2023年11月15日 (水)

「ボキャ貧」が政治劣化を招く ――「朝三暮四」や「朝令暮改」、「過ちてこれを改むるに憚ることなかれ」は死語か――

「ボキャ貧」が政治劣化を招く

――「朝三暮四」や「朝令暮改」、「過ちてこれを改むるに憚ることなかれ」は死語か――

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「ボキャ貧」を自認していた小渕恵三総理 

(官邸のホームページから   https://www.kantei.go.jp/jp/rekidai/souri/84.html)

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故小渕恵三元総理は、自らを「ボキャ貧」だと呼んでいましたが、その自覚があったのはボキャブラリーの意味とその大切さが分っていたからでしょう。

それとは対照的に、今の政治家もそれ以上に問題なのはマスコミも、ボキャ貧でありながら自らがボキャ貧であることさえ分っていないのではないでしょうか。

その証拠に、最近の報道で、「朝三暮四」も「朝令暮改」も全く使われていないではありませんか。加えて、もう少し長いですが、「過ちては則ち改むるに憚ること勿れ。過ちて改めざる、是れを過ちと謂う。」も、政治やマスコミの世界も含めて、力のある側の人々からは忘れ去られているようです。

どれも最近の社会やと政治、そしてそれに対する私たちの気持をピッタリ表現しています。日本中に、例えば「朝三暮四」は止めろという声が満ち満ちたとすると、政治は変るはずです。「過ちは改めよう」が、誰にでも通じる合言葉になれば、小選挙区制を廃止しようという機運が生じてくるはずです。

例えば「Black lives matter! (BLMと略されたバージョンも広まりました)」がアメリカ中に広まったことで、人種差別への憤りが共有され、世界的にも影響力を持つようになりました。一例として大坂なおみ選手が、2020年の全米オープンで優勝した際に支持を表明したことを挙げておきましょう。

念のために、以下、ウェッブで簡単に見られる解説です。意味だけを拾いましたので、原典や語源等については、ウェッブを御覧下さい。

朝三暮四―――ごまかすこと。うまくまるめ込むこと。また、どちらにしても大差のないこと。また、目先の利益にとらわれて大局を見失うことをいう。(三省堂編修所https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/kotowaza42)

朝令暮改―――朝に出した命令を夕方にはもう改めること。方針などが絶えず変わって定まらないこと。朝改暮変。(小学館デジタル大辞泉 https://domani.shogakukan.co.jp/663056)

過ちては則ち改むるに憚ること勿れ―――過ちを犯したことに気づいたら、体裁や対面などにとらわれず、ただちに改めるべきだという戒め。(https://kotowaza-dictionary.jp/k1115/)

過ちて改めざる、是れを過ちと謂う―――過ちを犯していながら改めないのが、ほんとうの過ちである。過失はやむを得ないが、過ちと気づいたらすぐ改めよ。(https://dictionary.sanseido-publ.co.jp/column/kotowaza04)

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/11/15 人間イライザ]

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2023年11月 1日 (水)

TP-LINKの爆速ルーター ――Archer AX73Vは、3倍の速さです――

TP-LINKの爆速ルーター

――Archer AX73Vは、3倍の速さです――

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TP-LinkのArcher AX73V

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個人的に嬉しい出来事があったので、お祝いにWi-Fiルーターを買いました。今まで使っていたIODATA製品でも全く問題はなかったのですが、よく目にする新しいルーターの性能は凄いらしくて、一度試してみたいと考えていたからです。

購入したのはTP-LinkのArcher AX73Vですが、とにかく速いですし、電波の届く範囲も広くて大満足です。比較してみましょう。まずはこれまでのIODATAのスピードです。

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次にTP-Linkです。

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アップロードのスピードでは、3倍以上速くなっています。

ルーターを置いているのは2階の東の端の部屋ですが、1階の西端の部屋にまで電波が届きます。これは助かります。

まだ十分に使いこなせてはいませんが、これから勉強して備わっている機能をフルに活用できればと思っています。確かに贅沢を言えば限がないのですが、ルーターに関してはかなりの贅沢感を味わっています。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/11/1 人間イライザ]

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2023年10月14日 (土)

ブログはしばらくお休みです ――今さらお知らせするまでもないのですが――

ブログはしばらくお休みです

――今さらお知らせするまでもないのですが――

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熱い思いで本業に戻っています

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このところブログは休んでいましたので、今さらながらの話になりますが、しばらくブログから離れる予定です。長期計画を立てて頑張っていた本業に集中するためです。

