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2020年10月27日 (火)

石田原爆訴訟の「最終準備書面」を読む

今日10月27日は、広島県原水禁代表委員だった石田明先生の17回目の命日です。私は、ずっと石田明さんのことを「先生」と呼んでいましたので、今日も「石田先生」と呼ばせていただきます。石田先生には沢山のことを教えていただき、そして本当にお世話になりましたので、そのことをきちんと書くべきですが、今日は、「石田原爆訴訟」について書きたいと思います。

数日前ですが、金座街の古本屋アカデミー書店のWEBで「『原子爆弾被爆者の医療に関する法律』第八条に基づく認定申請却下処分取消請求事件 原告最終準備書面 原告石田明」を目にしました。早速店に行き、現物を手にしました。間違いなく石田原爆訴訟の「原告最終準備書面」です。

実は、この「原告最終準備書面」の重要さについて、石田先生は、代表的な自著「被爆教師」(1976年9月10日刊)のP.338で次のように紹介されています。

2041

「阿佐美信義弁護団長、外山佳昌副団長を中心とした弁護団の活発で周到な弁論は、報道関係者の讃嘆をあつめました。とりわけ、12人の弁護団による『原告最終準備書面』は卓越した内容のものでした。15万字におよぶこの『書面』は、裁判の一般の意味における『書面』をこえて、『ヒロシマ―その責任を問われるものは誰か』と署名を付して数多く出版されてよいすぐれた著作だと私は思いました。」

この文章のことをちょっと思い出し、すぐに購入しました。B5版サイズで、104ページあります。

石田原爆訴訟の意味について、4月1日のブログ「被爆者援護は裁判で勝ち取ったーそれまでは、「受忍論」を盾に「放置」―」(http://kokoro2016.cocolog-nifty.com/shinkokoro/2020/03/post-e5a529.html)でイライザさんが短い文章ですがわかり易くまとめられていますので、引用します。「石田訴訟(1973517日—1976727)――原爆による白内障を認定疾病として認めるかどうかが争点で、原告は石田明氏、被告は国で、要医療性が争点になりました。判決は、認定疾病についての二つの要件のうち、起因性については問題がない。さらに、医療審議会の意見「薬物治療は効果がない」に対して、一部ではあるが進行防止の効果を有するとの見解もあるので、もう一つの要件である要治療性があると認めるべき、というものでした。」

石田先生は、「被爆教師」の中でさらに続けて「原告最終準備書面」を次のように紹介しています。

「第一章では、原爆・ヒロシマの惨状を克明に語り、第二章では、原爆投下の国際法違反性を弾劾すると同時に、国家の戦争責任と被爆者国家補償の責任を問い、第三章では、被爆者立法の変遷と被爆者立法の実態を解明し、第四章では、原爆後遺症に対する医療の精神と国家の責任による医療保障の原則を究明し、第五章では、前章までの立証を集中して、認定申請却下処分の重大な違法性を迫り、終わりに原爆医療法が純粋な社会保障法でなく、国家補償法体系に属する法律であり、その正しい解釈運用は、国の被爆者に対する補償責務の自覚と原爆症についての科学的で正確な認識に立脚し、『疑わしきは被爆者の利益に』立つ以外にはあり得ないことを訴えて、陳述を結んでいるのです。」

この紹介文は、「原告最終準備書面」が今も続く原爆関係の訴訟にそのまま使われてもおかしくないほどの意味を持っていることを私に教えてくれているように思います。

少しだけ「原告最終準備書面」の中に入ってみます。石田先生が作られた詩から始まっています。

「‟ピカッ“/  強大なハンマーが電車の上から叩きおろした/ 真暗闇だ/(中略) この絶叫も 生きた体もろとも熱い炎に/ 次々に焼き尽くされていく/ だが、私はどうしょうもないのだ・・・・/ この叫びは  永遠に私の耳底に刻まれている」

詩人石田先生らしい「原告最終準備書面」です。

第一章「原子爆弾被害の実相」では、井伏鱒二の「黒い雨」、峠三吉、山代巴が編集した「詩集、原子雲の下より」、そして法廷に証人として出廷した被爆者の被爆証言が記載されています。

終わりにでは「原爆医療法の解釈運用は、国家補償の精神に立脚し、原爆症に対する科学的に正しい認識を持つことを前提としなければならないし、この立場がすなわち‟疑わしきは被爆者の利益に“の立場であり、この立場こそが真に正しい解釈、運用の立場であり、この立場以外には決して正しい解釈、運用はあり得ないのである。」ことを強調しています。

この準備書面は、「核兵器禁止条約」が発効した今、改めて読み直すべき価値を持っていると言えます。同時に、石田原爆訴訟は勝訴判決を勝ち取ったにもかかわらず、「疑わしきは被爆者の利益に」という主張は、今なお訴え続けなければならないのが現実であることも知らされます。 

ところで、アカデミー書店のWABには、この「原告最終準備書面」の他に「石田原爆訴訟資料 第二集から第四集」の三冊も掲載されています。全体はどういう構成になっているだろうと思い、関連資料はないのかと広教組を訪ねました。広教組には、全部きちんと保管されていました。そこで見せていただいた資料について、明日報告します。

いのちとうとし

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