家族でロンドンに行ってきました。その1
家族でロンドンに行ってきました。
その1-障害者割引適用の体験
イギリスのウインブルドンの大学に行っている娘が7月に卒業なので、その前に卒業制作展を見に行く目的で6月20日から6月28日まで家族3人が広島からロンドンまでの長旅を行った。
滞在中の家族の希望は、①大学の卒展に行き、先生や学生に会うこと。②息子は大英博物館、ロンドン交通博物館、自然史博物館見学、2階建てロンドンバスに乗ること、④妻はバッキンガム宮殿の衛兵の交替式の見学とロンドンバスで市内巡り、③私は大英博物館見学とチャンスがあればミュージカル鑑賞、④娘はセブンシスターズを案内する、というものだった。
そのなかで印象的だった事柄を紹介したい。
ヴィクトリア&アルバート博物館のアジサイ。アーツ&クラフト運動でいられるウイリアム・モリスの手掛けた2つの部屋はカフェになっているが、その前の中庭の両サイドの壁周りはすべてアジサイで今が満開。花が斜めに盛り上がるように計算されて剪定されているようだ。イギリスの風景に日本のアジサイは溶け込んでいた。この博物館も無料。
ウインブルドンの住宅の庭のアジサイ。日本原産のアジサイは今日広くヨーロッパで鑑賞用として愛されていることがよくわかった。
ロンドンの交通博物館でのできごと。(ロンドンに行く前に息子がしっかりチェックしていたJTBパブリッシンク・イギリスより転載)。
館内の様子。馬車で引いていた昔からロンドンバスは2階建てでその変遷がよくわかった。
この博物館は有料で、18歳以下は無料、大人は16ポンドだった。他に優遇措置がある表示があったので入り口の受付で娘が、兄が知的障害者であることを申し出たところ、結果的に本人と付き添う父の私が1名半額で入場できることになった。
学生らしき受付の女性は落ち着いて対応し、分からないところがあるので担当の職員の指示を受けて、本人と付き添い者の名前を求められたのちチケットを発行してくれた。その際付このチケットに付き添いの私のサインを求められ署名したところ、次回来るときにこのチケットを提示すれば入場できることを説明された。受付のコンピューターにもその旨入力されたようだ。
日本ではこうした場合必ず息子の療育手帳の提示を求められるのだが、この博物館では私たちの申し出と息子の様子を確認しただけでこうした扱いを行って頂けた。担当者の表情、所作に何の動揺もなかったのにも感心した。
他にも電車や、地下鉄に乗った際にも息子の様子を瞬時に見て席を譲ろうとする人たちもいて乗り物も安心して利用できた。ベビーカーに子どもをのせた母親たちも、臆することなく堂々と利用し、周りがすぐに席を譲り、時には会話も弾む光景もほほえましかった。
日本の場合、たとえば平和公園の資料館にお見えになる外国人の方々にもこうした対応ができるかどうか考えさせられた。資料館の案内には障害者の場合、「手帳をお持ちの方」、65才以上の方の場合、「年齢を確認できる公的証明書の提示」となっているが。証明する物の提示を求められるのが常だ。また、有料対象も小学生までだが、18歳未満にならないかなど。
ウインブルドンに借りた部屋からみる住宅街は一方通行。道路の向こうがメインの道路。これらの住宅の様式はどれもほぼ一緒で、下から、半地下、1階、2階、3階、屋根裏部屋となっているものが多い。私たち家族が借りたのはこうした建物の3階のフロアで屋根裏部屋はなかった。
滞在中道路工事が始まり、終わるまで見ることができたが歩道の下30センチくらいにあるケーブル(有線か通信のどちらか)をつないで反対側の住宅まで配線をしているらしかった。日本の地下に埋めるケーブルなどはどれも規制が強く1m以上の深さが殆どなのでコストは随分低くてすむと思った。
滞在中の食事。朝ごはん。焼いた卵の色が薄いのも面白い。キッチンもあるので毎日ウインブルドンの駅前の3軒のスーパーマーケットで買い物をして朝夕食事を作り、食べ、洗濯をし、掃除をして出かけ、外食はファーストフード店が便利でほとんどこういった店で済ませた。
2017年7月5日
社会福祉法人安芸の郷 理事長 遊川和良
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