何とか目処が付いた時点で、ブログを再開したいと考えています。宜しくお願いします。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/10/14 人間イライザ]

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2023年10月 5日 (木)

扇風機から石油ファンヒーターに ――夏から冬に一日で衣替え――

扇風機から石油ファンヒーターに

――夏から冬に一日で衣替え――

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もう石油ファンヒーターが必要です

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我が家は、標高300メートルくらいの所にあり、広島市内と比べると気温は5度違います。夏は快適で、今年もエアコンは一度か二度しか点けませんでした。

でも、冬の厳しさがかなり大変です。それに、春と秋が短いのも残念です。

今年は、数日前までは扇風機が必要だったのですが、次の日にはストーブを点けることになりました。これから仕舞う扇風機の写真も御覧下さい。

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これから一番大変なのは、灯油の高騰です。3年前の2020年には、1022日に、冬シーズン初めて灯油を買いましたが、18リットルで1,170円でした。今年は、近くのホームセンターで2,194円の値段が付いています。2倍近く上がっています。見掛けは悪いですが、今年の冬は、着るものを一枚増やして、節約しないといけないようです。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/10/5 人間イライザ]

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2023年10月 4日 (水)

ウォーキングの途中で見る花 ――平地よりは寒い地域です――

ウォーキングの途中で見る花

――平地よりは寒い地域です――

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歩きながら愛でるのにちょうど良い高さに咲いています

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毎朝、ウォーキングしながら、御近所さんたちが植えた花を愛でています。もうヒガンバナの季節は過ぎて、花そのものも少なくなっていますが、何枚かの写真をお届けします。花の名前は、聞いたことはあるのですが、老化現象で覚えられません。とにかくきれいです。

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夜は、かなり気温が下がる地域ですので、次回はその報告です。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/10/4 人間イライザ]

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2023年10月 3日 (火)

フィンランド人から箸の使い方を教わりました ――『箸の持ち方』も買って勉強しています――

フィンランド人から箸の使い方を教わりました

――『箸の持ち方』も買って勉強しています――

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Taipale夫妻とのランチです。反対側にはお孫さんたちが座っています。

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核兵器廃絶のために、情熱的な活動をしてきたフィンランドのTaipale夫妻が高校生と大学生のお孫さんを連れて、8月に広島まで来てくれました。コロナになる前も、当時高校生の別のお孫さん連れて広島訪問をしてくれたのですが、コロナが一応終息したので、家族としての大切な行事を再開してくれました。

夫人のVappuさんは、子どもの精神科医であり、フィンランドの元厚生大臣も務めIPPNWの幹部でもありました。そして、夫のIlkkaさんは、国会議員、そしてヘルシンキの市会議員を長い間務め、今でも現職の市会議員です。平和運動の世界的リーダーでもあります。

お二人に出会ったのは、2013年、ヘルシンキで開かれた「Nuclear Exit」という国際会議の責任者がIlkkaさんだったからで、その会議に招待されたことが切っ掛けです。

お二人のお仕事については、また書く機会があるはずですが、今回は、お箸の使い方を教えて貰ったことを報告します。

今、フィンランドでは日本食が人気で、日本食についての本もベストセラーになっているとのことでした。その本の中で、お箸の使い方についてもきちんと説明されているそうで、私がうっかり「渡し箸」をしてしまったときに、「箸をそのように置くのは、礼儀にかなっているのですか」と、Vappuさんからやんわり聞かれました。

インフォーマルの時にはかなり良く見掛ますので、あまり気に掛けなかったのですが、正式には「良くない」ことと説明しました。そして改めてお箸の使い方について勉強してみることにしました。そのために買ったのが、中原麻衣子著の『いまさら聞けない 箸の持ち方 レッスン』です。

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「やってはいけない「嫌い箸」」が20以上、載っていましたが、確かに「渡り箸」もその一つです。その他の「嫌い箸」も、日常的には避けていたものばかりでしたので、一応安心しましたが、「うっかり」しないように心掛ける大切さと、その他にも箸の使い方で役立つこともかなりありましたので、Taipale夫妻には、平和運動の同志としての感謝の他に、マナーの先生としての感謝も加えなくてはならなくなりました。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/10/2 人間イライザ]

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2023年10月 2日 (月)

