熱い高齢者 ――明治維新の「志士」以上かもしれません――
――明治維新の「志士」以上かもしれません――
「憂国の士」として天木直人さんを紹介しましたが、今回は加藤繁秋さんです。1990年の衆議院選挙で、社会党の一年生議員だけでも60人以上当選したときの仲間です。
その後、香川県の社会党・社民党の県連合代表等、リーダーとして活躍し、12年前に引退してからは香川県丸亀市内の病院に勤務、医療・福祉等のスペシャリストとして活動しています。
お会いするのは20年振りなのですが、若々しさと情熱は全く変っていませんでした。天木さんと同じように、現在の日本の政治に危機感を持ち、何とか改善しなくてはならないと考え続けてきたこと、そして今、自分たちが次の世代に残せることは何なのかについて真剣に勉強し、仲間と議論をしながら「同志」の輪を広げていることを熱っぽく語ってくれました。
彼が中心になって月一度開いている勉強会のために、勉強し考え論文を書き、政治活動にも参加してきた、脱原発を目指し核兵器の廃絶や憲法を守るための運動を続け、そして市民一人一人の生活を最優先する政策を推進するために、様々なレベルでの議員選挙で頑張ってきた。自分たちが発信している内容は正しいと信じているしそれなりの手応えはあったけれど、国政というレベルになると結果が出なくなってしまっている。それを打開するためには、自分と同じような考えを持っている人たちと今までと同じように勉強・議論し活動するだけでなく、自分とは違った視点から物事を見られる人と話をすることが大切だと思って、いろいろな人に声を掛けている。その一環として、広島に来る機会があったので、昔から一風変っている君に声を掛けた、という趣旨の説明がありました。
確かに、市長あるいは知事や町村長という経験は貴重です。私の世界観が大きく変ったのも、一つの都市の最高責任者として、党派を離れて、自分の支持者であってもそうではなくてもできるだけ公平・平等に、市民・主権者としての立場を尊重するという立ち位置から仕事をした結果です。代議士という言葉が示しているように、議員の立場は基本的には自分を支持してくれる人たちの代弁をする事です。それも勿論重要な役割なのですが、意見の異なる人、職業や宗教、価値観の異なる人たちの住む都市を一人で代表する立場になるとそれとは違う発想が必要になります。
その点を都市と国家の違いという形で説明しましたが、ヒロシマという地域・歴史は、被爆者や被爆体験を重んじてきたために、自然な形で都市や市民と国家との違いを体現してきています。広島の他にも多くの都市はこのことに気付き、その視点からの政策を実現してきています。その点がさらに広く全国的・世界的に共有されることで、良識によって政治が動くという理想に近付けるのではないかと感じた一時でした。
それにしても、このところ高齢者の熱さに圧倒されています。天木さんしかり、原水禁学校の参加者しかり、戦争をさせない1000人委員会メンバーによる厳寒の中の街頭行動、そして今回は香川から加藤さんです。70歳を過ぎたら、いや60歳を過ぎたら「晴耕雨読」、「悠々自適」の生活を楽しむという道も一つの可能性なのだと思いますが、敢えて政治を変えよう、日本を変え世界を変えるようと、「老骨に鞭打つ」(済みません、敢えて自虐的な表現にしました)男たち、女たち、つまり高齢者たちに心からの声援を送ります。熱い高齢者は、明治維新時の「志士」以上に貴重な役割を果しているように思えるのですが、如何でしょうか。
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