「線量計が鳴る」 ――中村敦夫さんの朗読劇が新たなうねりを創り出しています――
「線量計が鳴る」
――中村敦夫さんの朗読劇が新たなうねりを創り出しています――
中村敦夫さんについては皆さんの方が詳しく御存じだと思います。何しろ私は、一世を風靡した『木枯し紋次郎』の頃にはアメリカで生活していましたので、リアルタイムで番組を見たことがありません。また有名なセリフ「あっしにゃぁ関わりのねぇこって…」を聞いたこともないのです。でも、今日改めて「凄い人」であることを再確認できました。
親しみを込めて「敦夫さん」と呼ばせて頂きますが、最初にお会いしたのは政治家として筋の通った活動をされていた頃でした。小選挙区制の導入に反対し、彼が会長を務めていた「公共事業チェック議員の会」でも行動を共にしました。その頃から風格のあるリーダとして、また頼りになる兄貴分として私たちは敦夫さんの後を付いて行っていました。
その敦夫さんが「ライフワーク」として自ら書き下ろした朗読劇「線量計が鳴る」の全国公演を通して、またまた大ブレーク中です。
福山に続けて広島では別院での公演がありました。会場には200人ほどの熱心なファンが詰め掛けました。
朗読劇の内容紹介は、簡潔で分り易い「中村敦夫公式ページ」からお借りしてきました。
形式
一幕四場の出演者一人による朗読劇。
元・原発技師だった老人の独白が展開されます。
二場と三場の間に十五分間の休憩。
それを入れて、計二時間弱の公演です。
背景にスクリーンがあり、劇中の重要なワードなどが、
映写されます。他の舞台装置は不要。
物語
一場
原発の町で生れ育ち、原発で働き、そして原発事故で
すべてを失った主人公のパーソナル・ヒストリー(個人史)
二場
原発が作られ、日本に入ってきた事情。
原発の仕組み。福島事故の実態。
三場
主人公のチエルノブイリ視察体験。
被曝による医学上の諸問題と現実。
放射線医学界の謎。
四場
原発を動かしている本当の理由。
利権に群がる原子力ムラの相関図。
私たち200人ほどを釘付けにした2時間を報告できるだけの筆力がありませんので、とにかく機会を作って公演を御覧下さい、とお勧めします。スケジュールは、公式ホームページに掲載されています。
でも、ほんのチョッピリでも雰囲気をお伝えしたいので、最後の方の言葉を御紹介しましょう。
原発を推進する考え方は「オウム原発真理教」と捉えると分り易い。その表の教義は「核燃料サイクル」。永遠にタダでエネルギーを作り続けることができるというマジックの信奉だ。そして裏の教義は「ボッタクリ」、それを操っているのは「原子力ムラ」「原発マフィア」あるいは「六角マフィア」だ。
人間味あふれる2時間でもあったのですが、それは劇中、福島県須賀川市の有機農業者の死に言及されていることが象徴的に示しています。この方は、3月に開かれたひろしま・ふくしまを結ぶワンコインシンポジウムのゲスト、樽川和也さんがお話し下さった御父上のことだろうと思いましたが、改めて、日本という国家の権力がこのように理不尽な結果を数えきれないほど生んでいることに怒りを覚えました。
私の隣で熱心にメモを取っていた女性は、一言一言に頷き、「そうそう」と相槌を打ち、「そうだったんだ」と発見の喜びを表していました。
敦夫さんは最後に短い挨拶をしてくれましたが、今年中に24回の公演があり、新聞記者に何回続けるのか聞かれて「100回」と答えたと決意を述べてくれました。舞台から去る敦夫さんに一声、「ありがとう」と客席の男性から力強い感謝の言葉が発せられましたが、それは会場にいた全員の気持でもありました。
熊本県合志市議会議員 神田公司さん撮影 (次の写真も)
楽屋に御挨拶に伺いましたが、3年掛けて書き下ろした脚本が上手く動き出したのは、東北弁で喋ることに決めた時であることや、現在の日本の政治について憂慮していること、何とかしたいという思いを若い世代の人たちと共有することで、新たな道が開けるのではないか等、私たちの世代を代表してまだまだ活躍して頂けそうな感触を得て、今後の新展開にさらなる期待をしつつ辞去しました。
[お願い]
文章の下にある《広島ブログ》というバナーを一日一度クリックして下さい。
« フォトジャーナリスト・豊崎博光さん (2) ――拓殖大学での講義「科学・技術と社会」です―― | トップページ | 「コストコ」の不思議 ――長い間の疑問が氷解。そして駐車は前入れ後ろ出しに!―― »
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 戦没者慰霊碑の清掃(2022.08.02)
- ブログを再開しました(2022.08.01)
- 岩国市で、井原前市長とともに(2022.07.07)