今年もコスモスがきれいに咲きました ――政治も同じように、手を掛けなくてもきれいになると良いのですが――

今年もコスモスがきれいに咲きました

――政治も同じように、手を掛けなくてもきれいになると良いのですが――

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コスモスがきれいに咲いています

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毎年、今頃はコスモスが乱舞します。何年か前に種を撒いたのですが、何時の間にか、「畑」として使っていた空間を占拠して、さらには空高く咲くようになりました。全体を見るためには、二階からということになるのですが、それでは距離が遠過ぎます。下の写真が二階からのものです。

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もう少し近くから、と考えると、コスモスのすぐ隣の畑があります。鳥や小動物対策のために網を張り巡らせましたので、気軽にそこからとはなりませんが、一番上の写真と次の写真だと、花そのものは良く見えます。

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花を何本か切って花瓶に活けるというスダンダードな楽しみ方を改めて見直しています。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/10/2 人間イライザ]

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2023年10月 1日 (日)

投下責任の「棚上げ」と米政府、広島市・市長そして外務省 ――「本音が出ると大問題」を回避――

投下責任の「棚上げ」と米政府、広島市・市長そして外務省

――「本音が出ると大問題」を回避――

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慰霊碑に向って恥ずかしくない言動を!

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9月26日のこのブログでは、次のようにお約束しました。

「広島市と広島市長も得をする側なのかもしれません。長くなりますので、この点は次回以降に回します。」

「得をする」人たちの最初にアメリカ政府と、「Good War」を信奉する人たちを挙げておきましょう。平和公園とパール・ハーバー国立公園の姉妹公園協定を提案した人たちですし、「パール・ハーバー ()⇒ 原爆()」というシナリオを存続させるためには、広島市がその点についての反論を「棚上げ」すれば、自分たちの言い分が通るからです。

もう一点今までは触れてきませんでしたが、とても引っ掛かるマスコミ報道の仕方に注意喚起です。ほとんどの記事では、「市の幹部」が棚上げ発言をしたと述べるだけで市長との関連には触れていません。一つだけ見付けましたが、それはヒロシマ平和メディアセンターの9月27日の記事で、「野坂課長は「棚上げ」発言は松井一実市長の了解を得ていたと説明。「米国の責任を免罪するものではない」と理解を求め、撤回は否定した。」

それでも、棚上げの主体は例えば野坂課長で、市長は単に「了解」しただけ、という図式になります。その後に、「これは単なる手続き上の行為で、その内容までには責任は持てない」といった言い訳が出て来てもおかしくない報道の仕方です。

何故、正直に、広島市の重要事項についての決定責任者である市長が、棚上げをすることにした、と報道し、市の幹部の責任ではなく市長の責任を問わないのでしょうか。この辺りの事情を究明するのも実はマスコミの役割ではないでしょうか。

そして、ある意味責任逃れを認められた市長にとってはこの報道は「得」の部類に入ります。

さて、市長と市がなぜ得をしたのかを考えて見ましょう。穿った見方だと思われる方もいるかもしませんが、そうだとすると、他の可能性について、外務省・日本政府の役割も含めてどんな説明になるのか、是非教えて下さい。

ここで再度、外務省の原爆についての見方を復習しておきましょう。

一言で表現すると、「原爆投下は合法だ」になるのですが、それは、23日のこのブログの記事――1963年の下田裁判での被告としての国の言い分――を読んで頂ければ明らかです。そして、24日のブログでは、広島市の平和行政が外務省の意のままになっていることを指摘しました。

となると、今回の「棚上げ」も、外務省の差し金だということになりそうなのですが、そうだと仮定して、何故もっと外務省の本音に近い表現にならなかったのでしょうか。例えば、「「パール・ハーバー ⇒ 原爆」については、国レベルではもう決着していることですので、それを踏襲しました」辺りはどうでしょうか。

でも、そう言ってしまうと、日本政府・外務省が有耶無耶にしてきた、原爆投下についての日本という国家の本音が分ってしまいます。さらに、「広島市・広島市長がそんな発言をすることは決して許せない」、という轟轟たる非難の嵐が起きても不思議ではありません。

「棚上げ」することで、その両者を避けられたのですから、「得」をしたのは、広島市・広島市長、そして日本政府・外務省ということになりますね。

G7広島サミットで、「被爆地広島出身の総理大臣」を名乗って、核兵器の容認と核抑止論賛美の最終文書を「ヒロシマ・ビジョン」としてまとめた裏切り行為を理解するためには、「棚上げ」のカラクリがその本質を見せてくれていると考えるのは、穿ち過ぎでしょうか。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/10/1 人間イライザ]

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2023年9月28日 (木)

