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2017年9月 3日 (日)

プロはいなくなったのか ――それも政治の腐敗や劣化の一因になっているのでは――


プロはいなくなったのか

――それも政治の腐敗や劣化の一因になっているのでは――

 

「凄い八十代」のタダさんについて報告しましたが、やはり彼のカラオケ歌唱の素晴らしさについてもう少しスペースを割かなくてはなりません。彼のかつての職場や業界の仲間たちからは「オオトリのタダ」、つまり「タダさんの後では歌えない」と言われるほど上手い、とはユキコさんの言葉ですが、その通りでした。

 

             

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松山善三作詞『一本の鉛筆』の一節です。

 

そのタダさんが最初に歌ってくれたのは美空ひばりさんの『一本の鉛筆』でした。「広島に敬意を表して」とのことでしたが、実はこの歌、正確に歌うのが難しいことで有名です。美空ひばりさんの歌い方は深みがあって感動的なのですが、それを真似て素人が歌うと不正確さだけが際立ちます。タダさんの歌は正確かつ心を打つものでした。

 

レパートリーも広く、オオトリには『オー・ソレ・ミオ』をパバロッティ・バージョンで歌ってくれました。これもお見事の一言に尽きたのですが、もう一つ、どんなカラオケの会でも盛り上げられる良い歌を教えて貰いました。『大人の懐かしい歌』のパート1とパート2です。DAMの中に入っていますが、「DKオリジナルメドレー」で検索すると出てくるはずです。れぞれ10曲くらい、誰でも歌える懐かしい歌が、一番だけ入っています。

 

パート1は、『故郷』から始まって『荒城の月』、途中には『ゴンドラの歌』や『サンタルチア』もあり、マイクを順に回して行くだけで、あるいは全員で歌うことでその場が盛り上がります。

 

ここでハタと気付いたのが、人をカラオケに誘う側の「プロとしての要件」です。自分だけ気持良く歌っていれば済む話ではなく、その場にいる人全てが楽しく参加できるお膳立てをする責任も果さなくてはならないということです。

 

こんなことを考えたのは、その夜、感動したもう一つの歌が山口百恵さんの『さよならの向こう側』だったからです。本人が最後のコンサートで歌い終えて、マイクをステージのフロアに敷かれた白い布の上に置くまでの映像が使われていました。

 

彼女が活躍していた時代はアメリカに住んでいたために彼女の歌も映画もほとんど知らなかったのですが、ポピュラーな歌だけは、カラオケ等で聞いていました。でも最近のテレビ画面には出てきません。カラオケの映像ではありましたが、ステージで歌う姿を全部見たのは今回が初めてだったような気がします。阿木燿子・宇崎竜童コンビの作詞作曲による名曲の一つですが、とにかく泣かせる歌です。英語の部分の言葉「last song for you」の繰り返しと、最後の「Thank you for your ****」の五つのリフレインで歌い手自身、胸が詰まってしまっても不思議でもありません。

一般的風潮としても、プロの歌手が引退に当ってのコンサートや、紅白歌合戦であられもなく泣く姿も当り前になっています。そして「引退」した後で、復帰することも。

 

でも、山口百恵さんは、本当に「最後の」コンサートで、一筋の涙こそ流れはしましたが、最後までプロとして歌い切りました。しかも感動的に。これこそプロの歌手だとしか言いようがありませんでした。そして彼女は床にマイクを置いたきり、その後は歌手としてファンの前で直接歌うことは一切していません。それもプロとしての潔さです。

 

引退した1980年、彼女は21歳でした。男女差別用語がまだ平気で使われていた時代です。「小娘」という言葉を使うおっさんがいても良い年齢です。その彼女がプロとしての矜持を保ちプロとしての出処進退の見事さを示してくれました。そんな行動の取れた「公人」がその後何人いたのかを考えると、山口百恵さんの凄さを前に、「プロ」と自称していたり、マスコミがそう遇してきた人たちの多くは、「プロ」失格と言われても仕方ないように思えてきます。

 

比較するのも気が引けますが、特に、政治家の体たらくは、目を覆うものかあります。本物の政治家、プロの政治家はどこに行ったのでしょうか。山口百恵さんの爪の垢を煎じて飲んだくらいで、紛い物性が改善されるとは思えませんが、それでも、カラオケに行き、山口百恵さんが『さよならの向こう側』を歌い切る姿を何度か見ることから始めて欲しいと思います。

 

カラ出張の説明ができずに号泣した県議、不倫の挙句に印刷物の架空請求がばれて雲隠れした市議、聞くも憚れる言葉や言い回しでネチネチと部下を虐める国会議員、防衛省や自衛隊を私物化・政治利用した元防衛大臣、同・総理大臣等々、リストは増えるばかりですが、カラオケを通しての山口百恵さん詣でを「処方」します。こんな形でも利用者が増えることで、ちょっと影が差しているカラオケ産業に活気が戻るという余得も期待できるかもしれません。

 

でも一番見習って欲しいのは、政権というマイクをそっと床の上に置き、表舞台から静かに立ち去ることなのですが---。

 

