違和感のある日本語
違和感のある日本語
「hibakusha」が英語の語彙に入ったのは嬉しいのですが、中にはこのような単語が認知されることを苦々しく思っている人たちもいるでしょう。すぐ頭に浮かぶのは在郷軍人会ですが、刺々しくなりますので今回は見送りましょう。その代わり、もう少し小さい棘、私にとって違和感のある英語と日本語表現のリストを作ってみました。
もう一つ、言い訳です。
核兵器廃絶のため、平和の実現のため情熱をかけて努力してきた方々の投稿を待っているのですが、まだエンジンがかからないようです。ことによると、これまでのエントリーが固過ぎたのかもしれませんので、今回は少し軽めのトピックにして、気楽に書いて頂くための地ならしをしたいと思います。
① まず英語では、「different than」。私たち外国語として英語を学んだ立場からは当然「different from」です。でもかなり前から、「different than」が広まってきて、どうやら市民権を得てしまったようです。それに反対して、大学では学生にも指導しましたし、いろいろな場所で意見を言いましたが、多勢に無勢で少数派になってしまいました。
日本語でも少数派として「正しい」使い方をしている、あるいは誤った使い方はしていないと自負しているのは、例えば②「注目される」です。「注目を浴びる」がごく普通に使われるようになったことが未だに腑に落ちません。
テレビでマラソンの中継を見るのは好きですが、③「かわしました」と聞くたびに、チャンネルを変えたい気持です。「体を躱す」とか「攻撃を躱す」という意味で、何故競り合っている相手を追い抜く意味になっているのかも理解できません。「交わす」という漢字もありますが、これは例えば結婚式で新郎新婦が結婚指輪を交わすようなことを表す言葉ですので、抜きつ抜かれつの状況には使えないでしょう。
どうも「小言幸兵衛」「年寄りの冷や水」っぽくなってきたので、今日は「お後が宜しいようで」と引き下がりますが、あと何回か続きます。最後に最近の愛読書です。
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この記事で思い出したのが、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で主人公のマーティンが口癖のように困難な状況で「This is heavy.」と言うのを聞いて、ドクが「未来では物質が重くなっているのか」というようなことを言い、実際は知りませんが、おそらく昔はheavyには困難なという意味がなかった、もしくは最近の若い人の言い回しなのだろう、と思ったことです。
言語は弱い分野なので英語は全く分かりませんが、日本語でも誤用が一般的になっている言葉については、相手によっては、正しく使うと誤解されることがあり、言葉を選ぶことがあります。(と書きながらも私も誤用していることはあるとも思いますが)
またモノの名称も業界によって通じ易い言い方が違う場合があり、同じケーブルでも家電店ではLANケーブル、工事関係者にはカテゴリー6とか、IT関連業者にはEtherNetケーブルでクロスかストレートまで言った方が良いとか、あるいはPCを扱っているところではIEEE1394ですが、Macを扱っているところではFireWireと言った方が分かり易いとか、色々あります。
投稿: 工場長 | 2016年4月 9日 (土) 08時40分
工場長様
コメント有難う御座います。The Back to the Future を見てそこまで気が付くなんて凄いですね。そうかもしれません。でも、"heavy duty"なんていう言葉もありますし、半世紀前にはもう使われていたような気もします。
正しい、正しくないとは異なる種類の言葉の違いになりますが、とても困ったのは、アメリカでの日常語が日本語に対応していないときでした。たとえば「マジックテープ」は商標らしいのですが、アメリカでは別の商標「ベルクロ」が使われていて、それが日本では「マジックテープ」になることを知らずに、お店で随分苦労して何が欲しいのか伝えたことを思い出します。
業界によって同じものでも違う言葉を使うことも知っていましたが、年のせいでしょうか、かつてはすらっと出てきた何種類もの表現がだんだん霞んでいっています。
投稿: イライザ | 2016年4月 9日 (土) 09時54分