海外派兵は滅亡への道
日本の歴史を振り返って、500年前の「国と国」が戦争をするのが当り前であった時代から、「県と県」の戦争など考えられない今という時代になったことは、日本が平和になってきたことを示す大切な事実です。
歴史を振り返るのは、そこから得られる「教訓」を未来のために有効活用する目的があるからですが、日本が平和になってきている歴史的事実からはどんな教訓が得られるのでしょうか。あるいはどんな教訓が元になってこのような傾向が生まれたのでしょうか。
この問に答えるために、現在の日本で、これまでの歴史的事実を否定して、戦国時代のように「国と国」、今なら「県と県」(都、府、道も特別の場合として含めます)が戦争できるように憲法や政治制度を変えようとしている人がいるかどうか、を考えて見て下さい。皆さんの周囲にそんな人はいないはずです。歴史を逆戻りさせようとしている、あるいは周回遅れのコースを走っていることに気付かない安倍政権でも、そんな提案はしていません。(とまで書いて、「今のところは」と断った方が良いかも知れないと考えざるを得ない理由がいくつも挙がるのは、情けない限りです)
日本人、そして日本という国家は、国内での平和は戦争に勝る、という教訓を得てそれを実現してきたのです。平和であることの一例は、犯罪率が国際的にも低いことです。殺人のためにしか役立たない拳銃の携帯も許されていません。刀剣の所持も厳しく規制されています。それ以上に、私たちが平穏に日常生活を送れることですし、夜でも街を安心して歩けるほど治安の良いことです。国連本部にある「ねじれた銃」を自ら作った国とも言えるのではないでしょうか。
憲法の三大原理として「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」が挙げられますが、「平和主義」の基礎は、このような国内での平和に依拠していることが重要です。
その国内での平和を国際関係でも実現して行こうという方針を「平和主義」と呼んでも良いと思いますが、それは、日本社会が世界の範たるシステムを国内的には実現しているからこそ可能なのです。「歴史を振り返る」というところまで戻ってまとめると、日本の歴史から得た教訓を「戦争の拒否と平和の実現」として掲げそれを積極的に世界に広げる方針を「平和主義」と呼んで良いでしょう。安倍政権がこの歴史の教訓を理解できないことが何よりも残念です。一例を挙げれば、「武器輸出三原則」を放棄して死の商人になり下がり、その上、アメリカ提案の「政府側にも反政府側にも武器を売らない」という安保理決議案に日本は棄権し「周回遅れ」の姿を世界に晒しています。
その最大の理由は、日本政府、特に安倍政権になってから顕著なのですが、「海外派兵は滅亡への道」という歴史の教訓を無視し続けているからだと言えそうです。
これまで日本が関わった外国との戦争を振り返ると、「海外派兵は滅亡への道」が日本にとって 、そして他の国にとっても、大切な教訓であることが分ります。
まずは元寇を見てみましょう。白村江まで遡りませんが、ポイントは十分伝わるはずです。
1274年(文永の役)と1281年(弘安の役)、元と高麗の連合軍が日本侵攻を企てて当時最大級の艦船を率いて北九州を襲いましたが、二度とも日本側の勝ちとなり、元・高麗連合軍は大きな損害を受けて逃げ帰った、というのが超短い歴史です。文永・弘安のどちらでも「神風」が吹いたため、兵力では圧倒的に有利だった元・高麗連合軍が敗北したという伝説まで作られましたが、台風が戦況を決めたのは弘安の役だけだったようです。
さて、元寇からどのような教訓が得られたのかを考えると、大敗を喫した元そして高麗がその後衰退することになった主たる原因の一つがこのような戦争を仕掛けたことでした。元はその後も日本侵攻を試みようとしますが、敗戦という手痛い経験と国全体が戦争の結果疲弊したことを理由に、それ以後の侵攻はなく、地理的にはその後王朝が変わっても中国、そして朝鮮半島から日本に対して戦争を仕掛けてこなかったことは、元寇からの教訓を汲んだからだとも考えられます。それ以後も日本に対する侵略はありませんでした。両国は「海外派兵は滅亡への道」という教訓を得たと言っても良いのではないでしょうか。
次の歴史からの事例は、豊臣秀吉による朝鮮出兵 (文禄の役・慶長の役)
です。
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コメント
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コメント
日本の平和は、難民や移民を認めない事で成り立っている部分もえるのではと思います。
トランプ氏の違法移民を認めないことは、国内平和を望む事でもあると思います。
それと日本は、日本で生まれ育っても強制退去する国なのに、トランプ氏を責める前に考えることは大きいと思います。
ハワイでの安倍首相の話で、日本の爆撃で亡くなっ米兵について語ってましたが、この過去の悲しい話は明日の自衛隊員だとは思わないのでしょうか。
全ての戦争は、他国への侵略侵攻が始まりですね。駆けつけ警護もその国には侵攻ですね。
あの透明な盾で、何が守れるのか?国民を馬鹿にしてますね。
「やんじ」様
コメント有り難う御座いました。侵略戦争を侵略だと公言して戦争をすることは、最近ではあり得なくなっています。他国からの侵略に対して自国を守るという原則を口だけにしろ前に出すのが、「建前」になっています。
しかし、他国への派兵が出来なければ、この建前と本音の違いはなくなります。それを為政者に知らしめるために、海外派兵をすれば、あなたが自滅しますよ、というメッセージは効果があるのではと思っています。
日本の平和は、難民や移民を認めない事で成り立っている部分もえるのではと思います。
トランプ氏の違法移民を認めないことは、国内平和を望む事でもあると思います。
それと日本は、日本で生まれ育っても強制退去する国なのに、トランプ氏を責める前に考えることは大きいと思います。
ハワイでの安倍首相の話で、日本の爆撃で亡くなっ米兵について語ってましたが、この過去の悲しい話は明日の自衛隊員だとは思わないのでしょうか。
全ての戦争は、他国への侵略侵攻が始まりですね。駆けつけ警護もその国には侵攻ですね。
あの透明な盾で、何が守れるのか?国民を馬鹿にしてますね。
投稿: やんじ | 2016年12月30日 (金) 13時04分
「やんじ」様
コメント有り難う御座いました。侵略戦争を侵略だと公言して戦争をすることは、最近ではあり得なくなっています。他国からの侵略に対して自国を守るという原則を口だけにしろ前に出すのが、「建前」になっています。
しかし、他国への派兵が出来なければ、この建前と本音の違いはなくなります。それを為政者に知らしめるために、海外派兵をすれば、あなたが自滅しますよ、というメッセージは効果があるのではと思っています。
投稿: イライザ | 2016年12月31日 (土) 23時44分