同じお題で書きましょう 「夏の甲子園」
同じお題で書きましょう 「夏の甲子園」
皆さんは高校野球そのものについてお書きになると思いますが、私には、「甲子園」と聞くと即座に思い出す、衝撃的だった出来事が、20年以上前にありました。「甲子園があるから原発が必要だ」と言わんばかりのこじつけを原発発推進派の人たちは使っているというのです。
1979年のスリーマイル島の原発事故以前からアメリカでは、反原発運動が盛んでした。私もその洗礼は受けていたのですが、原発と高校野球に関連があるなどとは夢にも思っていませんでした。
衝撃的な事実を知ったのは、1990年になってから、衆議院議員会館内での勉強会でした。講師が誰だったか覚えていないのが残念なのですが、原発が必要だと主張する電力会社やその連合体である電事連の言い分の紹介がありました。簡単に述べると、夏のピーク時に日本国内で消費される電力を賄うだけの十分な量の電力を発電しなくてはならない。そのためにはどうしても原発が必要だ、ということでした。
その後に示されたのは、その前の年の夏の一日の電力使用量のグラフでした。ピーク時は確かに、国内の総発電量を超えていましたが、それはほんの一時で、午後一時から三時頃の間でした。それに続いてのショッキングな説明は、そのピークは甲子園野球の時間帯だというのです。試合を見るために、普段はテレビを付けていない事業所等でもテレビをつけ、暑い中ですから冷房もガンガンつけているからだということはすぐに分ります。
その時のグラフを探したのですが、見付かりません。代りに、東京電力の「でんき予報」のグラフを借りていますが、夏の一日の電力使用料の傾向は同じです。暑い時には電気を使うのです。
そんな日は、一年に一度か二度という報告までありました。となると、巨額の投資をして原発を造るより、高校野球の時間をずらせば良いという結論になります。夏の一番暑い時に炎天下で高校生が文字通り全力投球で運動するのも体に良い訳がありません。一石二鳥、三鳥の解決策だと多くの人が考えても不思議ではありません。
しかし、高校野球の時間をずらして、午前中とナイターにするといったアイデアはほとんど目にしたことがありませんでした。その説明もありました。甲子園野球の主催団体がNHKと朝日新聞だからそんな報道をする訳がない===と言われれば確かにそうかもしれません。
でもこの考え方は、約20年経って陽の目を見たのです。2011年から、と言うことは福島の原発事故以来、甲子園の決勝戦は午前中に移されたのです。その理由は「節電」です。
つまり、電力会社もマスコミも、ピーク時の電力を節約するにはどうすれば良いのかは、知っていたのです。でも、知らんぷりをして、ピーク時の使用電力が高いままに放置しておいて、それを原発の存在理由として使っていた、と言われても仕方がないように見えるのですが、うがち過ぎでしょうか。そうかしれません。もし、それ以上に説得力のある説明を御存知の方がいらっしゃれば御教示下さい。
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コメント
高校時代の担任が
言っていました。
「夏の暑い日に日本中の人が
冷房の効いた部屋で
アイスコーヒーを飲む、
そんなことをしては
いかんのじゃ」
思い出しました。
真夏の電力需要に対応するのは、発電量を短時間で調節できないために需要の落ちる夜になると電力を余らせるような原発より、ピーク時には多く発電し、夜には発電しなくなる太陽光発電の方が適しているはずです。
それ以外にスマートメーターなどを使ったピークカットの手法はいくらでもありますが、そうした努力をしないどころか、逆にピーク電力を上げるような料金体系にしておいて、本来は必要のない電源を増やし、総括原価方式と地域独占という戦時体制を未だに堅持し、年間に数日の数時間のために、全ての国民に米国の2倍、韓国の3倍とも言われる高い電気料金を押し付けてきたのが日本の電力政策でした。
そのおかげで、電力会社は燃料や資材などもどこよりも高く買うことが出来、下請けは9次下請けまでを抱えることが可能で、原発のような高コストで脆弱な電源も持つことが可能になり、補助金により地域も潤う、おまけに核兵器開発への準備まで出来る、ということが存在理由でしょうか。
そのツケはその高い電気料金を払う国民と、莫大な研究費や補助金の原資となる税金を払う国民と、使用済み核燃料の処理に莫大な費用を押し付けられる未来の国民と、事故により地域を奪われた住民、そしてヤギしか住まない領土ではなく、豊かな農作物を生産できる大切な国土を失った国民ということになるのではないでしょうか。
素人の考えですが「沢山充電出来ない」と言われている電気は
すでに沢山充電できる技術が開発されているのではないかと
思っています。実用化されないのはコストの問題なのですかね?
