トルーマン大統領の孫 ある三世の生き方
ある三世の生き方
最初に、今日のテーマとは関係ありませんが、夕方、月がとてもきれいだったので写真を撮りました。その結果を御覧下さい。
トルーマン大統領の孫、クリフトン・トルーマン・ダニエル氏ですが、私が最初にお会いしたのは2011年、アメリカのミズーリ州インディペンデンス市でした。一緒にラジオ番組に出ましたが、そこでの彼のやり取りは私の考えてきたことと重なる部分が多く、25歳も年下のアメリカ人がそれほどの境地に達していることに驚きましたし感動しました。その時の彼の発言を再現するのも一つの可能性なのですが、オバマ大統領の広島訪問後の8月6日付の記事として、ニュースウィーク誌の日本語版に載ったインタビュー記事をお読み頂く方が、彼の声が良く分ると思います。インタビューそのものは、オバマ大統領の広島訪問に先立って行われています。
そのインタビューをした小暮聡子さんは、ダニエル氏と対称的な立場からの視点を持っています。それは彼女の祖父が連合国捕虜収容所の所長だったこと、それ故に戦後は戦犯として罪を問われた人だったからです。
この記事の中心テーマは、孫として昔の祖父の行ったことを個人としてどう受け止めているのか、そしてオバマ大統領の来広時に多くの人が問題にした「謝罪」とどう向き合っているのかなのですが、それに対する二人の考え方は、かつて敵対した二つの国に今生きている私たちが双方の立場を、どちらが正しかったのかという判断を交えずに、いわば中立の立場に立って理解することの大切さです。そして、過去への責任ではなく、未来への責任を優先すべきだという結論に至っています。未来への責任の一つが核兵器の廃絶であることは言を俟ちません。
その延長線上にあると言うべきなのかもしれませんが、私が強調したいのは、過去を振り返り理解する際に、現在そして未来への教訓を同時に汲むことです。このブログでも私がこれまで何度も繰り返してきたことの一つは、世界が平和になってきていること、力の支配から法の支配への大きな流れがあることですが、その流れが途絶えないようにするためには歴史からの教訓を生かさなくてはなりません。しかし、大きな流れに棹差し、力の支配にしがみ付きそれを変えることはできないと主張し、歴史の歯車を逆に回している人たちもいます。彼らを説得し、世論の力で非暴力的で平和な社会して世界を実現するために、より大きな枠組みの中での教訓は何なのかを知らなくてはなりません。
そのために必要なのは、悲惨な結果を生んでしまった原因を、敵対関係という枠組みの中での善なのか悪なのかの判断を超えた次元で理解することなのではないかと思います。そこで力を発揮するのが被爆体験ですし、被爆者たちが生んだ哲学なのですが、二世や三世という立場とどうつながるのかについて、さらに考えて行きたいと思います。
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