二人の声楽家から学んだこと ――自分の身体全体を響かせること――
――自分の身体全体を響かせること――
岡野先生に御指導頂くに当って、最初に見せられたのは頭蓋骨の模型でした。声はただ単に声帯を使うだけで聞こえるようになるのではなく、喉から口に入り、頭蓋骨の中で反響して外に伝わるからです。そう説明されると納得が行きます。でも普段はこのようなモデルを頭に描いて歌を歌っている訳ではないので、「なるほど声楽の専門家は、このような認識で声を出しているのだ」と感心しました。
口の開け方も、このモデルを元に、図骸骨の天辺にまで声が届き、きれいに反響するように工夫するのですが、簡単に言ってしまえば、口を盾に開く、そして軟口蓋を自然に開く、ということだと受け取りました。このような発声と、私も癖になっていたようなカラオケ流の歌い方との違いを先生が実際に発生して聞かせてくれました。
声を潰してしまう歌い方ですぐ「この人の声と一緒だ」と思ったのはある演歌歌手でした。かなり有名な人で、それなりに歌も好きなのですが、聞き比べると、なるほどと思える違いがはっきりと聞き分けられました。
岡野泰子先生
このようなレッスンを受けて、後は自分で練習するのですが、ピアノが弾けないので、カラオケに行って、先ず発声に役立つ二三曲で喉の柔軟体操をしてから練習曲のお浚いをしてみました。折角ですので、「精密採点」機能を使って点数も調べたのですが、前日より2点良くなっていて吃驚しました。もっとも、点数はそれから下がったり上ったりですが、コツは分ってきたように思います。
実はわたくしの妹も声楽家で、長い間ドイツの劇場で専属オペラ歌手として活動しその後日本に戻って若い人たちを教えて来ています。教育者としての評価も高いのですが、兄妹の間だからでしょうか、これまで何度か親切にアドバイスをしてくれた言葉は右の耳から左の耳に通り抜けていたようです。岡野先生のレッスンで、ようやく妹の言葉が分りました。
秋葉京子とRさん
昨年末に、生徒さんの一人を指導している場を覗かして貰ったとき聞いていた言葉が蘇ってきました。「そうか、あのときの言葉は、こんな意味だったのか」ということがストンと胸に落ちてきたのです。こうして、声楽家として尊敬する二人からレッスンを受けることができたのですから、今年の夢の一つは叶った、と言えそうです。
その結果が、今日午後2時からの「岡野泰子門下生による声楽発表会」でのデュエット・デビューで上手く生かせるかどうかですが、目標は前回書いたように「私という、天から与えられた楽器」をきれいに響かせることです。
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