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2021年1月13日 (水)

軍歴と原爆死没者調査-その2

これからが「軍歴と原爆死没者調査」の本論です。

原爆犠牲者や一般戦災者の被害に対し国による補償がされていませんが、軍人・軍属に対しては「国との身分関係」があったとして「戦傷病者戦没者遺族等援護法」等によって、その遺族に対して「弔慰金」や「遺族年金」などが支給されています。しかも、援護の対象者を拡大しながらです。

ここで指摘したいのは、この法律を適用して、もれなく「弔慰金」や「遺族年金」を支給するためには、当たり前のことですが「戦没者の遺族」ということがきちんと特定されていなければならないということです。

法の適用を受けることのできる受給者を決めるための基となっているが、「兵籍簿」のはずです。昨日紹介したように「兵籍簿」には、軍隊に召集されてから除隊されるまでの履歴が記載されていますから、もし戦死した場合には「いつ、どこで亡くなった」のかが、きちんと記録されていなければなりません。

1945年8月6日に広島で原爆によって死没した人たちの「兵籍簿」にも、そのことが明記されているはずです。そうでなければ、「戦傷病者戦没者遺族等援護法」による援護を受けることができないからです。原爆による犠牲も、当然のこと「戦死」ですから、「戦傷病者戦没者遺族等援護法」が適用されているはずです。広島で原爆の犠牲になった軍人だけが、この枠から外れていることは、考えられないことです。考えられないというよりも、ありえないことです。そうでなければ、同じ戦時中の犠牲でありながら、原爆の犠牲者は援護措置を受けられないという差別を受けることになってしまいます。

ところで、広島市は、原爆被害の実態、特に人的被害の解明を目的として、1969年から調査活動を行い、特に1979年から「原爆被爆者被災調査」(1982年からは「原爆被爆者動態調査」)を開始し、今も継続して調査を進めています。その結果、原爆投下から1945年末までに犠牲となった人たちのうち、最新の調査結果では、2020年3月末現在89,030人の氏名が明らかになっています。残念ながら、14万人±1万人と言われる犠牲者数からは、程遠い数です。この一年間で、わずかですが、5名の氏名が明らかになっています。この5名は、慰霊碑に納められている死没者名簿への記載の届けがあった」ことで新しく判明したそうです。このことは、この時期の調査がいかに難しいかを教えています。

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しかし、今からでも可能な調査はあるというのが私の考えです。それは「軍人の犠牲者」の実態についてです。実は、昨年秋、広島市の担当課を訪れ、「軍人の犠牲者について、軍籍簿から調査されたことがありますか。これを調べれば、かなり正確に人数と名前がわかるのではないですか」と問題提起したことがあります。その時の答えは、「軍人の名簿は持っています。ただそれで全員かどうか不明なのです。言われたような方法では調べたことがないように思いますので、検討してみます。」という返事でした。

その時、「都道府県が所有していますので、全てを広島市が調べることができるのかという問題があります」とのことでした。その時は、このことをあまり深く考えていませんでした。

今回教えられたことですが、確かに陸軍の「軍籍簿」は、各都道府県が所有しています。ですから広島市の担当者が指摘されるように、確かに「広島市が、各都道府県に対し調査を依頼しただけで、果たしてきちんとした答えが返ってくるだろうか」という問題はありそうです。

しかし、この「原爆被爆者動態調査」は、国の予算付けられて実施している事業です。本来国が行うべき「調査」を、ある意味では広島市が肩代わりして行っているとも言えます。ですから、国が主導して、厚労省が、各都道府県に対して、きちんとした調査依頼を出せば、可能な調査で、広島市の心配は不必要になるはずです。実は、国が主導して調査を行った前例が存在するのです。

それは、戦死者を靖国神社に合祀するために行った調査です。厚生省(当時)は、1956年に全国の都道府県に通達を出し、「遺族援護法」と「恩給法」のいずれかの適用を受ける戦死者の調査を行っています。その調査は、一宗教法人に過ぎない靖国神社のために行い、その調査で明らかになった名簿を渡し、合祀に協力したという問題がありますが、ここでは「自治体に依頼して調査が行われた」という事実だけに着目します。

この前例に倣えば、国が通達を出せば、「原爆で犠牲になった軍人」を調べることは、簡単にできることです。

仮にその調査結果が、今広島市が所有する「軍人名簿」とダブっていたとしても、調査する価値は十二分にすぎるほどあると思います。この調査を実施すれば、空白と思われていた軍人の原爆犠牲の実態をもう少し明らかにすることができるのです。

そのことによって、原爆被害の実態を、少しでも事実に近づけることができると私は思っています。

いのちとうとし

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