八王子平和・原爆資料館(2) ――竹内良男さん・佐藤あずささんの案内で見学しました――
八王子平和・原爆資料館(2)
――竹内良男さん・佐藤あずささんの案内で見学しました――
八王子市役所から通り一本隔てたビルの二階にある八王子平和・原爆資料館は、東京圏内で原爆に焦点を合わせた資料館としては唯一の存在ではないかと思われます。しかも、1997年7月に開館して以来20年間、市民・ボランティアの皆さんの手によって維持・管理されてきました。資料館の入口です。
広さは約30平米ですが、中に入ると資料の多さに圧倒されます。案内を買って出てくれた竹内さん(左)と佐藤市議(右)です、
この資料館の歴史は、ホームページに載せられています。
1996年、八王子市内に住む原爆被爆者の会(八六九会)の会員から、原爆に関する文献・資料の寄贈を受けました。
そこで八六九会や地域で働く市民の手作りで資料館の開設の準備をすすめ、1997年7月にこの資料館を開設することができました。
広島・長崎の被爆者の手記や原爆に関する評論、写真集などのほかに、子ども向けの絵本や、各地の中学・高校などの修学旅行の実践記録集なども含めて、その数は、現在およそ2,000冊。
ほかに、原爆瓦や溶けた皿、また特筆すべき原爆の遺品として、被爆死した中学生の服があります。
さらにまた、広島在住の美術家から寄贈されたオブジェなども展示されています。
戦争の記憶が風化しつつある今日、ぜひ一度来館されて、あらためて、戦争と原爆の悲惨さ、平和の尊さを実感してください。
〒192-0051 東京都八王子市元本郷町3-17-5 電話 042(627)5271
この資料館の「訪問記」を書く積りでいたのですが、素晴らしい訪問記をブログにアップしている人がいました。竹内さんの案内で資料館と八王子市を巡った記録を、「しのさん」が「継承ブログ」というブログにアップしてくれています。「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」の運営するブログですが、詳細かつ正確で読み易い報告です。とにかく感心しました。是非お読み下さい。
実は、竹内さんは駒込で2016年から「トークセッション<ヒロシマ・2016連続講座>」を月に一回から三回、開いています。今年は<ヒロシマ・2017連続講座>に変っています。しのさんはその12回目に参加して竹内さんから八王子平和・原爆資料館の存在を聞き、取材に訪れたということのようです。こちらの記録も一読に値します。
竹内さんからは、駒込の講座は高齢者が多いのだけれど、高校生が一人来てくれたり、若い人の参加もあってとても嬉しいという言葉を聞いていました。
私の資料館についての感想も二つだけ付け加えておきたいと思います。一つは、2000点以上の資料のほとんどを運営委員の皆さんが手分けして確認し、きちんとした目録を作成されたことです。私の蔵書と重なるものも多くありましたので、書名を見るだけで内容は分りますが、これからこの資料館を利用する人たちは原爆についての関心はあっても、時代が変って、私たちには常識だったことについても知識はそれほどではない人が増えるはずです。その人たちが利用する上で、目録は必要です。でも手間が掛かります。
もう一つは、私たちの時代の常識が100パーセント次の世代の常識として引き継がれることはない、という点です。原爆観・平和観もそれにつれて変るでしょう。でも大切な根幹部分はぶれることなく伝える必要があります。そのためにも、「広島・長崎講座」のような形で学問化、定式化して未来に伝える努力が必要だと私は考えてきたのですが、八王子平和・原爆資料館でその思いが一層強くなりました。
最後に、竹内さんに負けず劣らず凄い人だと思ったのが、市会議員の佐藤あずささんです。経歴や政策、そして個人的な思いなどは、公式ブログをお読み頂きたいのですが、今の時代に社民党公認候補として保守的な八王子の市議会議員選挙に出るだけでも勇気のいることですし、トップ当選したことも凄いです。
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