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2020年8月 1日 (土)

劣化した政治の「震源地」はどこか? (2) ――憲法違反の小選挙区制度 (1) ――

劣化した政治の「震源地」はどこか? (2)

――憲法違反の小選挙区制度 (1) ――

 

国会や地方議会、そして地方自治体そのものを官僚の天下り先として捉えることで、我が国の政治の劣化の本質をかなり理解できるのではないかと考えていることは前回お伝えした通りですし、それに世襲議員や首長たちが絡むことで、日本社会の非合理性にも納得が行くような気がします。それは、20年を超える長きにわたり、これらの人々とは全く違う環境から出発して、しかしながら例えば同僚としてあるいは同業者として至近距離で政治家の実体を見てきた経験からの結論です。その実態を同じような視点から見詰めて来たどなたかが、具体的なデータ、つまり客観的事実を元に、官僚出身の医事課や世襲政治家の実態と政治の劣化について分り易くまとめてくれないかと、ずっと思い続けているのですが、今のところ私の願いはまだ夢でしかありません。

もう一つの政治劣化の震源である、小選挙区制度については多くの分析があるのですが、ここでも責任を果すべき人たちが、残念ながら動いてくれていない現実に歯痒い思いをし続けています。とは言え、「定期的」に問題提起をし続けることで、より多くの人が問題の深刻さに目覚めてくれることを祈りたいと思います。「定期的」と書いたのは、以下のレポートが『数学教室』という月刊誌に、2015年の9月号から5回にわたって掲載して貰った内容からの抜粋だからです。折角の機会ですので紹介しておきますが、『数学教室』は、数学を楽しく学ぶことで理解を深め、生徒も保護者も先生も笑顔で数学を学ぶ環境を創ろうと、数学の先生方が自主的な研究や創意工夫を重ねた結果を報告する月刊誌です。

本題に入りましょう。小選挙区制導入に至る経緯については、多くの関係者が複数の視点から詳細に経緯を語っていますので、『数学教室』のシリーズで問題にしたのは、少し御桃向きを変えて、小選挙区制導入の経緯と憲法との関係でした。

それは、政界やマスコミがなぜ「政治改革」という名の下に理性を失ってしまったのかという問が出発点です。理性を失ったリーダーたちそしてその追随者たちが怒涛のような攻撃を仕掛けてくる中、私たちは「守旧派」と揶揄されながらも、真実を広めようと躍起になって、民主主義を守るために闘っていました。

そんな状況ではなかなか大局的な姿は見えにくいのですが、今にして思うと、政治家たち、そしてマスコミ人たちを冒していたのは、コロナウイルスにも類似点がある病です。それは憲法を無視し蔑ろにして憚らないどころか、憲法を破壊していることにさえ気付かない無知と鈍感さです。『数学教室』でのミニ・シリーズでは、小選挙区制を通して、特に国会のあり方について、憲法との関連を考えました。さらには、司法の責任についても言及したいと思います。

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《小選挙区制とは》

最初に確認しておきたいのは、小選挙区制度とはどのような制度なのかという点です。諸悪の根源である選挙制度は小選挙区制として知られていますが、正確には小選挙区比例代表並立制と言います。より詳しく説明すると「《相対多数当選式》小選挙区、《拘束名簿式》比例代表、《重複立候補》並立制」です。特に断らない限り「小選挙区制」と略記します。

このように、いくつもの修飾語が付けられているのは、それぞれの箇所で、複数の選択肢があるからです。現在の制度より優れた制度も多くあったことを示すために、まずは、その説明から始めましょう。

まず、《相対多数当選式》小選挙区制ですが、これは小選挙区の中で当選者を決めるに当って、得票数の過半数ではなく、相対的多数の候補者が当選することを意味します。かつての中選挙区の欠陥として、小選挙区論者が主張していた点の一つが、中選挙区制では複数の候補者が当選するので、有権者の一割とか二割くらいの支持しか得ていなくても議席を得られる、これはおかしいということだったのですが、その点は、小選挙区制度導入によって改善されたのではないのです。例えば、5人の立候補者がいて、ドングリの背比べの支持を得ていたとしましょう。一人だけ25パーセントの支持があり、その他の3人は20パーセント、一人が15パーセントの得票があったとすると、25パーセントの票で当選してしまうからです。

