「第18回 平和の鐘を鳴らそう in 長泉寺」に参加してきました ――コミュニティーで創る平和の温かさに包まれた一時でした――
「第18回 平和の鐘を鳴らそう in 長泉寺」に参加してきました
――コミュニティーで創る平和の温かさに包まれた一時でした――
岡山ユネスコ協会が主催し、2000年に第一回目が開催された「第18回 平和の鐘を鳴らそう in 長泉寺」に参加してきました。長泉寺は岡山市北区南方にあり、正式には真言宗御室派薬園山長泉寺です。長泉寺は寺院としての行事の他にも様々な文化活動や社会平和活動、国際交流等の活動に積極的に取り組んできたことで知られています。
8月のイベントですぐ気が付くのは、
◆8月6日(日)「平和の鐘 ~広島忌~」 8:15 広島原爆忌につき、犠牲者を追悼し核廃絶と平和を祈る鐘を突きます。
◆8月9日(水)「平和の鐘 ~長崎忌~」 11:02 長崎原爆忌につき、犠牲者を追悼し核廃絶と平和を祈る鐘を突きます。
◆8月15日(火)「檀信徒合同お盆総供養法要」(8:30〜10:00) そして
◆8月15日(火)「第18回平和の鐘を鳴らそう!」(11:45〜14:00) です。
「平和の鐘を鳴らそう」のプログラムは次の通りです。
11:45 開会案内
11:50 開会あいさつ
11:55 『わたしの平和宣言』朗読
12:00 平和の鐘を鳴らそう:平和への想いをこめて、一人ずつ鐘をつきます
〈小休憩・移動〉
12:30 「平和の話」 講師:秋葉忠利さん(元広島市長)
~ 被爆者の存命中に核廃絶を ~
混迷する世界を救うのは“The Better Angels of Our
Nature”
13:30 「祈りの音楽」 長泉寺合唱団 CORO NAGA(コーロナーガ)
14:00 閉会
「平和の鐘を鳴らす」イベントでは、鐘楼の脇に立った数人の僧侶が般若心経を唱える中、イベントの参加者が一人一人、鐘を鳴らして行きます。高齢者も多かったのですが、お母さんに抱かれて一緒に鐘の紐を引っ張る幼子も何人かいて、戦争犠牲者の追悼、さらには現在そして未来の平和のための祈りが、読経の声と鐘の音に乗って天に届くかのような雰囲気でした。
鐘を鳴らすためには、紐を垂直に引っ張る構造になっています
私の話は、核兵器禁止条約成立の歴史と意味に焦点を合わせました。原水禁世界大会での報告でも同趣旨の話をしていますので、内容についてはこちらを御覧下さい。
「平和を歌う」をテーマに2015年に結成された長泉寺合唱団「コーロナーガ」の皆さんの歌声もとても素敵でした。
何より有り難かったのは、岡山ユネスコ協会の幹部の皆さんそして長泉寺の宮本龍門住職にお会いし話のできたことでした。
特に龍門御住職には、私が到着してからすぐ、またイベントの後にもゆっくり時間を取って頂き、貴重な「法話」を聞かせて頂きました。話に引き込まれてしまい、メモは取れなかったのですが、何点か印象に残ったことを書き抜いておきます。長泉寺のホームページにも、同じような記述がありますので、お勧めしたいと思います。
l 仏教を突き詰めて行くと、人間社会のあらゆる側面との関わりが大切になる。だから政治的な事柄も避けては通れない。それ以上に、「政治的事柄だから避ける」という判断こそ政治的であって、仏教者の立場としては、それが政治的事柄でもプライベートな事柄でも、その他様々なことについても仏教的判断をして行くべきだと考えている。
l 特に「平和」は宗教とは切り離せない関係にある。宗教こそ、究極的には平和を創る力を持っている。
l お寺は地域の中に位置している。そして寺を取り巻く人々全ての関係は、上下関係ではなく、平等なものだ。そのコミュニティーの力で世界の平和にまで通じる平和が創られる。
l 世間を見るに付け、政治に関心のない人々の多さに愕然とする。その人たちに少しでも関心を持って貰うために、コミュニティーの拠点としての寺院の役割を大きくしたい。
長泉寺でお会いした方々は、龍門住職をはじめ、皆さん笑顔に満ち、謙虚な方ばかりでした。16世紀初めに開創されて以来の伝統なのかもしれませんが、平和活動を通じての心の平和や平穏を身に付けられたからだとも考えられます。そのせいだと思いますが、穏やかな気持ちで岡山を後にすることができました。
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コメント
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長泉寺の住職さんのいわれる
仏教→平和→政治→地域→お寺
というコンセプトとそれに基づいての活動は素晴らしいですね。
イライザさんはそうした活動のシンボル的存在になりましたね。
これからも頑張ってください。
投稿: シンボル | 2017年8月16日 (水) 10時21分
「シンボル」様
コメント有り難う御座いました。世の中を変えるためには、ベトナム戦争反対運動時のように、僧侶が自ら火を被ることさえ必要な場合もあることは理解できます。
でも、毎日の生活が基本になる地域の中の運動では、人を包み込む温かさや優しさが運動の幅と奥行きを創り出していることを、今回の長泉寺のイベントで実感できました。
投稿: イライザ | 2017年8月16日 (水) 20時48分