「いま一番先にやることは公務員のウソ退治」 ――井戸川裁判の第26回口頭弁論を傍聴しました――

「いま一番先にやることは公務員のウソ退治」

――井戸川裁判の第26回口頭弁論を傍聴しました――

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口頭弁論前、井戸川さんが裁判所前で情熱的にアピールする姿

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今、上京中です(昨日は移動日で、ブログもツイッターも休みました。) そして27日には、井戸川裁判 (福島ひばく訴訟とも呼ばれます)の第26回口頭弁論を傍聴しました。実は、私はこの訴訟を支援する会の呼び掛け人なのですが、関東地方にお住まいの皆さんのように、積極的にお手伝いすることができずに心苦しく思っていました。

今回は、上京日時と口頭弁論の日にちが一致しましたので、井戸川さんと井戸川さんの裁判を支援する会の皆さんを激励できればと、裁判を傍聴することにしたのです。そして、改めてこの裁判の意義と井戸川さんの情熱とコミットメント、相変わらぬお元気の姿、そして支援者の皆さんの力強さと優しさに触れることができ、大変元気になりました。

同時に裁判を傍聴しながら、日本の司法制度の問題点や、被告の東電と国の無責任さ、福島の原発事故の被害の深刻さ、マスコミや政府に操られて真実を知ることのできない「国民」の不幸度等々、多くのことを考えさせられました。

出張先で、今はその全てについて報告するだけの力が残っていません。でも、井戸川さんの言葉、「いま一番先にやることは公務員のウソ退治」は、胸に突き刺さりましたし、良くぞ言ってくれたという思いで受け止めました。さらに、皆さんにもこの裁判の行方に関心を持って頂くために、第一回口頭弁論での原告・井戸川さんの言葉をお届します。

私は、今回の原発事故により、計り知れない被害を受け、数えきれないほど多くのものを失いました。

原発事故直後に大量の被ばくをしました。これにより、今日までの間、健康被害の恐怖や不安に脅え続けています。この恐怖は、一生涯にわたり続くものです。また、原発事故により、強制的に故郷を追われ、長期間にわたり不慣れな土地で避難生活を強いられています。避難生活の過程で被った苦痛は、筆舌に尽くしがたいものです。しかも、避難生活は、故郷に戻れるまでの間、半永久的に続きます。さらに、原発事故により、家督や故郷、仕事や財産、コミュニティや伝統文化、平穏な日常生活や自然環境、将来の夢や希望などが根こそぎ奪われました。私は、故郷を愛し、井戸川家を大切にするとともに、双葉町町長として、すべての町民が夢と希望を持って生活できるように、自己犠牲を払ってきたつもりです。しかし、今回の原発事故により、すべてを失ってしまいました。

今回の原発事故は、国や東京電力の落ち度による人災です。それなのに、国や東京電力は、何の落ち度もない私たちからすべてを奪った責任を取ろうとはしません。私は、国と東京電力に対し、被害の完全な回復を求めて、今回の裁判を起こしました。

(第1回口頭弁論 「原告意見陳述」冒頭部分より)

元双葉町長 井戸川 克隆

井戸川裁判 (福島ひばく訴訟) を支える会のホームページはこちらですので、「井戸川かわら版」をはじめ、勇気ある行動の実例が数多く盛り込まれている報告を御覧頂ければ幸いです。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/9/28 人間イライザ]

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2023年9月26日 (火)

姉妹公園協定のために投下責任を「棚上げ」? ――「棚上げ」して、誰が得をするのか?――

姉妹公園協定のために投下責任を「棚上げ」?

――「棚上げ」して、誰が得をするのか?――

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藤永茂著『ロバート・オッペンハイマー』です

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ここで連日取り上げているのは、広島市議会での市側の答弁です。念のために繰り返しておきましょう。中国新聞によると、21日の広島市議会の一般質問で、広島の平和公園とホノルルのパールハーバー国立公園との姉妹公園協定が取り上げら、市側の答弁が、「協定は、原爆投下に関わる米国の責任の議論を現時点で棚上げにし、まずは核兵器の使用を二度と繰り返してはならないという市民社会の機運醸成を図るために締結した」だったのだそうです。

口実として使われた、「市民社会の機運醸成」を省略しても、[何のために] [何をする] の関係は損なわれませんし、論理的な関係がはっきりします。広島市の主張は、姉妹公園協定を結ぶために、原爆投下の責任論は棚上げにした、ということになります。

