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2020年10月11日 (日)

「今でしょ!」・その1 ――言論弾圧の動機――

「今でしょ!」・その1

――言論弾圧の動機――

 

  『法学セミナー』に掲載された拙稿の紹介を続ける予定でしたが、緊急な「事件」が発生しました。拙稿紹介は先送りして、基本的人権の中でも重要な、表現の自由、学問・研究の自由に対する菅政権の「弾圧」に、「今」、私たちが立ち上らないと手遅れになることをアピールします。

 皆さんも御存知のように、問題は日本学術会議の会員105名の推薦名簿から6名が名指しで、「任命拒否」されたことです。それが「言論弾圧」であり、「学問の自由」や「表現の自由」の蹂躙であるとは考えられない方もいらっしゃるかもしれませんが、最後までお読み下さい。事態の深刻さを理解して頂けるはずです。

 とは言え、以下説明する菅政権の策略を支える柱一つ一つについて、誰にも納得して貰える一次資料や信頼できる報道元等を丁寧に提供しているだけの時間がありません。主に結論だけをつなぎ合わせることになりますが、小論の正しさは、やがてどこかの時点で行われる歴史的検証の場で証明されることになると信じています。

 

[動機]

① 安倍政権の継承内閣である菅政権の大目標の一つが憲法改正であることは言うまでもありません。(改「正」ではなく、改「悪」を使うべきだという考え方もありますが、ここでは憲法で使われている単語を優先します。) 安倍政権はその実現のために、様々な策を弄してきたのですが、その一つが、2015年9月19日に参議院で可決され成立した安全保障関連法です。その一環として、それまでは認められていなかった「集団的自衛権」が、いわば「合憲」のお墨付きを得ることになったのです。ですから、「戦争法」と呼んだ方が適切かもしれません。

  しかしながら、世論の反対は勿論 (とは言え、朝日新聞の世論調査では、反対が約半分です。) のことですが、憲法学者からは総スカンを食らいました。同年6月の憲法学者209人を対象にし、122人から回答が得られた朝日新聞の世論調査では、安保法案を「違憲」だと考える憲法学者は104人、「合憲」だと考える憲法学者は2人だけでした。(15人は、「憲法違反の可能性がある」、1人は無回答)。また、9条を改正する必要があると回答した人は6人、必要はないとの回答は99人、無回答その他が17人でした。(6人と99人という数字は偶然ですよネ?)

  これほど圧倒的な差で、「学問」の世界では憲法の平和主義を支持しているのですから、「憲法改正」特に9条の改正を生き甲斐と公言して来た安倍総理個人にとっても、権力者の「忖度」を最優先する官僚たちにとっても、「学者」そして「学問」が邪魔であることは明白です。しかも「権力」を持っているのですから、その力を使って何とかしたいと考えたとしても、「力の支配」信奉者にとっては、ごく自然な流れだったのでしょう。もちろん、権力に対峙し、学問的良心を貫く学者の中には、日本学術会議の会員も当然、含まれています。

 

➁ 戦争の歴史は、使われる武器の歴史でもあるのですが、特に20世紀になってからは、1911年のイタリア・トルコ戦争を皮切りとして、第一次世界大戦でも航空機を使っての空爆が、大きな役割を果してきました。加えて、化学兵器や生物兵器、さらに最近では電子兵器や宇宙兵器なども登場し、科学・技術研究と戦争とは切っても切り離せない関係であることは言うまでもありません。それらの武器が与える被害は勿論なのですが、戦争を推進する立場からは戦略的な重要性が強調されることになりました。

  軍隊という「暴力装置」を独占する国家としては、戦争に勝つという目的のために、科学・技術研究に多額の資金を投入して、軍事力強化のための努力を続けてきました。また、経済的利益につながる科学・技術研究は民間の企業の投資対象になりますが、軍事にも経済的利益にも直接貢献しない分野への投資が減らされる傾向も同時に現れてきました。

  最近のわが国の例では、2015年に防衛装備庁が「安全保障技術研究推進制度」と呼ばれる研究委託制度を創設し、科学者が軍事研究に携わる道を大きく広げました。その予算は、開始時の2015年 に3億円、2016年には6億円、2017年には110億円に増額されました。「科学研究助成金」などの研究助成金が減少傾向にある我が国では、このような委託研究制度が研究者にとって大きな魅力に映っても仕方のない状況でした。応募についての詳細は、防衛装備庁のサイトを御覧下さい。

  一時的には、この制度への応募者が増えたのですが、2017年以降は減少することになりました。研究者の間から、大学その他の研究機関が軍事研究に携わることに対する反対意見が多数出され、2017年には、日本学術会議が、この制度ならびに軍事研究そのものに対しての反対声明を公表したからです。学術会議に対する権力側の怒りが増大したことは想像に難くありません。

 とは言え、学術会議そのものにも大きな問題があるのですが、今回はまず、菅内閣が学術会議を自分たちの支配下に置きたいと考えるに至った大きな理由を二つだけ挙げておきました。

 

 問題は、このような支配が学術会議だけに止まらず、次は大学、その次はというように、徐々にしかも多くの人たちの関心を必ずしも惹かない形で進み、気が付いた時には二進も三進も行かない状況になってしまう可能性が高い点なのです。次回以降も続いて、こうした点について考えたいと思います。

[2020/10/11 イライザ]

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