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コメント

百恵さんは同学年です。
大学生の時、テレビは学食にしかなく、
引退画像も結婚式の画像も、
学食でみました。
彼女の潔さが
私どもの世代のスタート地点です。

日野皓正がコンサートで中学生に手を上げたことが報じられましたが、そもそもジャズという音楽はルールから外れること、掟を破ること、規則から逸脱することが前提であり、それこそが面白味であり醍醐味だと思います。ただ、聴く人を感動させるためには、逸脱する度胸と同時に、逸脱の限界を読んで、回帰する技能が重要です。

野田聖子総務相が異次元の金融緩和の出口を考えると「空恐ろしい」とアベノミクスを批判したということですが、安倍政権のレベルは、まさに中学生レベルということでしょうか。中学生なら許されるとは思いますが、これが日本の長期政権というのはあまりに情けないことです。

「緩和ケア薬剤師」様

コメント有り難う御座いました。

「学食」の響き、懐かしいです。そして、自分たちの世代を象徴し誇りに思える人物がいるって幸せなことだと思います。

「工場長」様

コメント有り難う御座いました。

メディアには日野皓正氏弁護の意見が多いようですが、子どもを指導するためでも、いやそうであればなおさら、暴力は正当化できないと思います。

安倍政権の酷さを上手い一言で表現出来ないのがもどかしい限りですが、早く舞台を去って欲しい気持をとにかく繰り返し言い続けましょう。

金正恩もトランプも安倍も、みんな仲間ですね。
http://blog.livedoor.jp/ai_tokunaga2014/

ついでに日本では安倍、小池、前原と従米保守の仲間が揃った。これからどんな茶番劇を見せられるのだろうか。

日野皓正についてはお笑いの太田光が「コミュニケーションするのにビンタしなきゃいけないんだったら、大した音楽家じゃない」「お笑いでお客を笑わせるのに、客をくすぐるようなもので、自分のやっていることの否定になる」と言っていましたが、教育者が手を上げたら失格ですね。
と言うものの、この一両日だけでも元総理や自民党総務会長の耳を疑うような失言が続いており政治の劣化は他の分野の比ではないようですね。

「仲間」様

コメント有り難う御座いました。

「従米保守の仲間が揃った」舞台での茶番劇を止めさせる機会が近く訪れるという予言もありますね。10月か11月に衆議院の解散、総選挙があれば、その機会を逃さないように、私たちが直接頑張らなくてはいけないのかもしれません。

「キム」様

コメント有り難う御座いました。

芸能界でも、しっかり発言している人がいるのは心強い限りです。

「法の支配」を無視して「力の支配」を信奉する人たちは、どうしても「言葉」に対しての姿勢が好い加減になるようです。逆かもしれませんが--。

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百恵さんは同学年です。
大学生の時、テレビは学食にしかなく、
引退画像も結婚式の画像も、
学食でみました。
彼女の潔さが
私どもの世代のスタート地点です。

日野皓正がコンサートで中学生に手を上げたことが報じられましたが、そもそもジャズという音楽はルールから外れること、掟を破ること、規則から逸脱することが前提であり、それこそが面白味であり醍醐味だと思います。ただ、聴く人を感動させるためには、逸脱する度胸と同時に、逸脱の限界を読んで、回帰する技能が重要です。

野田聖子総務相が異次元の金融緩和の出口を考えると「空恐ろしい」とアベノミクスを批判したということですが、安倍政権のレベルは、まさに中学生レベルということでしょうか。中学生なら許されるとは思いますが、これが日本の長期政権というのはあまりに情けないことです。

「緩和ケア薬剤師」様

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「学食」の響き、懐かしいです。そして、自分たちの世代を象徴し誇りに思える人物がいるって幸せなことだと思います。

「工場長」様

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メディアには日野皓正氏弁護の意見が多いようですが、子どもを指導するためでも、いやそうであればなおさら、暴力は正当化できないと思います。

安倍政権の酷さを上手い一言で表現出来ないのがもどかしい限りですが、早く舞台を去って欲しい気持をとにかく繰り返し言い続けましょう。

金正恩もトランプも安倍も、みんな仲間ですね。
http://blog.livedoor.jp/ai_tokunaga2014/

ついでに日本では安倍、小池、前原と従米保守の仲間が揃った。これからどんな茶番劇を見せられるのだろうか。

日野皓正についてはお笑いの太田光が「コミュニケーションするのにビンタしなきゃいけないんだったら、大した音楽家じゃない」「お笑いでお客を笑わせるのに、客をくすぐるようなもので、自分のやっていることの否定になる」と言っていましたが、教育者が手を上げたら失格ですね。
と言うものの、この一両日だけでも元総理や自民党総務会長の耳を疑うような失言が続いており政治の劣化は他の分野の比ではないようですね。

「仲間」様

コメント有り難う御座いました。

「従米保守の仲間が揃った」舞台での茶番劇を止めさせる機会が近く訪れるという予言もありますね。10月か11月に衆議院の解散、総選挙があれば、その機会を逃さないように、私たちが直接頑張らなくてはいけないのかもしれません。

「キム」様

コメント有り難う御座いました。

芸能界でも、しっかり発言している人がいるのは心強い限りです。

「法の支配」を無視して「力の支配」を信奉する人たちは、どうしても「言葉」に対しての姿勢が好い加減になるようです。逆かもしれませんが--。

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