初歩的な疑問でお恥ずかしい><;
「緩和ケア薬剤師」様
コメント有り難う御座いました。
担任の先生のおっしゃる通りです。さらに、甲子園にも応援に行きましたが、炎天下での応援も大変でした。気分の悪くなる人もかなりいましたし、マスコミは「熱くなれ」としか煽りません。少し頭を冷やして、このような点についても考えておく必要はあると思います。
「工場長」様
コメント有り難う御座いました。
何時も、正確な事実を的確に教えて頂き有り難う御座います。「原子力村」、電力会社、電事連等はこうした事実を十分知りながら、それを知らない国民には教えず、無知に基づいた感情を操って、結局は国民に全ての付けを回す、という図式ですね。そして戦争の犠牲も国民すべてが文句を言わずに「受忍」しろというのが国の考え方です。
高校野球まで利用して、こうした自分たちの利権や既得権をさらに巨大化させていることに気付いて貰いたいという思いで書いて見たのですが、さてこの次のステップはどうなるのでしょうか。
「⑦パパ」様
コメント有り難う御座いました。
この辺りは「工場長」さんに詳しく説明して頂きたいと思っていますが、受け売りをすれば、電気自動車に貯めておいた電気を家の中で使ってかなりのことができますので、それだけでもピーク時解消の対策としては有効だと思います。
夏の午後だけ考えると、「工場長」さんのおっしゃるように、ソーラーパネルを使うことが一番合理的なのではないでしょうか。
と考えると、ピーク時の電力消費のために原発が必要と一方では言い、でもソーラーは不安定だから役に立たないともう一方では言っている「原子力村」の皆さんの論理は完全に破綻しています。
補足しておきます。
テスラの電気自動車に搭載されているパナソニックのバッテリーは85Kwhですから、我が家で使う電力の一週間分以上です。
既に電力の100%近くを自然エネルギーで賄う時間帯もあるドイツですが、常時100%自然エネルギーを実現するために、蓄電装置としてノルウェーに大規模な揚水発電所を作り、そこに余った電力を蓄えるように計画しています。
ちなみに我が家はオール電化住宅で、自家用車も電気自動車ですが、屋根に設置した控え目のソーラーパネルで発電する電力の8割はパナソニックに売っていますし、既に発売されている電気自動車の電力を家庭で使う装置を設置すれば、今すぐにでも100%自然エネルギー電力の自給自足が実現できます。
「工場長」様
追加コメント有り難う御座いました。
具体的な定量説明で納得です。資金をどう工面するのか問題はあるのですが、取り敢えず電気自動車に試乗してみようと考えています。ソーラーパネルはその後、検討したいと思っています。
我が家にある一番小さなEVは、あの三菱自動車で決算月にわざと新古車にするという値切り方をし補助金も100万円近くあったので、4年リースで税込み月額3万円丁度、その中に4年間の自動車税とメンテナンス料金も含んでいます。
そして、燃料費は、殆どスーパーなどの無料充電を使っていますが、自宅で充電しても100キロの走行にかかる電気料金は100円以下です。
試乗はディーラーでももちろん可能ですが、地域によってはレンタカー会社と提携して特別価格の設定があったり、三菱も以前ワンコイン(500円)のレンタカーを用意していたり、日産やBMWでも宿泊付きの試乗キャンペーンがあったり、テスラは宿泊予約サイトの一休と提携して、東京から箱根や大阪から淡路島などの旅行にEVを無償提供するなど、様々なキャンペーンがあります。
以下、BMWの試乗キャンペーンですが、比較のためにも一度は乗ってみることをお勧めします。
http://www.bmw-i.jp/Campaign/i3-testdrive2016/
「工場長」様
さらなるコメント有り難う御座いました。
色々なキャンペーンがあるのですね。まずは問い合わせてみます。
高校時代の担任が
言っていました。
「夏の暑い日に日本中の人が
冷房の効いた部屋で
アイスコーヒーを飲む、
そんなことをしては
いかんのじゃ」
思い出しました。
投稿: 緩和ケア薬剤師 | 2016年7月 8日 (金) 08時54分
真夏の電力需要に対応するのは、発電量を短時間で調節できないために需要の落ちる夜になると電力を余らせるような原発より、ピーク時には多く発電し、夜には発電しなくなる太陽光発電の方が適しているはずです。
それ以外にスマートメーターなどを使ったピークカットの手法はいくらでもありますが、そうした努力をしないどころか、逆にピーク電力を上げるような 料金体系にしておいて、本来は必要のない電源を増やし、総括原価方式と地域独占という戦時体制を未だに堅持し、年間に数日の数時間のために、全ての国民に 米国の2倍、韓国の3倍とも言われる高い電気料金を押し付けてきたのが日本の電力政策でした。
そのおかげで、電力会社は燃料や資材などもどこよりも高く買うことが出来、下請けは9次下請けまでを抱えることが可能で、原発のような高コストで脆 弱な電源も持つことが可能になり、補助金により地域も潤う、おまけに核兵器開発への準備まで出来る、ということが存在理由でしょうか。
そのツケはその高い電気料金を払う国民と、莫大な研究費や補助金の原資となる税金を払う国民と、使用済み核燃料の処理に莫大な費用を押し付けられる 未来の国民と、事故により地域を奪われた住民、そしてヤギしか住まない領土ではなく、豊かな農作物を生産できる大切な国土を失った国民ということになるの ではないでしょうか。
投稿: 工場長 | 2016年7月 8日 (金) 10時12分
素人の考えですが「沢山充電出来ない」と言われている電気は
すでに沢山充電できる技術が開発されているのではないかと
思っています。実用化されないのはコストの問題なのですかね?
