二つの国難 ――元寇も1274年と1281年の二度ありました――
二つの国難
――元寇も1274年と1281年の二度ありました――
安倍総理が勝つためだけに仕掛けた「国難解散」ですが、その「国難」とは安倍政権の存在そのものであることは、数日前に取り上げました。まずはその中身を正確に理解することから始めましょう。その上で、総選挙についての考え方をまとめられればと思います。
私たちが「国難」と聞いて最初に頭に浮ぶのは、「元寇」です。元の皇帝フビライ・ハーンが企てた日本侵略ですが、「文永の役(1274年)」そして「弘安の役(1281年)」とも呼ばれます。これらの国難からの教訓は昨年12月に取り上げましたが、ここで注目したいのは、国難が二度あったことです。
Araniko [Public domain], via Wikimedia Commons
そして「国難解散」の「国難」も安倍政権の存在そのもの一つではなく、二つの国難を克服しなくてはならないという皮肉な共通点です。もう一つの「国難」は、もちろん「希望の党」です。
① 希望の党の危険さの大前提は、小池百合子という政治家と彼女の黒幕たちが、機を見るに敏な資質を持っていることですし、その一環として、社会の置かれている現実を伝える代りに、聞き心地の良いレトリックを駆使して人心を収攬する術に長けている点です。
② それは、2030年までの原発ゼロを打ち出したことからも明らかです。関東を含む東日本では、西日本以上に原発への不安が今も大きな影を差し掛けていますが、70から80パーセント人たちに取っては希望の党の存在意義として受け止められるはずです。
③ しかし、希望の党の本質はここにはありません。「解党」してまで希望の党に雪崩込んだ民進党の全ての立候補者を公認しないという姿勢、しかもそれは憲法と安全保障についての考え方によっての選別であることから分るのは、希望の党の最終目的が改憲だということです。
④ 蓮舫率いる民進党に対しては原発ゼロの方針を認めず、小池率いる希望の党になるとOKを出した連合の考え方は良く分りませんが、上記の③という点を考えると、連合は改憲を推進する側に付いていると見られても仕方がありません。
⑤ 候補が確定せず、どの党から出馬するのかもこれらかという時点で選挙結果の予測は難しいのですが、自民党が勝てば改憲、希望の党が勝っても改憲の流れは強まるというシナリオだけは確実でしょう。今回の選挙ではそれをどう阻止するのかが最重要課題です。
⑥ となると、社民・新社会・共産の三党に頑張って貰うしか選択肢はないのですが、「しか~~~~~ない」という必要条件的な考え方ではなく、厳しい状況をどうプラスの方向に変えられるのか、十分条件的に考えながら、短期決戦に臨めればと思います。
解散・総選挙についてはさらに続きます。
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