に住んでいる中学の同級生や高校時代、一緒に留学した仲間たち、その他、多くの高齢者からの激励のメッセージの真剣さ、そしてそこに込められていた切迫感は尋常ではありませんでした。

 

私も高齢者ですので、ただ単に私の友人・知人たちが熱心に応援してくれただけではないのかという可能性もあります。でもこれまで何度も経験してきた選挙とは次元が違っていた、というのが率直な気持ちです。そして、友人・知人たちが寄せてくれたメッセージは、今回私が立候補しなくてはならないと感じた思いとピッタリ重なっていました。

 

枝野代表の言葉を借りれば、「右や左からのメッセージではなく、今の危機を回避して、前、つまり未来を確保すること、そして輝ける平和な未来を創るために、過去の知恵を生かすという決意」とまとめられるような気がします。

 

勿論、枝野・福山チームがその象徴であるように、若い世代が成長し同様のメッセージを発信してくれていることを心強く思いますし大きな期待を持っています。しかし、私たちの世代との違いは、第二次世界大戦との距離ですし、残された時間です。

 

被爆者の言葉を使えば「こんな思いを他の誰にもさせてはならない」ですが、戦争の残虐さ悲惨さを次の世代には絶対にさせてはならないという強い思いは、私たちの世代が共有している基本的な価値観です。また、高齢期に達し、友人たちが幽明境を異にする経験も増えている私たちの立場は、今の内に、出来るだけ効果的に私たちのメッセージを伝えておかなくては、という「使命感」に基づいています。

 

そう考えながら思い出したのが、かつてカート・ボネガット氏や大江健三郎氏が必死に唱えていた「文学者はカナリアだ」という言葉です。昔、炭坑内での有毒ガスをできるだけ早く検知するために、微量のガスにも反応するカナリアを籠に入れて坑内に持ち込んだことを元に、芸術家の役割、小説家の役割をカナリアに準えたのです。

 

                 

Gelber_kanarienvogel

           

By 4028mdk09 (Own work) [CC BY-SA 3.0 (https://creativecommons.org/licenses/by-sa/3.0)], via Wikimedia Commons

 

それを今の状況に当て嵌めると、高齢者の果している役割は、炭坑内のカナリアに他なりません。「国難選挙」の結果は、小選挙区制という歪を生む装置によって与党が大勝しました。しかし、ここで諦めてしまっては全てがお終いです。安倍政権、そして彼らの目指す改憲こそ「国難」、つまり有毒ガスなのだと懸命に囀っている高齢者の声に耳を傾けることで、戦争への道を突っ走っている日本という国を、まっとうな国へ方向転換することはまだ可能だと信じています。

 

 

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