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2017年9月21日 (木)

何故、「今」解散? ――でも、野党候補一本化で勝てるでしょう!――


何故、「今」解散?

――でも、野党候補一本化で勝てるでしょう!――

 

                

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By James F. X. O'Gara (Hudson Institute Flickr account)

[CC BY 2.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/2.0)], via Wikimedia Commons

 

安倍総理大臣は、国連総会出席のためアメリカに出発する直前に解散、しかも臨時国会の冒頭に解散する方針を仄めかしました。国民を舐めたとしか思えません。それは、タラップの前で記者団に吐いた言葉、「いちいちお答えすることは差し控える」で明らかです。

 

それを問題にしているマスコミはありませんが、「いちいち」とは、「いちいち文句を言うな」とか「いちいち煩い」というように、相手を非難し見下す言葉です。つい本音が出たのだと思いますが、解散という思い決定についても「いちいち文句を言うな」と、上から目線で言いたかったのでしょう。

 

しかし、突然の解散表明に私たちが大きな疑問を抱くのは当然です。英語のメディアも一様に「snap election(不意打ちの選挙)」と、意外性を前面に出しています。そんな中、あるテレビ番組で片山善博早稲田大学教授 (元鳥取県知事・元総務大臣) が、違和感を的確に表現してくれていました。彼の言い分を要約すると、

 

衆議院議員には、憲法で定められた4年という任期がある。それは、何も問題がなければ4年間、議員の仕事を続けることを意味する。同時に、衆議院の解散ができることも憲法は定めている。しかし、4年の任期があくまでも本則であって、解散をする場合には、よほどの理由がなくてはならない。今回の解散にはその「よほどの理由」が全くない。だから、この解散は「権力乱用・憲法違反解散」だ。

 

この点は、有権者も十分理解していると考えられる。総理大臣の説明がないと、どのような理由そして目的で解散が行われるのか、未だに誰にも分らない。「よほどの理由」があれば、「解散」という言葉を聞いて、大多数の人は「そうだな、これこれこういう状況だものな」と納得するはずだ。そんな状況ではないのだから、これから解散の「大義」をでっち上げるということだ。それでは正に「権力乱用・憲法違反解散」ではないか。

 

当然、でっち上げで表明される「大義」に説得力のあろうはずがありません。それを補完するかのように、国際的な環境が整えられている、あるいはそうマスコミが報道しているのも奇妙です。

 

まず、毎日のようにマスコミが報道し、Jアラートまで発していた北朝鮮の動きがピタッと止まっています。安保理事会の制裁決議の効果なのかもしれませんが、これまでは、全く無視してきた制裁決議に今回だけ従う理由は見当りません。そして連日のように報じられていたトランプ大統領を巡る混乱もこのところ報道されていないのです。偶然かも知れませんし、ほかの理由が考えられるのかもしれませんが、でも何だか不思議です。

 

国内でも、北朝鮮騒ぎで隠されてしまった森友・加計問題が再浮上することもありませんし、様々なスキャンダルそして民進党からの離党の方が大きく扱われています。そして前原体制になり野党共闘にも陰りが見えています。

 

その結果、22日に帰国して総理大臣が表明する「大義」だけに焦点が合わされ、捏造された課題に焦点を合わせてマスコミが煽り世論を誘導することで投票日を迎えれば、自民・公明の与党が有利になるのは目に見えています。

 

それに対して私たちは、手を束ねて見ているだけしかできないのでしょうか。そんなことはありません。例えば、3月に御紹介した「トランプをやっつけるための、10のアクション・プラン」は、マイケル・ムーア監督が提唱する行動リストですが、議員に電話を架けたり、自分が発信者になってメッセージを広げることで、政治を変えようと呼び掛けています。

 

では解散・総選挙についてどのようなメッセージを発すれば良いのでしょうか。皆さんと共に考えて見たいと思います。

 

 小選挙区制という悪しき制度でも、その選挙で当選するためには各選挙区で当選できる候補者を立てなくてはなりません。本来は、政治家としても人間としても立派な候補を見付けて、多数の有権者を説得することで票を集めるのが正道ですが、今回は時間もありません。ともかく、各選挙区で自民・公明に対抗する候補者は一人に絞ることが大切でしょう。

 当然、全ての野党がその候補者の応援をすることが望ましいのですが、候補者絞りと選挙協力の際に必ず出てくるのが、「政策」の問題です。しかし、今回の選挙は非常事態ですから、最悪の場合は、ジャンケンか籤で決めても良いくらいの気持で事に当る覚悟が必要だと思います。

 それに対して与党からは、「政策の調整もできないのに候補を絞るのは「野合」だ」という形の批判が必ず出てきます。でも、元々、与党が勝つため「だけ」の目的で解散をしたうえでの「泥試合」選挙です。与党の仕掛けた泥に塗れないための窮余の策として手に取った傘の模様が怪しからんと、与党は口が裂けても言えない立場なのです。

 そして、選挙の目的は、与党そして改憲派に3分の2を切らせることです。仮にその目的以上の結果になって政権を取れることになった場合、連立協議を公開の場で行い、連立政権を樹立すれば良いだけの話です。

 この目標達成のための選挙協力は、最初から政権運営を視野に入れての政策協議よりは柔軟に行えるでしょうから、現実性が増します。

 「改憲派を3分の2未満にする」という目的は、改憲の発議をさせないことですから、選挙協力のための大義名分は当然、改憲阻止、そして憲法に則った政治の実現です。憲法を無視して目茶苦茶な政治を行ってきた安倍内閣と比較しても、憲法の示している政治の方向性はハッキリしていますので、政策について与党からの批判は余裕で躱すことが可能です。

 訳の分らない政党もあり、新党もできるのかもしれませんが、改憲派なのかどうかで旗幟鮮明にしなくてはならなくなれば、こうした動きに騙されている人たちの目も覚めるのではないでしょうか。

 

こう考えてくると、与党が必ず勝つなどと予想するのはずいぶん手前勝手に思えてくるのですが、その結果、与党が国会の冒頭解散を思い止まる可能性さえ考えておいた方が良さそうです。選挙対策に時間を取らせる、その結果として国会での追及が手緩くなるよう画策することくらい、与党に取ってはお手の物ですから。

 

 

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