初歩的な疑問でお恥ずかしい><;
投稿: ⑦パパ | 2016年7月 8日 (金) 15時39分
「緩和ケア薬剤師」様
コメント有り難う御座いました。
担任の先生のおっしゃる通りです。さらに、甲子園にも応援に行きましたが、炎天下での応援も大変でした。気分の悪くなる人もかなりいましたし、マスコミは「熱くなれ」としか煽りません。少し頭を冷やして、このような点についても考えておく必要はあると思います。
投稿: イライザ | 2016年7月 8日 (金) 16時50分
「工場長」様
コメント有り難う御座いました。
何時も、正確な事実を的確に教えて頂き有り難う御座います。「原子力村」、電力会社、電事連等はこうした事実を十分知りながら、それを知らない国民 には教えず、無知に基づいた感情を操って、結局は国民に全ての付けを回す、という図式ですね。そして戦争の犠牲も国民すべてが文句を言わずに「受忍」しろ というのが国の考え方です。
高校野球まで利用して、こうした自分たちの利権や既得権をさらに巨大化させていることに気付いて貰いたいという思いで書いて見たのですが、さてこの次のステップはどうなるのでしょうか。
投稿: イライザ | 2016年7月 8日 (金) 16時57分
「⑦パパ」様
コメント有り難う御座いました。
この辺りは「工場長」さんに詳しく説明して頂きたいと思っていますが、受け売りをすれば、電気自動車に貯めておいた電気を家の中で使ってかなりのことができますので、それだけでもピーク時解消の対策としては有効だと思います。
夏の午後だけ考えると、「工場長」さんのおっしゃるように、ソーラーパネルを使うことが一番合理的なのではないでしょうか。
と考えると、ピーク時の電力消費のために原発が必要と一方では言い、でもソーラーは不安定だから役に立たないともう一方では言っている「原子力村」の皆さんの論理は完全に破綻しています。
投稿: イライザ | 2016年7月 8日 (金) 17時05分
補足しておきます。
テスラの電気自動車に搭載されているパナソニックのバッテリーは85Kwhですから、我が家で使う電力の一週間分以上です。
既に電力の100%近くを自然エネルギーで賄う時間帯もあるドイツですが、常時100%自然エネルギーを実現するために、蓄電装置としてノルウェーに大規模な揚水発電所を作り、そこに余った電力を蓄えるように計画しています。
ちなみに我が家はオール電化住宅で、自家用車も電気自動車ですが、屋根に設置した控え目のソーラーパネルで発電する電力の8割はパナソニックに売っ ていますし、既に発売されている電気自動車の電力を家庭で使う装置を設置すれば、今すぐにでも100%自然エネルギー電力の自給自足が実現できます。
投稿: 工場長 | 2016年7月 8日 (金) 19時49分
「工場長」様
追加コメント有り難う御座いました。
具体的な定量説明で納得です。資金をどう工面するのか問題はあるのですが、取り敢えず電気自動車に試乗してみようと考えています。ソーラーパネルはその後、検討したいと思っています。
投稿: イライザ | 2016年7月 8日 (金) 20時24分
我が家にある一番小さなEVは、あの三菱自動車で決算月にわざと新古車にするという値切り方をし補助金も100万円近くあったので、4年リースで税込み月額3万円丁度、その中に4年間の自動車税とメンテナンス料金も含んでいます。
そして、燃料費は、殆どスーパーなどの無料充電を使っていますが、自宅で充電しても100キロの走行にかかる電気料金は100円以下です。
試乗はディーラーでももちろん可能ですが、地域によってはレンタカー会社と提携して特別価格の設定があったり、三菱も以前ワンコイン(500円)の レンタカーを用意していたり、日産やBMWでも宿泊付きの試乗キャンペーンがあったり、テスラは宿泊予約サイトの一休と提携して、東京から箱根や大阪から 淡路島などの旅行にEVを無償提供するなど、様々なキャンペーンがあります。
以下、BMWの試乗キャンペーンですが、比較のためにも一度は乗ってみることをお勧めします。
http://www.bmw-i.jp/Campaign/i3-testdrive2016/
投稿: 工場長 | 2016年7月 8日 (金) 21時32分
「工場長」様
さらなるコメント有り難う御座いました。
色々なキャンペーンがあるのですね。まずは問い合わせてみます。
投稿: イライザ | 2016年7月 8日 (金) 23時55分