でも、これって事の重さの判断が逆ですよね。広島市とパールハーバー国立公園が姉妹都市協定を結ぶことが、原爆投下の責任論に関わるような重大事なのでしょうか。そうだとしたらそれは何故なのでしょうか。この点については、再度取り上げますが、今日はこの棚上げで得をするのは誰かを考えます。

一つは、映画「オッペンハイマー」の日本公開で得をする人たちです。例えばこの映画を見たいと願っている人たちも多いかもしれません。興行成績のよさから得をする人たちも含まれます。

もう一つ、広島市と広島市長も得をする側なのかもしれません。長くなりますので、この点は次回以降に回します。

さてオッペンハイマーに戻って、もう一度、オッペンハイマーを今取り上げる意味について、一つの問題提起をしておきたいと思います。私自身この映画を見ていませんし、当分は見る気もないので、それがフェアではないという考え方もあるかもしれませんが、大切な問題提起であることには変りがありません。

まず、東京新聞の22日の記事から引用します。

 日本では公開されていない本作を鑑賞した米カリフォルニア州在住の映画評論家町山智浩さんに聞いた。

 町山さんによると、全体で3時間の長作で、前半はオッペンハイマーが研究者として原爆開発にのめり込む姿が中心。後半は原爆投下後の広島の写真を見せられて下を向く描写や、共同研究者たちの体が原爆によって焼けただれる幻視のシーンがあるなど、主に開発者としての苦悩が描かれている。そして、最後は原爆開発を後悔するせりふで幕を閉じるという。

 マスコミ等の見解として私が読んだものには、この中で、実際には被爆の実相には触れられていない点が問題なのではという指摘が多くありました。つまり、写真は見せられても、その写真そのもの、あるいはその被写体についての描写がないという点です。

それも大切な点なのですが、私が注目したのは最後のシーンです。「最後は原爆開発を後悔するせりふで幕を閉じるという。」なのだそうですが、これはオッペンハイマー本人に取っては聞き捨てならない点なのです。

映画の原本になったカイ・バードとマーティン・シャーウィンの『オッペンハイマー』にも、昨日のこのブログで紹介した藤永茂著『ロバート・オッペンハイマー 愚者としての科学者』(1996年、朝日新聞社。2021年、筑摩学芸文庫)にも同じ点が強調されているのですが、オッペンハイマーは「後悔していない」ばかりではなく、「後悔した」という内容の戯曲の上演を訴訟を起こしてまで阻止しようとしたほどなのです。以下、藤永氏の著所からの引用を中心に、その点をまとめておきましょう。

1964年、西ドイツの作家キップハルトの戯曲『オッペンハイマー事件』が発表され、各国で評判になました。日本でも1966年に俳優座劇場で上演されたそうです。

この作品は、作者によると資料に基づいて厳密に事実に密着したものだということなのですが、藤永氏は、多くの資料に基づいてこれは文学作品だと断定しています。

オッペンハイマーはこの戯曲を嫌悪して、プロデューとーを告訴してまで上演を阻止しようとしたと、物理学者のフリーマン・ダイソンが書いていると、藤永氏は述べています。それは、戯曲の最後の部分にある「告白」がオッペンハイマーには我慢できなかったようです。

キップハルトの戯曲についての感想を、オッペンハイマーがボームに書き送った手紙の日付は1966125日、喉頭ガンのため、話すことも、食事をとることも困難になっていた。二カ月半後には世を去る。

 「私がロスアラモスでしたこと、することができたことについて遺憾の意を表することを、私はこれまで決してしなかった。事実、 いろいろな場合、何度も同じような場合に、書きものにもして、あのことを私は後悔しなかったという気持の確認をつづけてきた。 キッブハルトの書いたことで、特に気分が悪くなるのはあの最後の告白だ。そこでは、まさにそうした後海を私がしたことになっている。責任と罪についての私自身の気持は、今まで常に過去よりも現在により強くかかわるものであったのであり、これまでの私の人生で、現在にかかわることだけで私の手に余るものがあった」

にもかかわらず、映画では、後悔したということにしたのか、そう誤解されるような撮り方をしたのかは分りませんが、オッペンハイマーは、普通の意味での後悔はしていないのです。そして、原爆を考えるときにこの点は、無視しては通れない問題を提起していると私は感じています。

 

最後に皆さんにとって、今日一日が素晴らしい24時間でありますよう!  

 [2023/9/26 人間イライザ]

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«アメリカを見ずに広島は語れない ――「パール・ハーバー」⇒原爆という「岩盤的」信念を守りたい人々――

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