トランプ新大統領への手紙 --北東アジア非核兵器地帯・被爆者との対話――
--北東アジア非核兵器地帯・被爆者との対話――
昨日に続いて、トランプ氏への手紙の後半です。是非被爆者に会って欲しいことも最後に強調しました。
この手紙の中で提案している「北東アジア非核地帯」という考え方は、ピース・デポ、非核議員連盟、核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)、核兵器のない世界を目指す議員連盟(民進党非核議連)、民主党、長崎市、世界宗教者平和会議等、多くのNGOや平和活動家の皆さんが提唱し広めてきたものです。トランプ氏の目に触れて、この構想の価値が伝わることを祈っています。
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ここで述べたような、かなり単純な合意ができたとすると、次のような鳥瞰図が完成します。北東アジアに位置する6カ国の内、中央に位置する3カ国、つまり日本と南・北朝鮮ですが、は核兵器を持ちません。そして外側の3カ国、つまり、米国、ロシアそして中国は、中央に位置する3カ国に対しては核兵器を使わないと約束することになります。
ここで強調したいのは、このシナリオはこれまで貴殿が述べてきたこととは矛盾しないという事実です。また、最近の米国大統領の中でこのような新機軸を実現できるほどの勇気を持っているのは貴殿以外にはいないという点です。これが実現すれば、全世界が大きな感動に包まれる結果を貴殿が実現したことになります。もう少し具体的に述べれば、貴殿は「北東アジア非核地帯」を創造したことになり、この地域に米軍が常駐して警備に当る役割をなくし、貴殿の約束したように「世界の警察官」としての米国の役割を実質的に減少させた米国の最初の大統領になります。さらに、世界の他の地域においても、同様の偉大な成果が貴殿の大統領在任中に引き続き挙げられることを願っています。
最後に、是非広島あるいは長崎を訪問して下さるよう招請します。人を引き付ける魅力をお持ちの貴殿が、両都市のどちらでもお会いになるであろう被爆者と心の通う関係を築かれるであろうことを確信しています。しかし貴殿の時間は限られています。それに対する答として、米国に在住している被爆者とお会い頂きたいと思います。彼らの多くは、アメリカ生まれの日系アメリカ市民です。原爆投下時、彼らの多くはたまたま広島や長崎の学校に通っていたことから被爆者になりました。オバマ大統領は広島でのスピーチで彼らの存在には触れませんでしたが、彼らの被爆体験は一聴の価値があります。彼らは英語で、壮絶な体験と、そこから生まれた未来に希望をもたらすメッセージを語ることができる人たちです。貴殿がイニシャティブを取って、是非彼らとお会いになることを強く勧めたいと思います。彼らとの邂逅は、戦争そして人類の生存についての、貴殿の考え方を変えるほどのインパクトがあることを確信しているからです。
敬具
前広島市長
秋葉忠利
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この手紙については、毎日新聞が大変、積極的に取り上げてくれました。18日付の東京版夕刊で大きく取り上げてくれました。ウェッブ版もありますので、再度、URLをリストしておきます。
18日夕刊のウェッブ版です。
http://mainichi.jp/articles/20170118/dde/012/040/023000c
また、広島版では、19日の朝刊に掲載してくれました。
英語で発信しているThe
Mainichi(電子版)もあります。
The Mainichiの記事は次の通りです。
Ex-Hiroshima Mayor Akiba hopes for assurance of no nuke use in a letter to
Trump
http://mainichi.jp/english/articles/20170118/p2a/00m/0na/011000c
手紙全文もアップされています。
Full text of ex-Hiroshima Mayor Akiba's letter to Trump
http://mainichi.jp/english/articles/20170118/p2a/00m/0na/010000c
核兵器のない平和な世界を創るため、トランプ新政権に積極的に働き掛けようという試みを取り上げて下さった毎日新聞にに心から感謝しています。
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