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2020年5月18日 (月)

新型コロナウイルス断想・その9 ――ようやく全体像が見えて来た――

新型コロナウイルス断想・その9

――ようやく全体像が見えて来た――

 

Our World in Dataには、ありとあらゆる組み合わせの相関度のデータとグラフが用意されていますので、その中からいくつかを選んで、日本の状態を推測する積りでしたが、5月15日には、抗体検査の結果が発表されましたので、実データを優先してそちらについて考えたいと思います。

緊急事態宣言の一部解除が決まったのは5月14日です。その翌15日には、献血の際に行われていた抗体検査の結果が発表されました。500件の検査の内、コロナウイルス陽性を示したのは3件で、陽性率は0.6%ということになります。500件では数が少な過ぎますし、検査そのものの信頼度も高くないということなのですが、これまでのPCR検査のように検査対象が恣意的に狭められていた事とは対照的に、一応、ランダムな検査結果が出たということですので、この結果がそれなりの客観性を持つものだという仮定の下、いくつか感じたことを記しておきたいと思います。

まず、4月23日に公表されたニューヨーク州とニューヨーク市の抗体検査の陽性率と比べると、桁違いに低いことが分ります。ニューヨーク州では14%、ニューヨーク市では21%なのですから。とは言え、東京都の人口は約927万人ですから、その内の0.6%がコロナに罹っていたとしたら、5万5000人です。現在東京都内の感染者数は約5000人ですので、その10倍の人が感染していることになります。

現在の日本全体の致死率は、Our World in Data の数字で見ると、4.27%ですので、それを使うと、2300人が、東京都内で亡くなっているはずだという結果になります。しかし、公式の死亡者数は212人です。2018年、東京都での肺炎による死亡者数は約8000人ですので、今年もこの傾向が続いているとして、コロナ感染による肺炎であるとは診断されていない死亡者の中に、実際はコロナによる肺炎が混じっていた可能性は否定できませんが、もう少し信頼できる数値がないと、これ以上の推論は意味がありません。

実測値と、抗体検査の結果から推測できる数値の間にこれほどの違いがあるのですから、その意味を考えるに当っては慎重にかつ論理的・科学的な手続きが必要になります。特に大切なのは、統計的に意味のある広範囲のPCR検査ならびに抗体検査を行うことです。科学的ということは、実際のデータを元に、科学的な知見を使うことですからこれは当り前です。

その上で、15日のテレビで白鵬大学の岡田晴恵教授が指摘していたことが重要です。教授の整理の仕方を少し変えて、「楽観的」な要素と「悲観的」な要素の二つに分けて、未来を考えてみましょう。

 Img_4223

楽観的な要素とは、ニューヨークの感染率と比べて、東京の感染率が桁違いに低いことです。これを文化・社会的な違いで説明することも大切でしょう。例えば、マスクを装着している人の割合や、電車等の密集した場所での日本人のお行儀の良さ、家に入るときには靴を脱ぐ週間、トイレには、トイレ用のスリッパがある等々の衛生観念の浸透、ハグをしたりキスをしたり、握手を頻繁にするという習慣のなさ、大声で喋る人が少ない事実、その他、多くの違いが感染を防ぐ上で役立っていると考えられます。

それが、何らかの科学的方法で確認されれば、今後のコロナ対策の一環として世界に「日本方式」あるいは「アジア方式」として広める努力が必要になるかもしれません。この点については最後にまた触れますが、その前に悲観的要素について考えてみましょう。

それは、陽性率が0.6%の意味です。ということは、感染していない人が99.4%もいることになります。この岡田教授の鋭い指摘で、大切な点が浮き彫りになりました。ほとんどの人が感染していませんので、ワクチンや治療薬が早く出来なければ、ほとんどの人は初めて感染する危険に晒されることになります。特に、秋から冬にかけてのインフルエンザが流行する時期は、コロナウイルスに感染し易い環境でもある訳ですから、今まで以上に感染防止のための努力をしなければ、感染爆発が起きる可能性が大きくなります。

勿論、統計学的、疫学的に意味のある検査が行われて、感染の状態がある程度正確に分ってからで良いのですが、感染爆発を起こさないように、今から準備をしておく必要があることも当然です。たとえば、冬になって必要になるマスクとか消毒液を今から手配しておくとか、医療用のマスクのみならず、防護服やフェース・シールド等も秋・冬用の量を揃えておかなくてはなりません。

今まで「後手、後手」でしか対策を打てなかった安倍内閣にも、これまでの失敗を教訓に、秋以降は国民から再評価されるような施策を今から準備する二度目の機会が与えられているのです。検察庁法改正案などという「不要不急」の案件に時間を使うのではなく、秋以降に汚名を雪げるよう、今こそ、英知を結集すべき時なのではないでしょうか。

あるいは、安倍政権に愛想をつかしつつある国民の立場を重んじて、安倍内閣を倒して、秋以降のコロナ対策は私に任せて下さい、というリーダーが現れないものでしょうか。

ここで、再度、楽観的要素の登場ですが、仮に政治のレベルでのコロナ対策が秋になってまだ間に合わないとしても、日本国民の衛生観念の素晴らしさや今経験しつつあるコロナ対策からの教訓を秋から冬にかけて生かすことができるのも、私たちの強みです。仮に安倍内閣、あるいはその後継内閣が無能でも、国民の力で秋から冬の感染期の波を乗り越えることは可能です。

 [2020/5/18 イライザ]

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