- 帽子は福岡です(2022.06.27)
- 移動日の「相棒」も赤と青(2022.06.25)
「平和」カテゴリの記事
- 『日本の選択』(森嶋通夫氏の無条件降伏論)を読んでいます(2022.08.07)
- 8月6日に総理 (市長) がなすべきだったこと(2022.08.06)
- 勉強してから出席すべきだったNPT再検討会議(2022.08.03)
- ブログの再開は8月1日を予定しています(2022.07.19)
- 『核兵器は使えなくなった』 アウトライン (2022.07.14)
「福祉」カテゴリの記事
- 「雨にも負けず」(2022.06.12)
- チラシ完成(2022.06.10)
- 署名運動さえ難しい時代になったようです ――相手によっては、善意が悪用されるかもしれません―― (2022.03.05)
- 殻付きのマカデミア・ナッツ ――食べ切るのに長くかかります―― (2022.02.22)
- 明るい社会づくり運動 ――提唱50周年記念大会―― (2019.04.28)
「歴史」カテゴリの記事
- 『核兵器は使えなくなった』 アウトライン (2022.07.14)
- 広島市出身の総理大臣ナンバー・ワン(2022.07.04)
- 「雨にも負けず」(2022.06.12)
- 新宿西口地下広場での演説(2022.06.09)
- これまでの選挙で学んだこと ――御支援を頂くために生かします―― (2022.06.03)
「環境」カテゴリの記事
- 「雨にも負けず」(2022.06.12)
- チラシ完成(2022.06.10)
- 国会議員時代の活動 ――懐かしく思い起こしています―― (2022.05.25)
- 我が家に咲いている花 ――コスモス、向日葵、トウモロコシ―― (2019.07.01)
- 10cm以上のムカデは当り前 ――田舎暮らしは虫との戦いです―― (2019.06.29)
「生活」カテゴリの記事
- 三代目の庭園灯です(2022.08.08)
- 防衛省を防災省に(2022.07.05)
- 社民党の主張は、財務省・厚労省のデータに裏付けられています(2022.06.30)
- ポパイの好きな ほうれん草(2022.06.14)
- 非暴力社会を目指す(2022.06.13)
「日本政府」カテゴリの記事
- 8月6日に総理 (市長) がなすべきだったこと(2022.08.06)
- 勉強してから出席すべきだったNPT再検討会議(2022.08.03)
- 『核兵器は使えなくなった』 アウトライン (2022.07.14)
- 防衛省を防災省に(2022.07.05)
- 広島市出身の総理大臣ナンバー・ワン(2022.07.04)
「高齢者」カテゴリの記事
- 戦没者慰霊碑の清掃(2022.08.02)
- ブログを再開しました(2022.08.01)
- 京都行き・食事編 ――湯豆腐と、友人たちとの宴と―― (2022.05.11)
- 恒例のバーベキュー ――成長した子どもたちと頑張っている高齢者たち―― (2022.05.07)
- 「尾木ママ」との対談の後編が出版されました ――Meishaミーティングの2回目もオンラインで開催―― (2022.04.25)
「健康」カテゴリの記事
- ブログは少し休みます(2022.07.15)
- ポパイの好きな ほうれん草(2022.06.14)
- ようやく春らしくなってきました ――ウォーキングのルートで見る花―― (2022.04.08)
- 「昔馴染みの病院長から旧友たちへ」 ――転倒しない、滑らない―― (2022.02.25)
- オミクロン株の特徴を踏まえた効果的な対策 ――分科会も真面目に仕事をして下さい―― (2022.02.07)
「脱原発」カテゴリの記事
- 外国特派員協会での記者会見 ――本質的な質問に答えることができました―― (2022.03.18)
- 東日本大震災から11年 ――ウクライナや東京も視野に入れつつ考える―― (2022.03.11)
- 被爆73周年原水爆禁止世界大会・長崎大会のまとめ ――核を巡る「現在」がコンパクトに分ります――(2018.08.11)
- 被爆73周年原水爆禁止世界大会・広島大会のまとめ ――今年も、とても勉強になる大会でした――(2018.08.09)
- 「大飯原発4号機の再稼働」抗議と福島原発ひろしま損害賠償請求訴訟(2018.05.10)
« フォトジャーナリスト・豊崎博光さん (2) ――拓殖大学での講義「科学・技術と社会」です―― | トップページ | 「コストコ」の不思議 ――長い間の疑問が氷解。そして駐車は前入れ後ろ出しに!―― »
コメント