2016年「12・8平和を考える女たちのつどい」
2016年「12・8平和を考える女たちのつどい」
テーマ「女性差別を考える~身近なこれも、あれももしかして女性差別?❣」
1987年12月8日第1回「12・8平和を考える女たちのつどい」を開催し、今年は29回目の「つどい」をもちました。今回は、準備会を3回もち、運営の相談をしました。
オープニングはノーベル賞受賞のボブディランの「風に吹かれて」を聴き、担当者の伴奏で参加者全員が歌いました。なつかしいと感じる世代が多かったですが、若い世代もご存知でした。
オープニング担当者が邦訳に感動しましたので紹介します。
「風に吹かれて」
人はどれ位の道を歩めば 人として認められるのか
白い鳩はどれ位海を乗り越えれば 砂浜で休むことができるのか
どれ位の砲弾が飛び交えば 永久に禁止されるのか
友よ答えは風に吹かれて 風に吹かれている
山は海に流されるまで 何年存在できるのか
人々は何年経てば 自由の身になれるのか
見ないふりをしながら 人はどれくらい顔を背けるのか
友よ答えは風に吹かれて 風に吹かれている
人はどれ位見上げれば 空が見えるのか
人にはどれ位の耳があれば 人々の悲しみが聞こえるのか
どれ位の人が死んだら あまりにも多くの人がなくなったと気づくのか
友よ答えは風に吹かれて 風に吹かれている
歌詞は、1962年に雑誌「シング・アウト」にディランのコメントと共に掲載された。「この歌についちゃ、あまり言えることはないけど、ただ答えは風の中で吹かれているということだ。・・・略・・・世の中で一番の悪党は、間違っているものを見て、それが間違っていると頭でわかっていても、目を背けるやつだ。俺はまだ21歳だが、そういうおとなが大勢いすぎることがわかっちまった。あんたら21歳以上のおとなは、だいたい年長者だし、もっと頭がいいはずだろう。」(ウィデキベディアより)
司会者から、竹原における「12・8平和を考える女たちのつどい」の歴史と、八の日平和行動の説明後、「女性差別を考える~身近なこれも、あれももしかして女性差別?❣」をテーマに実行委員のRIEさんから、家庭や職場など身近な女性差別の経験をだしてもらいました。
母親との雑談の中で「女は男のドレイなんよ」と母が言った衝撃の言葉。職場の飲み会のオトコ職員のセクハラ行動や発言の対応((^▽^;)…品がないよなあ…男性来訪者の対応の時は「(女なのに)正規職員?」「(女だから)強く言えない」。または人一倍強く当たる。小学生から「結婚は?子どもは?結婚できんのかあ…何才なん? 」…年いったオンナは結婚してるのがあたりまえ???…学校では生徒会長に立候補すると男子とバッキング❣男性教師「副会長にいってくれんか」。漫画のヒトコマ「保育士は賃金が低いから結婚のために転職を考える男性」
2016年版「広島県の男女共同参画に関する年次報告」では、賃金は男性1時間当たり平均給与額を100円とした場合、女性 75円、パート女性 54,1円です。一日の家事時間(家事・介護・看護・買い物・育児)は女性 3時間54分、男性 45分(20数年前は17分)の現状です。
そして、今年の世界経済フォ―ラム報告書の男女格差(ジェンダーギャップ)では日本は144か国中111位(前年度101位)主要7か国で最下位。経済と政治の分野に厳しい評価がされています。
RIEさんが生まれたころ日本は「男女雇用機会均等法」を公布し、「女性差別撤廃条約」を批准しています。
女性差別撤廃条約第5条は「女だから~」はダメ❣「性別役割分担は差別❣」と規定しています。
ここでいえることは、RIEさんの「個人的なことは政治的である」ことです。司会者の運営で、「あなたのまわりではどうですか?」「その時どう言い(反論)しましたか」と性を理由にした差別を、4~5人のグループでワークショップをしました。
ワークショップ後、グループからひとつ選択をしてロールプレイ(役割演技)タイムです。
10数年前、残業をせずに帰ろうとすると専業主婦の妻を持つ同僚男性が「なぜ時間外(労働)をせんのか」と言ったので、「幼い子どものためにご飯をつくらんといけんから帰る」と答えると、「自分は時間外も申告せんと仕事のために勉強をしている」と怒鳴られたうえ、上司にチクられ、上司からは「もっと真剣に仕事をしろ」と注意をされた。同僚男性には今だったら言える「あなたこそ、妻に甘えているんじゃないですか?」
学校現場では「センセ!結婚相手の名前は?何才?どんなヒト?」と子どもが聞いてくる。「個人情報じゃけえ」と答えずに「そんなことはむやみやたらに聞いたり、言ってはダメよ」と知らせる。
短い時間でしたが、2人の男性参加者を交えての集会は、「くやしいことがいっぱいあったと思う学習や交流をしてはね返そう」とひとり一人が力をつけるためには何が必要かを考える場となりました。
最後に、参加者から元気をいただいたアンケートの一部を紹介します。
●みなさん、同じようなことを経験してるなあと実感。「男はこうあるべき」というのを捨てたら、自分が楽になった(男性参加者)という意見はとても参考になりました。
●自分ではセクハラだと思うことはないと思っていたけど、話しを聞いて「それもセクハラだったんだ❣」と気づくことができました。ひと言返していく勇気を持ちたいと思います。
●身近によくある事がらを見すごしている。見て見ぬふりをしている。いや学んでいないから問題があると気づいていない…しっかり見抜く力をつけなければいけないことがわかりやすく話していただけました。声をあげること、力を合わせること、組織をつくること、やっぱり(労働)組合がたいせつですね。
●男性なので加害者側になるのでしょうが、勉強になりました。女性の気持ちが少しわかりました。気づかないことが多いので反省しています。歴史のあるつどいのようですが、つどいがなければ課題の解決へは向かいません。継続するのもたいへんですがやり続けてほしいです。
●自分の思いをことばにして発するようになれるには、やっぱり学習すること。そして、ひとりじゃ言えない。組織って必要だな。
提案者のRIEさんは集会後、「仕事が残っとる」と職場へ消えました。連日の時間外など厳しい労働の中、年々集まることが困難な状況ですが、戦争の惨禍を反省した世界人権宣言週間の時期でもあります。平和でないと平等はありません。たくさんの人たちに支えられて、29回目の「12・8平和を考える女たちのつどい」を終えました。
広島県原水禁常任理事 なかお やすみ
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