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2016年12月 4日 (日)

「原水禁学校」第3回 「法の支配」とアメリカ


「原水禁学校」第3

「法の支配」とアメリカ

 

高校生平和大使の感動的なプレゼンの後は、原水禁学校の講演。「核兵器廃絶と日本の役割」がテーマでした。内容はこのブログで何度も取り上げてきたものですが、まとめて読んで頂く意味もあると思いますので、アウトラインだけを簡単に拾っておきたいと思います。

                

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大テーマは、世界が「法の支配」という方向に動きつつあり、それは市民の声、またその集まりとしての世論を反映していることです。地球の未来に希望を持って良いということなのですが、具体的には二つの分野について考えることになりました。一つは、アメリカの動きです。トランプ氏が大統領選挙で勝ったことで、オバマ大統領の影が薄くなっていますが、長期的にはオバマ大統領によってアメリカが根本的かつ良い方向に変わりつつあることを再確認しました。

 

 国連の第一委員会で採択された画期的な決議、つまり、核兵器禁止条約締結に向けての多国間交渉を来年2017年に始めることについて、これが世界レベルでの「法の支配」という新たな時代に踏み込んだことを示しています。それ踏まえて、第二次世界大戦後、「法の支配」が国際的にも広がりつつある歴史を振り返りました。特に、今回の大統領選挙とアメリカ社会についても、同じ文脈で考えることが重要です。

 そのためにも、オバマ大統領のプラハ演説と広島訪問の果たした役割が如何に大きいのかを再確認しました。出発点はアメリカ社会の基本的な価値観を支える二本柱です。

 それは、パール・ハーバーが「絶対悪」であり、それを「善の権化」のアメリカが原爆よって懲らしめたというシナリオに基づいた「勧善懲悪」の価値観です。

 その価値観が、オバマ大統領のプラハ演説と広島訪問で劇的に変りました。「原爆投下は正しかったか」という問に対して、1945年には85パーセントのアメリカ人は「Yes」と答え、その後も2009年には67パーセントだったのが、2015年には56パーセント、2016年にはついに過半数を割って、45パーセントになったのです。改めてグラフを御覧下さい。

  

1945200920152016

 

 これを「オバマ効果」と呼ぶならば、今回の大統領選挙でのトランプ氏の処理の結果として全米で起きているヘイト・スピーチやヘイト・クライムは「トランプ効果」と考えられますが、長期的には「オバマ効果」が勝つであろうと予測できます。

 その理由として、アメリカ社会の「現実」とその現実を市民がどう捉えているのかという「認識」の間にあるギャップです。それを示している二つのグラフですが、一つは、1994年以降アメリカ社会では犯罪が減っていることを示しています。もう一つは、にもかかわらず、普通の人は、犯罪が増えていると思い込んでいるということを示しています。このギャップが、トランプ候補の支持者を増やすことになったと考えられます。

 

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前の年より犯罪が増えていると考える人の割合

 

 しかし、今回の大統領選挙でも総得票数ではクリントン候補が勝っていたこと、また、オバマ大統領のプラハ演説と広島訪問が、アメリカの価値観の基本を揺るがすほど大きかったこと、それが具体的に社会の表面に出てくるまでには時間か掛かるかもしれないこと、さらにオバマ大統領が実現した「オバマケア」その他の改革の効果やその結果社会全体が「良くなっている」ことを自覚するのにも時間が掛かるであろうことも踏まえると、長期的には「トランプ効果」より「オバマ効果」の影響の方が長く続きそうだと考えられます。

 

長くなりましたので、国連の第一委員会の決議とそれに反対した日本政府の言い訳を改めて検証した部分は次回に回したいと思います。

  

 

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原水禁学校を初めて受講しました。交通機関の関係で、途中、退席をしなければいけなかったのが残念です。歴史をどうみるかその都度、学びかえさなければなりません。自戒します。商業新聞はこんなたいせつなことをなぜ掲載しないのか?いえ❣自分が知ろうと努力が足りないことと、視点の基軸を常にどこへ置くのか…深く反省です。ありがとうございました。やすみ\(;゚∇゚)/

「やすみ」様

コメント有り難う御座いました。また遠くからお越し頂き、感謝しています。ブログでもしっかり伝えたいのですが、やはり直接、時と場を共有することで伝わることもあるような気がします。

これからも頑張って行きましょう。またスター・ライターのお一人としての活躍も期待しています。

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