これに代る選挙制度としては、例えば、第一回目の投票で過半数を得た候補者がいない場合、一位と二位の候補者、あるいは、一位とそれ以下の候補者の中で調整をして統一候補を選び、二者で決選投票をするといった形があります。

次の《拘束名簿式》比例代表制ですが、比例代表ですから、有権者は政党に投票し、得票率に従って各政党に議席が配分されます。拘束名簿では各政党の決めた名簿に従って上位から議席が決まります。参議院のような非拘束名簿の場合は、候補者名を書いて投票し、その票は所属政党の票として数えられ、合計されたものが政党毎の得票数となります。政党に配分された議席は、個人票の上位の候補者から配分されますので、選挙が終わるまで誰が名簿で一位なのかが分らないため非拘束式と呼ばれます。

小選挙区をさらに複雑にしているのが重複立候補と惜敗率による名簿の順位決定です。一人の候補者が、小選挙区選挙と同時に比例代表式の選挙にも立候補できるのが重複立候補です。惜敗率による名簿の順位決定とは、比例選挙の際に提出する拘束名簿には、重複立候補者の名前を全て一位としてリストしておき、候補者が小選挙区で落選した場合、得票率の多い人を上位にすることで名簿の順位を最終決定し、配分された議席を分配する方式です。

小選挙区比例代表並立制と言っても、かなり複雑な選択肢の組み合わせであることはお分かり頂けたと思います。そこをお伝えしたかったのですが、他の組み合わせを行うことも可能でした。例えば、小選挙区比例代表併用制では、まず、議席の数は政党に投票する比例代表選挙で決まります。小選挙区での当選者は、政党に割り振られた議席に誰が座るのかの優先順位を決める際に使われるという制度です。各政党毎に割り振られた議席にはまず、小選挙区での当選者が優先的に与えられ、それでもまだ埋まらない議席がある場合、政党の準備した政党名簿の登載者に議席が割り振られます。この際、小選挙区での当選者数が比例代表での獲得議席より多いこともあります。その場合には、小選挙区の当選者全てを「当選」させることになっていますので、「超過議席」が生じます。

今回も長くなってしまいました。切りが良いので、ここで一旦お休みにして、次回、8月11日に続きをアップします。

 [2020/8/1 イライザ]

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コメント

中選挙区制には、もう戻らないのですか。比例代表制も、単純なものでは、ないです。得票率で、単純に、配分するものでは、ないみたいですし。小選挙区制は、日本には、合わないように、思えてなりません。

単純小選挙区制ならまだしも、今以て、並立制やら併用制やら、
すっと頭に入りません。
そも、衆院で可決→参院で否決されたのに、
土井さん誘導??で細川護熙と河野洋平が合意してしまった。
それでも河野洋平は土井さんの弔辞でそれを詫びた。
でしたですよね、たしか。
(どこそこにこうあったとビシッと記せずで😢)

先だっての都知事選→「女帝」が勝つにしてもさすがに
票は減らすだろうと思っていたら😢
週金7/10号によると→宇都宮・山本票は→前回の野党4党統一候補・鳥越票から
「約4ポイント伸びている」と。せめてもの救いか。

「60sp」様

コメント有り難う御座いました。中選挙区制に戻った方が良いと思いますし、比例代表制でも良いと思います。でも、誰かが動かないと実現しませんので、勇気あるリーダーの出現を祈っています。

「硬い心」様

コメント有り難う御座いました。

憲法を守っていれば、小選挙区制にはならなかったことは、次回取り上げます。これまでも機会あるごとにこの点を広めようと頑張ってはいるのですが、なかなか前に進みません。

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