核実験は絶対に許せない―抗議の座込み
核実験は絶対に許せない―抗議の座込み
核兵器廃絶広島平和連絡会議(連合広島、広島県原水禁など12団体)は、昨日午後0時15分から平和公園慰霊碑前で、一昨日の朝鮮民主主義人民共和国(以下「北朝鮮」という)の核実験強行に抗議する座込みを行いました。緊急の呼びかけにもかかわらず、被爆者、被爆二世、労組員、市民など88人が参加しました。
最初に連合広島久光会長が「北朝鮮の暴挙は、絶対に許せない。どの国のどんな理由であれ、私たちは核実験を絶対認めることはできない。被爆地ヒロシマのその強い意志をこれからの座込みできちんと示しましょう」と強い憤りと決してあきらめない決意のあいさつでスタート。約25分の無言の抗議の座込みが続きました。今回は特に、座込みの最後に広島県被団協の箕牧智之副理事長が被爆者としてアピール。北朝鮮の核実験に強い抗議の意思を表明するとともに、自身が参加したニューヨーク・国連本部での「核兵器禁止条約交渉会議」に触れながら「核兵器禁止条約では、核兵器を持つことも、持ち込むことも、そして使用は勿論核実験も、そして威嚇も禁止されています。それを無視した北朝鮮の核実験に対し、被爆者は強い憤りを感じている」とあいさつ。その後参加者全員で、原爆犠牲者に対し黙とうをささげ核実験抗議の座り込みを終えました。
アピールする箕牧智之広島県被団協副理事長
北朝鮮による核実験強行は、繰り返すまでもなく「絶対に認めることはできない」暴挙です。特に、国連での「核兵器禁止条約」が採択され、9月20日には核兵器禁止条約署名式が行われ、「核兵器禁止条約」制定に向けて世界が動こうとしている時だけに、なおさら厳しく批判し、抗議するのは当然のことです。しかし、同時に考えなければならないことは、日本政府の核政策です。今回の核実験に対しても相変わらず「圧力」を強調していますが、それだけでこの問題を解決できるでしょうか。自らはアメリカの「核の傘」に依存し、核抑止力政策をとり続け、「核兵器禁止条約」交渉には参加せず、条約にも反対の姿勢を表明しています。これでは、北朝鮮の核問題を解決させる道を遠ざけるだけだといわざるを得ません。
繰り返すようですが、北朝鮮の核実験と核開発は、絶対に認めることのできない暴挙です。そして核兵器は、最大の力による暴力です。しかし、力によってのみそれを克服することはできません。私たちが核実験の度に抗議の座込みを続けてきたのは、核という力に対抗するには、非暴力の運動によるしか道がないことを確信しているからです。
日本政府は「核兵器禁止条約」に賛成し、非核兵器保有国との連携を強化することこそが、真に説得力を持って北朝鮮の核実験、核開発を思いとどまらせる道につながること真剣に考えるべきです。
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