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2016年12月 9日 (金)

「現職として初」そして「オバマとともに」を「売り」にした安倍劇場    マスコミも加担して「平和」 = 「日米同盟」 = 「戦争」 を広めている?


「現職として初」そして「オバマとともに」を「売り」にした安倍劇場

マスコミも加担して「平和」 = 「日米同盟」 = 「戦争」 を広めている?

 

今日は128日、19414年の日本時間のこの日早く、アメリカ時間では127日に真珠湾攻撃が行われました。その真珠湾を安倍総理が訪問するという記事が、126日の朝刊各紙に乗りました。まずこの紙面を見て下さい。朝日新聞の2016126日の紙面です。

            

20161208_12_07_53

                 

 見出しのトップは、「安倍首相 真珠湾へ」そして、下の二つの柱がそれを修飾する形で並んでいます。一つは「オバマ氏と犠牲者慰霊」そしてもう一つが「2627日 現職として初めて」です。この見出しの意味を私は、「真珠湾訪問をする総理大臣は安倍氏が初めて」と読みました。「オバマ氏と犠牲者慰霊をするのは、現職として初めてだ」という風に取る人はまずいないと思いますが、皆さんは紙面を見てどう思われたでしょうか。

 

さらに、吉田茂首相は当時の大統領と一緒にではありませんが、戦没者が埋葬されているパンチ・ボウル(国立の戦没者墓地)を訪問していますし、安倍首相は、広島でオバマ氏とともに犠牲者の慰霊をしていますので、こちらの解釈も成り立ちません。その上、読売新聞は吉田茂総理大臣が1951年に真珠湾を訪問していることにも言及しているようですので、誤解を生みそうな点についてはそのくらいの配慮が必要でしょう。各紙の報道の内容と比較についてはWeb NewsBuzzFeed」が詳しく報道していますので、そちらを御覧下さい。

 

マスコミ各紙は、誤報ではないと強弁するでしょうが、それはそれで議論することにして、今回の報道ではっきりしてきたことは、オバマ大統領の広島訪問の際に安倍政権が目論んだ「安倍劇場」を今回こそ成功させようと、「二番煎じ」であるにもかかわらず再度仕掛けているとしか見えないことです。マスコミの認識も大甘で、それに加担しているようにも見えるのですがいかがでしょうか。それを確認するために、125日の安倍総理の発言全文を注意深く読んでみましょう。

 

「今月の26日、27日、ハワイを訪問し、オバマ大統領と首脳会談を行います。

 この4年間オバマ大統領とは、あらゆる面で日米関係を発展させ、そして、アジア太平洋地域、世界の平和と繁栄のために共に汗を流してきました。先のオバマ大統領の広島訪問に際して、核なき世界に向けた大統領のメッセージは、今も多くの日本人の胸に刻まれています。

 ハワイでの会談は、この4年間を総括をし、そして未来に向けて更なる同盟の強化の意義を世界に発信する機会にしたいと思います。これまでの集大成となる最後の首脳会談となります。

 そして、この際、オバマ大統領と共に真珠湾を訪問します。犠牲者の慰霊のための訪問です。

 二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない、その未来に向けた決意を示したい、こう思います。

 同時に、正に日米の和解、この和解の価値を発信する機会にもしたいと考えています。今や日米同盟は世界の中の日米同盟として、日米共に力を合わせて、世界の様々な課題に取り組む『希望の同盟』となりました。その価値は、意義は、過去も現在も未来も変わらない、このことを確認する意義ある会談となると思います。」

「昨年、戦後70年を迎え、米国議会において演説を行い、私の70年を迎えての思い、考えについて発信したところであります。その中において、真珠湾を訪問することの意義、象徴性、和解の重要性について発信したいと、ずっと考えてきました。同時に、オバマ大統領との4年間を振り返る首脳会談を行うことができればと考えてきたところでありますが、先般のリマにおける短い会談において、12月に会談を行おう、そして、その際に、2人で真珠湾を訪問しようということを確認し、合意をしたところであります。」

 

オバマ大統領の人気あるいは権威を利用して自分の箔付けをする、「自分」あるいは「オバマ大統領」あるいは「二人一緒に」が初めだと強調したり印象付けたりして、それにさらなる重みを付け、その舞台装置の上で「平和」という呪文を操って「日米同盟」こそ平和の象徴、つまり一緒に戦争することが平和だというメッセージを、サブリミナルなメッセージとして植え付ける、という安倍劇場のシナリオが丸見えです。

 

オバマ大統領の広島訪問前に発した警告を、当時使っていたパワーポイントのスライドで御覧頂ければ幸いです。解説を付けた方が良いかも知れませんが、時間の都合で明日以降にしたいと思います。

 

Photo

 

Photo_2

 

K

 

 K流」の「K」とは、4月の外相会合で、「和解」という言葉で「日米同盟」を称賛した岸田外相、ケリー国務長官の名前の頭文字を取りました。戦争を前提として戦争を賛美し戦争からは抜け出そうとはしないメンタリティーです。戦争が済むと「和解」だと言ってそれを口実に一緒に戦争をするようになり、また仲が悪くなればお互いが「敵国」になる循環しか考えることのできない枠組みです。戦争と切っても切り離せない文脈での一時休戦の時代を指す言葉です。

H

 

H流」で使っている「H」は、被爆者、そして広島の頭文字です。こちらは戦争を否定し、「憎しみ、暴力、報復」の連鎖を断って平和な世界を創る姿勢を示しています。

 

 

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