ひろしまでのドイツクリスマスマーケットとシュトーレン
ひろしまでのドイツクリスマスマーケットとシュトーレン
ドイツクリスマスマーケットは大阪、東京などあちこちで開かれているが、広島では行われていなかった。そこで広島に在住のドイツの人たちと彼らとつながりのある団体や個人の方々の熱意で昨年からこのイベントがスタートした。今年は12月16日(金)から18日(日)まで開催される。場所は中区上八丁堀の「アーバンビューグランドタワー」の東側公開空地。
このイベントに安芸の郷が出店している。きっかけは4年前から日独平和フォーラム(ドイツの派遣団体は2007年よりボランティア活動の専門性を備えたドイツの国際青少年社会奉仕会(IJGD))が協力をしてドイツの若者のボランティア奉仕を安芸の郷が受け入れているので、ドイツクリスマス実行委員会にかかわる方たちからの出店のお誘いをうけたことから始まった。出店団体では唯一の障害者のお店になる。
開催目的は「食や文化をはじめとするドイツクリスマス文化を提供するドイツスタイルのクリスマスマーケットの開催を通して両国のさらなる文化交流の発展と地域の賑わいを創出し、平和都市HIROSHIMAにふさわしい新しい冬の風物詩の創造をめざす」とある。ドイツ文化紹介パネル展示、クリッペ展示、ツリー、コンサート、広島市姉妹都市ハノーバーの紹介パネル、シュトーレンやクリスマス雑貨、ホットワインなどの飲食コーナーなどがある。
安芸の郷の屋外での出店はいつもテントを張るのだが、このイベントでは木製の小屋(ヒュッテという)を実行委員会が設置して売り子はその中に入って販売を行う。実行委員会の図面によると、ヒュッテは高さが3mもある。間口が2.7m、奥行きが1.8mある、窓の開閉ができ、外に棚もある。終わると窓を閉めて横のドアから出入りする構造になっている。そして現地で組み立て、解体ができる。市内在住のドイツの人たちの手作りだそうだ。本場のドイツでは1か月以上開催されるので開け閉めが簡単で施錠の出来るヒュッテに進化したのだろうか。木工が好きなのでなかなか興味深い。
2015年の安芸の郷のヒュッテ。看板は法人の建物の名前の森の工房AMAとしている。職員と一緒に販売で中に入っているのは安芸の郷でボランティアをしているマークスさんと同じくほかの事業所でボランティアをしている女性。2人とも今はドイツに帰国している。
ヒュッテの外にも少しなら商品を並べられるので絵ぞうきんや髪留めなどを飾る。昨年は髪留めが開店早々大人気であっという間になくなりあわてて安芸の郷から商品を追加することもあった。
今年は安芸の郷も17日の一日だけ出店する。昼の12時から夜の8時半まで営業している。今年のドイツのボランティアのアドリアンさんもお手伝いをする。広島にきているほかのボランティアの人たちとも合流してこのイベントにいろいろかかわるようだ。
写真は森の工房あやめ製のシュトーレンのアップ。粉糖がたっぷりとかけられている。
このイベントに参加する後押しをしたものに安芸の郷の事業所「森の工房あやめ」が製造している天然酵母で発酵させたシュトーレンがある。毎年年末に利用者家族や地域の諸団体を対象に利用者とともに作っている各種製品予約注文販売を行っている。その中の一つとして開発したのがドイツで伝統的にクリスマスの時期に食べられる菓子「シュトーレン」だった。日持ちがするので注文販売に十分応じられることから製品化にこぎつけ、毎年冬の安芸の郷の代表的お菓子になっている。だから違和感なくマーケットに森の工房あやめ製のシュトーレンを出せた。値段も市販よりちょっと安いし。
写真は12月9日(金)の午後シュトーレンの生地づくり。いろいろな工程を経たのちこの段階で容器に入れてホイロという発酵器に入れる。
この菓子の生地づくりは発酵に3日間、約80時間をかけたのちに、12日の月曜日に取り出して、成型して焼きに入る。温度調整が機器の性能向上で容易になったが、計算し実行して適度な状態を探るのは人間の勘に頼るしかない。事業所の休所日の前日から発酵させ、月曜日に取り出して成型、焼き、包装、販売となる。いいものを提供したい一心。
クリスマスマーケットではシュトーレンの他に天然酵母のパンをはじめブルーベリージャムやソース、クッキー、冷凍ブルーベリーの1キロパック(東広島市豊栄町産)、昨年好評を頂いた髪留めなどを展示してマーケット盛り上げに協力する。
12月9日夜、安芸の郷の建物の森の工房AMAでクリスマスコンサートが行われた。その折建物の塔屋の窓に飾った利用者手作りの紙製ステンドグラス。
2016年12月13日
社会福祉法人安芸の郷 理事長 遊川和良
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